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1985年10月19日(土)


8月は大井川キャンピングを満喫。9月は阿武隈へクラブラン。

先週は東北へ一人旅をしてきたのに、すぐにまた旅立つことになった。

完成したばかりのTOEIランドナー。もう、素晴らしすぎて乗りたくて仕方がない。


今回は相棒と二人で、一泊二日の信州ツーリングへ出かける。

夜行列車に揺られ、寝不足のまま早朝の屋代駅に降りる。

パイトーチでお湯を沸かし、カップヌードルで腹ごしらえだ。


誰もいない構内でゆっくり組み立てる。

一つ一つ形になっていくと、美しいランドナーの姿が蘇る。

組み上げて、じっと眺める。考えて、考えて作り上げたお気に入りのランドナーだ。


今日から二日間、信州のど真ん中を巡る豪華なツーリングのスタートだ。

同行のメンバーも健脚自慢。

夏以降自分もすっかり脚力が鍛えられ、この二人ならほぼどこでも行けそうな感じだ。


屋代駅から千曲川を渡る。

今日は土曜日なのだが、なぜか学生の姿が目立つ。学校は授業があるのだろうか。


我々の姿を不思議そうな顔で眺めていく女子学生たち。

そんな中、早朝の日を浴びながら姨捨方面へ向かう。


小さな町中は通勤・通学の風景が溢れている。

学校が近いのだろう、自転車通学、徒歩通学、多くの学生の姿を目にすることができる。

町中を抜け、姨捨へじりじりと登りつめる。JRの踏切を越えると、ちょうど貨物列車が通り過ぎていった。


すっかり気温も上がり、次第に薄着になっていく。食料品店で一休みしてエネルギー補給だ。

「竜鉄也歌謡ショー」のポスターがやたらと目立つ。

健脚の二人なのでなかなかいいペースで登っていく。


暑くなっていよいよシャツ一枚になるほどだ。

何もない小さな集落。自転車を降りると静寂の世界が広がっている。


気持ちよく大花見池まで登りつめる。静かな景色が広がっている。


小さな起伏を繰り返し麻績村へ下っていく。

荒々しい山並みを正面に、地図を確認しながら下っていく。


荒々しい山容の山は、どうやら大城(919m)と京ケ倉(990m)という山のようだ。

ダイナミックな山岳風景を楽しみながら静かな山間を走り抜ける。


こんなバス停がしっかり残っている。時刻表がなければバス停だと気が付かないかもしれない。

ちょうどいいベンチが置いてあったので、小休止する。


のどかな午後のひと時だ。誰にも会わないし、何も聞こえてこない。

異音がするのでリアのブレーキシューを調整する。

あまりいじりたくない所だが、まだまだ先は長いので早めに対処しておく。


小さな村にやってきた。

ようやく見つけた小さな商店で、何か食料はないものかと探してみるが、まあなにもない。


寝不足とここまでの起伏の連続で、かなり脚も弱ってきた。

ちょっとした登りでも休憩せざるをえない。

道路にひっくり返って目を閉じると、スーっと意識が遠のいていく。


聖高原駅まで下ってきた。ここから本日の宿までまだ20km程残っている。

地図でルートを確認し、再び登り始める。

修那羅峠へ向かう登り、そして沓掛温泉に至る登りは長く辛いものがあった。


10月だというのに、もうこのあたりは冬の気配。日も落ちてくるとぐっと冷え込んでくる。

沓掛温泉に着いた頃には、すっかり夕暮れになっていた。


最後、宿までの登りがやたらきつく、トボトボと歩いてのゴールとなった。

静かな旅館にはもう炬燵が用意されており、夕食の鍋と熱燗が心と体を温めてくれた。

距離: 62.5 km
所要時間: 9 時間 14分 00 秒
平均速度: 毎時 6.7 km
最小標高: 362 m
最大標高: 943 m
累積標高(登り): 1251 m
累積標高(下り): 949 m

(1985/10/19 走行)


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