峠への招待 > ツーリングフォトガイド > ’197 8 > 海ノ口牧場
長野県南牧村
小海線佐久海ノ口駅西。
誰の足跡もない新雪の林道に、自転車の轍を残したい。
そんな気分になったことはないだろうか。
夜行で新宿を出た頃は、雪の気配はまるでなかった。
しかし、小淵沢で小海線に乗り換える頃、願いがかなったのか、雪が降り始めた。
組み終わる時には、あたりは白い世界になっていた。
恐る恐る走り出す。
舗装の路面は滑るが、林道に入ってしまえば雪もまた楽しい。
我々を待っていてくれたのは、ウシさんたちだった。
この寒い中、物好きな人間もいるものだ、という顔でこちらを見ている。
牧場の主人に誘われ、小屋で休憩となる。
おまけにストーブで焼いたステーキまで御馳走になってしまう。
そして持ってきた「ゆであずき」でかき氷を作る。
五臓六腑にしみわたる冷たさだが、これが最高にうまい。
真冬のポタリングは、白く、美しく、そして静かだ。
なぜか心まで真っ白になれる。
そして、雪遊びは、いくつになっても楽しい。
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