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1991年11月24日(日)


睡眠もたっぷりとって、朝から食欲旺盛だ。

昨日の雪道、泥道のおかげで自転車はドロドロ状態だ。ガードがないので汚れ方も激しい。


宿の目の前が佐久海ノ口駅。以前来た時とほとんど変わらぬ、静かなローカル色たっぷりの駅だ。

今日の目標は信州峠。峠への登り口までは細かな田舎道を辿っていく。

5万図でルートを確認して走り出す。


昨日の南八ヶ岳林道はかなり寒い一日だったが、今日は日差しもあってそれほど寒くない。

川平の集落を過ぎて小さなピークを越える。ここが標高1207mの大蔵峠だ。

峠を示すものは何もなく、緩いカーブのあたりが峠のピークとなっている。


峠から千曲川沿いの道を気持ちよく下る。

今日のルートは、昨日とは違って余裕があるため気分もいい。


畑のど真ん中に座って小休止。目の前に広がる景色を見ながら一息つく。

信州峠への登りに入ると、さすがにダウンを着ていては暑すぎて身軽になる。

ダウンも使わないときは嵩張りすぎて始末に悪い。


信州峠への直線的な登りが目の前に立ちふさがる。

空に向かってまっすぐに伸びる登りは、きつい勾配もあっていくら漕いでも前に進まない感覚だ。

振り返れば見事な山岳風景が広がっているのだが、登りに一生懸命でなかなか気が付かない。


ようやく直線の登りが終わると、あとひと頑張りで信州峠に到着する。

右カーブを曲がった先がピークになっていて、車を数台駐車できるようになっている。


信州峠には確か素敵な”峠名標”があったはず。(右の写真 1977/11/5 撮影)

1977年に来た時、登り詰めて到着した時に感動した峠の標だ。


確かこの辺りにあったはずと探してみるが何もない。全く殺風景な風景が広がっている・・・

なんだよ、楽しみに来たのに何もないじゃないか、とがっかり。

14年も前の話だから仕方ないかもしれないが、せっかく素晴らしい峠なのにとても残念だ。


信州峠まで登れば、本日の登りはこれで終了だ。あとは延々駅まで下れる。

峠から下り始めるとすぐに瑞牆山の荒々しい山容が視界に飛び込んでくる。

カメラマンが数人写真撮影をしているが、やはりこの異様な山容は迫力がありすぎる。


豪快に下り始める。路面もよく、ブレーキレバーを離せばみるみる加速していく。

ブラインドコーナーが多く、対向車も来るので油断は禁物だ。


気持ちよく下って、小さな集落でランチタイムの時間となった。

村のゲートボール場を拝借して、暖かい日差しの中でのんびりとくつろぎ始めた。

今日は余裕があるから笑顔が絶えない。禁断の焼き鳥を手に入れ網で焼き始める。


ちょうどいい”テーブル”を見つけ、座り込めば1時間はあっという間に過ぎる。

正面から日差しを浴びて、とにかく暖かくて体の中から幸せになってくる。

1時間半もゆっくりとくつろいで腰を上げる。さあこれから最後のメインイベントが待っている。


信州峠からゴールの韮崎駅まで、1100m以上のダウンヒルができる。

昼食後、これからまだ800m以上も下りを楽しめる。


小海線を使って標高を稼ぎ、山梨側へ降りてくると、かなりお得なダウンヒルを楽しめる。

今日も登った標高の倍を下れるというスペシャルコースだ。


下り始めると一気に下りきってしまうほど楽しいダウンヒルを楽しめる。

いったいいつまで下れるのか、と飽きがくるほど長い下りだ。


悪天候だったら最悪のダウンヒルだろうが、今日は最高に楽しい下りを満喫できる。

今日一日で、自分のダウンヒルテクニックがかなり上達したのではないかと思うほどだ。


日没前に無事に韮崎駅に到着した。さすがに日が落ちるとまた寒さが襲ってくる。

素晴らしい一日だった。これだけ下れれば文句のつけようがない。


一泊二日で巡った今回の南八ヶ岳林道と信州峠。

変化に富み、展望にすぐれ、思いっきり下れる最高のコースだった。


 
距離: 51.1 km
所要時間: 7 時間 10 分 00 秒
平均速度: 毎時 7.1 km
最小標高: 352 m
最大標高: 1467 m
累積標高(登り): 606 m
累積標高(下り): 1292 m

(1991/11/24 走行)


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