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サイクリスト憧れの地、宗谷岬。
ツーリングを始めたら、いつかはここへ行きたくなる。
利尻礼文で知り合った和歌山の冒険王と、都内から来た若者。
しばらくは彼らと一緒に行動することになった。
とにかくこの和歌山のサイクリストは、豪快な装備で笑ってしまうほどだ。
フル装備に、さらにリアキャリアには荷物が満載。毛布から洗面器まで のっかっている。
もう少し軽量化とか考えないんでしょうかね?
しかし走りは素晴らしい。
がっちりとした体格、鍛え上げられた太もも。
さすが日本を何周もしている人の体は鍛え方が違う。
きゃしゃで細身の自分とはパワーが違う。
ボトルゲージには、ウィスキーの瓶がささっている、ときた。
稚内から延々と走る。宗谷岬は遠い。
「日本最北端」の名前に憧れる。
サイクリストはこうした地を求めてひたすら走る。
果てしなく広がる海。何も見えない。
紺碧の青さ、暑い日差し、そして澄んだ夏空。
今まさに北海道のツーリングを感じさせる道のりだ。
景色が変わらない。いくら走っても変わらない。これが北海道。
そしてとうとう着いた、日本最北端の地、宗谷岬。
やっぱり、達成感、満足感は格別だ。
その夜は楽しいキャンプサイトになった。
自転車3人組に、車で来たアウトドア青年が加わった。
目の前で高級牛肉を調理し始め、我々に試食させてくれる。
毎日ろくなものを食べていないサイクリストにとっては、絶品の牛肉であった。
ナイフはガーバーじゃなければだめだとか、道具はジャンスポーツがいいとか、うんちくに耳を傾ける。
そこに、にぎやかさにつられて女性二人組が合流。
意気投合して、笑いあり、自慢話ありの楽しい夜が更けていった。
皆、それぞれの生き方、楽しみ方。
笑顔が素晴らしい。生き生きしている。
やっぱり、ロングツーリング、キャンピングは魅力たっぷりだ。
(1977/8 走行)
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