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第141回 地図地理検定



【地図地理検定とは】
サイクリストの皆さん、「地図地理検定」ってご存じですか? 私もつい最近まで全く知りませんでした。
2〜3年前に、地図センターに5万図を買いに行った時に、このポスターを見つけました。

へぇ〜、こんな検定があるんだ。世の中、いろいろ変わった検定があるけれど、地図の世界にもあるんだ。
面白そうだけど、今の自分には特に必要もないし、受けたところで何に役立つのかわからない。
というぐらいの出会いだった。

昨年、また地図センターに行った際、再び目にしたこのポスター。石原良純さんがオススメしている。
回数も「第43回」となっている。えっ? そんなに歴史のある検定なの? と興味がわいてきた。


【事前準備】
受験料も安いし、検定会場も近いので、ま、半分冷やかしで受験してみるかと申し込む。
さすがにこれだけ長いことツーリングで地図に親しんできているから、いまさら勉強しなくたって・・・
と、試しにサンプルの問題を見てみると・・・うん? なんだ? 全く分からない!

地図記号も、半分ぐらいしかわからない! いったい今まで5万図の何を見てきたんだ・・・と大ショック。
心を入れ替えて、過去問題集やら、参考図書などを買い求めた。

「地図地理検定」は、「基礎」と「専門」に別れていて、専門は得点によって1級〜3級まで別れている。
さらにその上に、1級認定の回数に応じて
「準地図地理力博士」(認定3回)、「地図地理力博士」(認定5回)まで設けられている。

「地図地理検定」は奥が深い。地図だけの問題ではない。
現代社会の問題まで含んだ、文化・地理・歴史・社会などの総合力を試される検定だと痛感した。
何とか受験一発で「基礎」だけには受かりたいと、検定目指して勉強し始めた。


43回 地図地理検定(基礎)2025/6/22 午前実施


【検定当日】
初めての挑戦がやってきた。
過去問を解いて、問題の傾向をつかみ、地図記号は徹底的に勉強した。

地図記号の勉強には、スマホのアプリが役に立つ。いつでもどこでも勉強できる。
おかげで、地図記号だけは自信を持てるほどになった。

バスで検定会場へ向かう。いったいどれだけの受験者がいるのだろう? と気になる。
大学の大きな教室で検定が行われる。ざっと見たところ100名程度か? 

それにしても、ほぼ全員が自分より年下だ。小学生の姿も、女性の姿も多い。
この中で、60代半ばのサイクリストなんて、まずいないだろうな・・・きっと自分が最高齢者だろうな。

【検定開始】
基礎の検定が始まり、全知識を総動員して問題を解いていく。
初めての検定なので、時間配分もうまく行かず、どんどんと残り時間が迫ってくる。

とにかく、時間が足らない。じっくり読めば解答を導き出せる問題も多いが、それを許させない。
焦らせて、追い詰めて、イージーミスを誘う選択問題が多い。

残り10分でなんと、まだ5問も残っている。何も解答しないのではもったいない。
最後はもう、適当な番号を選んで解答する・・・あぁ、こんな解答ではだめだ、全く納得できない。

【結果】
検定終了後、すぐに解答が配られる。皆、すぐに答え合わせを始める。おおよその結果はここでわかる。
「基礎」の合格ラインは60点だ。自分の採点結果では、なんと60点! うそ? まじ? 合格か? 

数日して届いた結果を見ると、やはりちょうと60点で「合格」だ!
合格最低点でなんとかひっかかかった! なんという幸運! 最後の5問で運命が決まったようだ。

採点結果には細かく詳細が記述されている。自分の間違えた所をよく見直すのに役に立つ。
もっと得点できたはずだ。あまりに時間配分を間違えた。そして落ち着きがなかった。
まあ初挑戦にしては上出来の結果だった。


43回 地図地理検定(専門)2025/6/22 午後実施


【検定前】
午前中の「基礎」で、かなり頭も疲れ果て、果たして午後の「専門」はどうなるのかと不安だ。
まあ、今日の目的は「基礎」に合格することだから、「専門」は予行練習と考えていた。
過去問を見ても、あまりの難しさにもう完全に諦めモードに入っていた。ま、とりあえず試してみましょう〜

「専門」の検定になると、受験者の年齢層が上がってくる。それでも小学生もやはりいる。
すげーな、この子たち。こんなおじさんより、よっぽど色々な知識を持っているんだろうな。

この検定に受かっても、会社で手当が出るとか、就職に有利だとか、そんなことないだろうな。
皆さん自分への挑戦で、好きな趣味の世界にどっぷり浸かっているいるって感じが漂ってくる。

