峠への招待 > ツーリングフォトガイド > ’197 7 > 高ボッチ高原・鉢伏山


長野県岡谷市・塩尻市・松本市にまたがる高原。塩尻峠から鉢伏山に続く高ボッチ山を中心とした草原状の高原。
レンゲツツジなどの高山植物が咲き、冬はスキー場となる。「ボッチ」はアイヌ語で「巨大な高原」の意といわれる。
また当地の方言で、峰の最高所、凸型の地点をさす、とする説もある。360度の展望が楽しめる。(高ボッチ山 標高1665m)


夜行を上諏訪で降りる。

まだ残暑の残る9月。完璧に晴れた。ぬけるような青空だった。

塩尻峠を越え、高ボッチ高原へと分岐する。標高を稼ぐにしたがって、車の雑踏が消えていく。

気がつくと全くの静寂の世界。静かすぎて耳鳴りがしてくる。

登るにつれ、視界が広がっていく。

高ボッチ牧場からは、眼下に諏訪湖が広がる。素晴らしい眺めだ。


これほど見事なパノラマはお目にかかったことがない。

周囲のスケールの大きさに、距離感が麻痺してくる。

しかしその先、鉢伏山から扉温泉までのルートは辛く、厳しかった。



まず相棒がトラブル発生。

タイヤのエアーを少々抜こうとしたら虫ゴムが天高く舞い上がって飛んでいった。
(なんとフレンチバルブではなかったのだ)

全員ではいつくばって必死になって探し出す。

扉温泉への下りは、標高差もさる事ながら、巨大な玉石、崩落、やぶこぎ、そして日没というフルコースとなった。

暗闇寸前に営林署小屋に到着。

辿ったルートの間違っていない事に胸をなで下ろす。

旅館の人も我々の行程を聞いて、ただただあきれるばかりであった。

このルート、体力と時間に十分時間を持てば、きっと心に残るツーリングになる。


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