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2度目の信玄棒道。前回は1986年1月の真冬に3名で訪れた。

素晴らしい景色と、楽しかった棒道の走りが忘れられずまた訪れることになった。

今回再びニューサイクリング No.230 (1983年10月号)のツーリングレポートを参考にさせてもらった。


1991年5月5日(日)


泊った宿から小淵沢の駅に車を移動する。

今日はここから茅野駅まで輪行して、信玄棒道を走って戻ってくるプランだ。


まずは皆で輪行準備。自分は昨日すでに「輪行済」なので余裕だ。

普通列車に乗ってのんびりと茅野駅を目指す。


20分少々で茅野駅に到着。駅前の駐輪場広場で組み立てる。


どこの駅でもすぐに面白いおじさんがやってくる。

興味津々に眺めながら話しかけてくる。面倒くさいので、適当にやり過ごす。


空いている駐輪用のラックを使って組み立てる。

なるほど、なかなか便利だが、へたすると”自転車泥棒”と間違えられそうだ。


今日もまずまずの天気。

国道20号から別れ、八ヶ岳を正面に眺めながら緩い勾配の道をのんびりと行く。


広い空、雄大な景色、そして広々とした道路はちょっと日本離れした景観だ。

原村への道は交通量も少なく、八ヶ岳と南アルプスを眺めながらの素晴らしいアプローチだ。


原村の小学校で小休止。

前回来た時は、校庭に張られたスケートリンクを眺めながら休憩した思い出がある。


その先から始る直線道路は、雄大な景色に囲まれる極上の一本道だ。

このスケールの大きさは、まさしく北海道そのものだ。

山岳パノラマを眺めながら、気持ちのいい舗装路を快走する。


ニューサイのレポートに従って車道から静かな小道に入る。

林道風の細い道が林間の中に続いている。しっかりと締まった走りやすいダートだ。

乗車したいところだが、勾配がきつく、のんびりと押していく。


その先は、富士見高原ゴルフ場横の大きな保養施設の脇を通りすぎる。

連休だけあって、パターゴルフや、テニス場は多くの人で賑わっている。

車道に沿った小道は、結構乗車率は高い。そして次第に山道の雰囲気に変化してくる。


舗装路とは違う小道の面白さに夢中になってくる。

ガード付きのランドナーでは少々厳しい所も出てくるが、注意すれば十分走りきれる。

太いタイヤのMTBなら、かなり楽しくダートの走りを楽しめるだろう。


気持ちのいい高原の中、適当な所でランチタイムだ。

大きな石を椅子やテーブルの代わりにして、持ってきた食材を調理する。

こんなところで焼き鳥を焼いている人も珍しいが、これがまた旨い。


変化に富んだポタリングはなかなか楽しい。峠越えとはまた違った面白さがある。

素敵な別荘が建ち並ぶ中を通り抜ける。うらやましいけれど、維持管理も大変そうだ。


車道と合流しそうになるところもあるが、すぐ脇に小道が並行して続いている。

車に邪魔されることなく、自転車には天国のような道がまだまだ続く。


かなり道幅も広くなってくると、「小淵沢高原 史跡 棒道」の立派な案内が現れる。

ここでようやく信玄棒道に合流する。


八ヶ岳方面と小淵沢方面のちょうど交差する地点だ。

棒道は南へ向かえば小淵沢方面、東へ向かえば甲斐小泉方面へ続く。


ニューサイのガイドに従って、我々も甲斐小泉方面へ向かう。

棒道の詳しい地図 https://www.kobuchisawa.com/img/map_2018.pdf (北杜市観光協会小淵沢支部より)


いよいよ本格的な「軍用道」が始まる。

前回来た時も、その荒れ狂った道に相当難儀したが、今回もまた同じ状況だ。

大きな岩が行く手を阻み、さすがに乗車して越えることはできない。


テクニカルな道をうまくバランスを取りながらクリアしていくが、なかなか難しい。

下手すればホイールを壊してしまうのではないかというような場面も多くなる。


幅広の軍用道は開放感があって気持ちいいのだが、まるでランドナーでは役立たずだ。

荒野と化した道は、本格的なオフロードマシンでなければ乗り切れそうもない。

無理して怪我しては大変だ。自分の技量を見極めて、降りたり乗ったりの繰り返しだ。


こんな岩場は乗るもんじゃない。ガードはぶつけるし、リム打ちも激しい。

トウクリップから足を外したいが、外すとペダルが岩に当たる・・・やっぱりランドナーではつらい。


こんな荒れた道を走ることも珍しいが、しだいにテクニックも上達してくるものだ。

後半になれば、度胸もついてきて結構な難所も乗り越えられるようになってくる。

それにしても、緊張感の連続で時間のたつのも忘れるほどだ。


なかなか楽しかった信玄棒道。走りごたえ十分だ。棒道を抜けるとすぐに小海線へ出る。

ニューサイでは甲斐小泉から長坂へ向かっているが、我々はここから小淵沢へ下る。

日が傾き始める中、正面に南アルプスを眺めながらフィナーレを迎える。


小淵沢駅に無事に戻ってきた。楽しかったGWの二日間もこれで終了だ。

二度目の信玄棒道もやはり最高だった。積雪さえなければ、ここは1年を通して楽しめる所だろう。


こんな素晴らしいルートを紹介してくれたニューサイに、本当に感謝している。

次回こそ、MTBやオフロード仕様の自転車で走ってみたい。


 
距離: 29.9 km
所要時間: 6 時間 00 分 00 秒
平均速度: 毎時 5.0 km
最小標高: 784 m
最大標高: 1284 m
累積標高(登り): 528 m
累積標高(下り): 430 m

(1991/5/5 走行)


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