峠への招待 > ツーリングフォトガイド > ’1980 > 車坂峠
5年前に越えた車坂峠からのダウンヒルの衝撃が忘れられず、再びやってきた。
上野から夜行列車で上田駅へ。仕事の疲労も重なり、睡眠不足のスタートだ。
好天に恵まれ、走り出せば半袖短パンで十分だ。
鳥居峠までは国道を約900m登る。前半のウォーミングアップといった感じだ。
田代へ下り、ここからは長くつらい車坂峠への登りが始まる。
小石が浮くダートに太めのタイヤもグリップ力を失う。
勾配がきつくなってくると、一度足をつくと次が踏み出せない。
いよいよ押すしかない。一向に見えないゴールに気力も失いがちだ。
峠までは遠かった。そして辛かった。もうヘトヘトだった。
そして、やっと峠の売店が目の前に見えてきた。
峠には多くのハイカーが休憩していた。
そんな中に自転車で登場すると注目の的だ。
峠の立派な標柱は変わっていなかった。
そして峠からの大展望は相変わらず見事だ。
いよいよ、そして再び豪快なダウンヒルの開始だ。
まずは入念にブレーキの確認だ。
気を引き締める。真剣になる。
それぐらい最初の第一コーナーから凄い。
一度経験しているから、その凄さ、怖さが分かっている。
ブレーキレバーを離した瞬間から加速がものすごい。
最初の第一コーナー、右カーブに強烈なスピードで進入する。
危険なスピードだ。ブレーキングするが、減速しない。
かなりきついコーナーを驚きながらクリアすると、さらに次々と危険なカーブが待っている。
対向車が来ると危険な道幅だ。特にコーナーリングでは十分な安全確認が必要だ。
ブレーキシューが減ってしまうほど、強烈なブレーキングが繰り返される。
技術、体力、判断力、そして勇気。
いろいろな素質が試されるダウンヒルだ。
小諸駅に着くと、緊張感から解放されてようやく笑顔が戻ってくる。
車坂峠、やはり凄い、このダウンヒルは。
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