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九州を3週間巡って、ついに沖縄へ渡る時がきた。

まさか、自転車で沖縄まで来れるなんて思ってもみなかった。

今年は沖縄海洋博の年。観光と、海洋博と、そして青い海が待っている。


那覇港へ降りる。

さすがに暑い。そして異国の景色。

道路は右側通行だし、米軍施設の周囲は、もう日本ではない。

 

サイドバッグを付けての右側通行で、縁石に接触し転倒!

そこに後続が乗り上げて悲惨な事故に。

人間にはケガはなかったが、

重量級の自転車がのっかって、シートステイを曲げる結果に・・・うわぁ大丈夫か?

ガードも、ステーも曲がったが、何とか修復して走り出す。

 

いろんな所でキャンプした。水さえあれば、どこでも寝れた。

ハブよけに使おうと、硫黄を1キロも持ってきた。


目の前はきれいな海だから、風呂代わりに泳げば気持ちいい。

ころんでケガした右ひざも、海水で消毒、自然と治った。

何もかもワクワクする毎日。

毎日が楽しくて楽しくてしかたがなかった。

歩道橋の下なんかは、雨風しのげで快適だった。

飯盒でご飯炊いて、ボンカレーで出来上がり。

薄っぺらい三角テントに、仲良く三人横になって寝た。

毎日、よく走り、よく遊んだからぐっすり寝れた。


こんなこともあった。

工事中の 建築現場で寝ていたら、作業員が現れて一人200円出せと言われ、カツアゲされた。

きっと自分の小遣いにするのだろうな。でも、一人200円って・・・やさしいんだか、なんだか・・・

 

 

沖縄の北端、辺戸岬。

今まで見たこともない澄んだ青い海。

海に潜れば、目の前に熱帯魚が泳ぎ回る。

まるで水族館の中のような別世界の眺め。

これが沖縄の海か! とにかく、感動した

 

旅の終わりは、沖縄から東京までの船旅。

輪行袋が平らに積み重ねられて運ばれる・・・あぁ・・・大丈夫かな。

輪行袋の中には、お土産のパイナップルもはいってるんだぞぉ。

 

カップヌードルを買い込んで長旅に備える。

しかし、船内のお湯がぬるくて食べられたもんじゃない・・・

長かった。延々あきれるほどの船旅だった。

陸地が見えない。明けても暮れても海しか見えなかった。

何もすることがない。食べて、横になって、寝る繰り返しだった。

東京に戻ってきた。仲間が迎えに来てくれた。

九州・沖縄 1ケ月のキャンピング。

後にも先にも、こんな充実したツーリングはない。

10代、最高傑作のツーリングだった。


(1975/8 走行)


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