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沼山峠:福島県南会津郡桧枝岐村(標高1784m)
福島県と群馬県を結ぶ沼田街道が尾瀬沼と桧枝岐川の間で越える。
南東の大江山の山腹にかけての笹原にはエゾマツが侵入しかけていて、生態学的に興味深い。峠の麓はミズバショウの群落が見事である。
奥只見湖をモーターボートで横断し、電気の通わない山小屋に泊めてもらった前日。
明けて翌日は、桧枝岐から尾瀬を抜け、沼田までのルートだ。
天気もよく、歴史ある桧枝岐の村を気持ち良く走る。
尾瀬への入口はいきなり木道で始まる。
今ではまず自転車の持ちこみは許されないだろうが、当時はまだ車両進入禁止とはあるものの、それほど厳しい目はなかった。
すれ違うハイカーも我々を違和感なく受け入れてくれたようで、心地よい挨拶を交わしてくれる。
木道は歩くには十分な広さだが、自転車に乗るには狭すぎる。
もちろん、自然環境保護からして許されない行為であり、乗ろうと思っても段差があったり、直角に曲がっていたりと、技術的にも難しい。
のんびりと湿原の中を押していく。
季節的に観光シーズンではないためか、ハイカーの姿も少なく、次々と変化する尾瀬の自然を十分と満喫できる。
日差しは強いが、あたりはもう秋の気配を感じさせる。風もなく、静かなひとときが夏の終わりを告げているようだ。
沼山峠付近は、多少乗車ができるが、やはりハイカーにとっては迷惑な存在であるから、姿を見たらすぐに自転車を降りる。
峠からは尾瀬沼が見え始め、尾瀬の湿原を一望できる。長蔵小屋、三平峠を過ぎるとまもなくダートの林道に出る。
大清水小屋から片品川に沿って下る。
舗装路に出た後は、沼田の街までスリップストリームで3人で先頭交代しながらハイペースで下った。
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