【検定開始】
まず合格は不可能、とわかっているから気が楽だ。今度は時間配分を考え、作戦を立てる。
といっても、この「専門」の検定は、選択問題と記述問題の組み合わせだ。
選択問題で最低限の得点を稼ぎ、記述問題でどこまで得点を伸ばせるかがポイント。

まあ、そんな作戦を立てたところで、どーしようもないぐらい問題が難しい。
半世紀も峠越えをしてきた経験も、ここでは何の役にもたたない問題ばかりだ。
それでも、長いこと全国を走ってきたおかげで、日本の地理に関しては経験が役に立った。

問題に出た地形図の地名を見ただけで、ここがどこの県なのかを一発で推測することができた。
そのおかげで難問を解答することができた。これはやはりツーリングの恩恵だろう。

選択問題も難しかった。簡単な問題は何一つなかった。レベルが、次元が違いすぎた。
そして記述問題。初めての挑戦では、これはもう、ゴメンナサイというレベルだ。
問題の意味もよくわからないし、知識を絞りだせば解答できるというレベルではない。

いったいどんな勉強をしてくれば解答できるのか教えてほしいぐらいだ。
それでも、何も書かずに空白で提出では情けないので、意味不明なことを書いて検定終了となった。

【結果】
結果は、当然のように不合格だ。得点は42点。全体平均のちょっと下だ。
それでも初めての挑戦にしては、結構得点できたなぁと自分では高評価だ。
詳細を見ると、選択問題で半分間違えている。ここがまずポイントだ。

そして、記述問題は予想通り全く話にならない。ほとんどの問題が平均点以下だ。
しかし唯一地形図に関する問題は、平均以上の7点(満点)を取っている!
この問題は、東日本大震災で被害を受けた、岩手県宮古市周辺に関する問題だった。

クラブランで、この地区周辺を実際に見て走ってきたおかげで、満点を取ることができた。
やはり、ツーリングで得た知識、経験が役に立った。見てきたからこそ解答できる問題だった。
この問題を見た時、思わず「ニヤリ」と微笑んだ。これはもらった!と。

まともに解答できたのはこの一問だけだ。あとの問題はほぼ全滅だった。お情けで何点か配点してくれた。
しかし、3級まであと少しだ。もう少しテクニックを覚えれば、次回はなんとかなりそうな気がしてきた。


第44回 地図地理検定(専門)2025/11/9 午後実施


【再挑戦】
前回の検定を受けてみて、「面白い」と感じた。なんだかわからないけれど、自分の趣味に最適だと感じた。
「専門」に全く歯が立たなかったことが悔しかった。
5万図を利用してきた自信は相当あるけれど、ただ道を眺めてきただけだった。情けない・・・

年に2回実施される「地図地理検定」、秋の検定は11/9(日)だ。
まずいことにこの時期、恒例のクラブランが予定されている。重ならないことを願って、検定に申し込む。

【対策】
何か対策をしないと結果は前回と同じになる。さて、どうすればいいのだろう・・・
専門的な勉強をすればするほど、きっと得点は上がっていくだろう。
しかし、そんな時間もないし、何よりツーリングで忙しい。

できることは、過去問を見て問題の傾向を掴むこと。傾向を掴んで、解答を導き出す手法を学ぶことだ。
過去に出た問題は二度と出ない。応用した問題がほとんどだ。対策はただ一つ、考え方を身につけることだ。
選択問題は最低でも70%、できれば80%正解したい。これも過去問をいくらやってもだめ。考え方だ。

【検定会場】
今回は「専門」だけの挑戦なので、午後からゆっくり出かける。
さすがに午前・午後と検定を受けると、脳細胞の疲労が激しすぎる。
前回の敗因はそこにもあったのかもしれない。

会場へ行くと、午前中の「基礎」を受けた人たちが答え合わせをしている。
喜んでいる人の中で、やはり残念そうな顔をしている人も見かける。

親と一緒に答え合わせしている小学生もいる。
まず「基礎」に合格するだけでもとってもうれしい。前回自分もその感激を味わっているからよくわかる。
「専門」の試験会場は、今回もあまり人がいないようだ。やはり100名程度しかいない。


【検定開始】
いよいよリベンジ開始。今回は前回の失敗を反省し、落ち着いて問題全体を把握する。
中には諦める問題も多いので、どこに時間を集中させるかがポイントだ。
全ての問題に解答したいところだが、確実に得点できる問題と、そうでない問題を見極める必要がある。

