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5年前に越えた車坂峠からのダウンヒルの衝撃が忘れられず、再びやってきた。

上野から夜行列車で上田駅へ。仕事の疲労も重なり、睡眠不足のスタートだ。

好天に恵まれ、走り出せば半袖短パンで十分だ。

鳥居峠までは国道を約900m登る。前半のウォーミングアップといった感じだ。

田代へ下り、ここからは長くつらい車坂峠への登りが始まる。

小石が浮くダートに太めのタイヤもグリップ力を失う。

勾配がきつくなってくると、一度足をつくと次が踏み出せない。


いよいよ押すしかない。一向に見えないゴールに気力も失いがちだ。

峠までは遠かった。そして辛かった。もうヘトヘトだった。

そして、やっと峠の売店が目の前に見えてきた。


峠には多くのハイカーが休憩していた。

そんな中に自転車で登場すると注目の的だ。


峠の立派な標柱は変わっていなかった。

そして峠からの大展望は相変わらず見事だ。

いよいよ、そして再び豪快なダウンヒルの開始だ。

まずは入念にブレーキの確認だ。


気を引き締める。真剣になる。

それぐらい最初の第一コーナーから凄い。

一度経験しているから、その凄さ、怖さが分かっている。

ブレーキレバーを離した瞬間から加速がものすごい。

最初の第一コーナー、右カーブに強烈なスピードで進入する。

危険なスピードだ。ブレーキングするが、減速しない。


かなりきついコーナーを驚きながらクリアすると、さらに次々と危険なカーブが待っている。 

対向車が来ると危険な道幅だ。特にコーナーリングでは十分な安全確認が必要だ。

ブレーキシューが減ってしまうほど、強烈なブレーキングが繰り返される。

技術、体力、判断力、そして勇気。

いろいろな素質が試されるダウンヒルだ。


小諸駅に着くと、緊張感から解放されてようやく笑顔が戻ってくる。

車坂峠、やはり凄い、このダウンヒルは。


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