それでも圧倒的に時間が足らない。考え込んでいる余裕は全くない。
問題を読んだら、すぐに答えを決める必要がある。あとでもう一度考えようなんてことをしていると終わりだ。
選択問題は意外とできた感じがした。まあ、それでもいいところ50〜60%程度だろう。

そして記述問題。
前回の検定でわかったことは、何か書けば、何点か配点してくれるということ。
多少間違っていても、ポイントをついていれば1点〜3点ぐらいは配点してくれる。
となれば、解答用紙に目いっぱい書いた方がお得だ。後半の時間は、その作戦に徹する。

しかし、知らないことは何も解答できない。言葉を知らなきゃ、何もかけない・・・
結局勉強しなきゃ、記述問題では高得点は稼げないということだ。

【結果】
検定終了後の答え合わせでは、予想以上に正解が多かったことに驚いた。
選択問題は、なんと15問中10問正解だ。正解率は70%には足らなかったが、66.6%だ。
イージーミスが2問あったので、本来はもっと得点を稼ぐことができた。


しかし、最終的な合否は年末に郵送されてくる結果を待たなければならない。
選択問題が高得点でも、合格点にはほど遠い。やはり記述問題で何点取れるかだ。

3級の合格ラインは50点。自己採点では50点〜52点予想だ。
しかし記述問題の採点は全く予想できない。0点かもしれないし、2点、3点くれるかもしれない。
優しい採点であれば、ひょっとしたら3級合格かもしれない・・・とひそかに願っていた。

【最終結果】
年末になって、待ちに待った結果が届いた。開封する瞬間、興奮が高まる。
「3級合格」の文字が飛び込んできた! そして「認定証」! やったぁ〜!!
得点も、予想を上回る54点だ。これには驚いた。

うれしい! 本当にうれしい! なんでこんなにうれしいのだろう。
まったく「地図地理」の知識もなくツーリングしてきた自分が、ほんの少し認められたという喜びだ。

結果の詳細を見ると、さらに色々な事がわかってくる。
今回の勝因は、やはり記述問題だろう。前回よりは確実に得点を増やしている。
まったく採点されず0点だった問題数も4問→3問に減っている。一生懸命書いたおかげだ。

そして問20は満点を獲得できた。これは、紙地図とWeb地図のメリットを述べる問題だ。
得意中の得意な問題、6点を予想していたが満点の7点をいただくことができた。

当たり前のように使っているWeb地図だが、紙地図との比較でお互いのメリットを述べるのは意外と難しい。
紙地図を日頃から愛用している人にとっては、簡単な問題だ。
私はこうしてホームページを作っている関係で、どちらの地図も日々活用している。そのおかげだろう。



【最後に】
今の時代、Googleマップさえあれば、きっと他に何もいらないかもしれない。
紙地図なんて時代遅れで、更新もされず、持ち運びも面倒。そして高い。
水に弱いし、破れるし、暗い所じゃ見れない。字も小さくて年配者には厳しい。

ただ目的地へ向かうだけなら、紙地図はデメリットばかりかもしれない。
しかしサイクリストにとって、必要な情報は他にたくさんある。
ゴールだけではない、その途中にたくさんある。

Googleマップにしろ、紙地図にしろ、眺めているだけで色々な事がわかってくる。
ただし、一度に得られる情報は、紙地図のほうが圧倒的に多い。
今回、2回の検定を受けてみて、地図の面白さを再認識した。

地図は、これまではルートを辿ることばかりの使い方だった。
しかし、視点を変えるとこんな見方、使い方があるのかと驚きの連続だった。

地図と地理を組み合わせたこの検定は、実に自分の旅のスタイルマッチしている。
走ってきた地形は記憶に刻まれ、訪れた場所の風景は心に残る。

考えてみると、自転車でのツーリングというのは、この「地図地理検定」に最適なのではないかと感じる。
多くのサイクリストの皆さん、一度検定を受けてみませんか? きっと世界が変わると思います。

さて、次回は「専門2級」を目指してまた受験したいと思います。しかし相当ハードルは高いです。



【後日地図センターへ】
検定終了後、再び5万図を買いに地図センターへ行った。
「この前、地図地理検定を受けてきましたよ」

「あ、そうですか! ありがとうございます。」
「私も一度、専門の検定をお手伝いに行ったことがありますけど、皆さん、すごいですねぇ」
「私なんか問題を見ても、問題の意味が全然わかりませんでした。ホントすごいですねぇ」
「あっ、これお持ちですか? よかったら差し上げます。次回のお勉強にお使いください」

と、お守り代わりのボールペンをいただいてきた。よし、これで頑張るぞ!

(検定日 2025/6/22、2025/11/9)


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