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東京(8/7)〜博多〜川内〜知覧〜指宿〜西鹿児島〜熊本〜阿蘇〜高千穂〜宮崎〜羽田(8/15)

1993年8月7日( 土)

東京駅(輪行) 〜 博多駅


毎年、8月のお盆の時期になるとキャンプ道具一式を持ってキャンピングツーリングに出かけている。
今年は思い切って、「輪行キャンピング」で九州へ行くことにした。

期間は、8/7(土)夜輪行 〜 8/15(日)夜帰宅 というビッグ&ロングツーリングだ。
メンバーは二人。三人いると荷物の分担も少なくて楽なのだが、その代わり二人だとテントを広く使える。

まずは東京駅まで行くことが第一関門だ。多くの荷物を持っての輪行は想像以上に大変だ。
駅のホームにたどり着くだけでヘロヘロ状態だ。さっそくビールで乾杯だ。
お盆の時期で混雑する東京駅。夕方に東京駅を発車する博多行き「のぞみ」に乗車する。


乗車出来れば一安心だ。あとは終点の博多までゆっくりとくつろげる。
輪行袋にサイドバッグ、クーラーボックスなどで荷物だらけだ。
なんとか車内の置き場所を確保して、再び旅のスタートを祝って乾杯だ。

23時に博多駅に到着。こんな時間に博多に着いていったいどうするのか? 
すっかり人の姿もいなくなった博多駅構内を、こんな姿で乗換に向かう。
とにかく重い・・・輪行袋の中も、キャンプ道具で一杯だ。手も肩も首も痛い・・・苦しい・・・


博多駅(輪行) 〜 ドリームつばめ乗車  〜 川内駅


博多からは「ドリームつばめ」という深夜特急が運行している。
博多を23:59に発車して、西鹿児島に6:05に到着するという「夢のような」特急だ。

東京を出発して、西鹿児島まで無駄なく移動できる究極のリレーだ。
ブルートレインでなければこんな移動は不可能だ。乗り換えなければならないが、我々には実にありがたい。
どんなダイヤだったのかと、当時の時刻表を国会図書館に行ってコピーしてきた。



1993年8月の時刻表より


とにかく移動が地獄だ

手が千切れそう・・・

一気に西鹿児島まで行ける!

乗るだけでも大変だ

カッコイイ車内だ


結構乗客は多い。やはり寝ている間に移動できるメリットは大きいのだろう。
車内はとっても素敵なデザインだ。まるで飛行機の客席のような雰囲気だ。

荷物入れも洗練されたデザインで、奇麗に扉が締まるような設計だ。
寝台車ではないので完全に横になれるわけではないが、それでもシートを倒せば仮眠はできる。
こうして、まだまだ深夜の移動は続く。



1993年(平成5年)鹿児島地方 集中豪雨

この年、鹿児島地方は集中豪雨により甚大な被害を受けた。
我々が訪れたのは、まさにこの集中豪雨が起きてすぐだ。
現地はいったいどうなっているのかと、心配しながらの旅立ちであった。

(引用)鹿児島地方気象台より
https://www.jma-net.go.jp/kagoshima/dis/199308/index.html


1993年8月8日(日)

川内駅 〜  吹上浜キャンプ場


5:21 川内駅に到着。
本来、この列車は西鹿児島まで行くはずだが、豪雨の影響で川内駅終点となっている。

ここからは代替バスが運行されていて、一般客はこのバスでさらに先へ移動していく。
我々はここから旅のスタートとなる。

6:30 輪行袋を開ける。いよいよキャンピングの始まりだ。
朝の6時半から川内駅前で組み立て始める。

豪雨が去ったばかりの九州地方、日が差してくると一気に暑さが襲ってくる。
準備に約1時間かかった。フロントは重すぎて持ち上げられない・・・これで本当に走れるのか?


キャンピングの初日は慣れるまでが大変だ。
とにかくいつもとは違うハンドリングにとまどうばかりだ。
こまめなギヤチェンジ、なかなか停まれない制動力の悪いブレーキ。まったくのろまな亀のような動きだ。

最初に訪れたのは「串木野ゴールドパーク(現在の薩摩金山蔵)」だ。
せっかくの観光地なので見学していくことに。鉱山トロッコに乗っての見学はなかなか面白い。
夏休みだけあって、子供を連れた家族で賑わっていた。


海岸へ出て南下する。東シナ海に面した海岸は、どこまでも遠く、広い。そして碧い。
大迫力の岸壁が迫る国道は、歩道を走っているだけでも圧倒される。
しばらくは大海原と断崖絶壁の迫る中を走っていく。


車道と完全に分離された歩道は走りやすくて快適だ。
潮風を浴びながら、キラキラと光る海を眺めながら距離を稼ぐ。

しかしなんということか、初日からパンク発生だ。
原因はよくわからず、とりあえずチューブ交換で修理する。
真夏の日中、キャンピング車のパンク修理は大変だ。大汗をかきながら頑張って修理完了だ。


15:00 吹上浜国設野営場に到着。
初日の今日は早めに着いてキャンプの生活に慣れようとしたのだが・・・

広々とした場内には昔ながらの大型テントがいくつも張ってあるが、人の姿がほとんどない・・・
実は台風7号がしだいに近づいていて、今夜から風雨が強まる予想だ。
やっと見つけた人に聞いてみると、台風接近でキャンプ予定の人は皆キャンセルしたとのこと・・・おかげで空いている。

こんな穏やかで日がさしている様子からは全く想像できないのだが、明日は大荒れになるとのこと。
さて困った。と言っても我々は行くところがない。ここでキャンプするしかない。
そうと決まればさっそくテントを設営し、重たい荷物を降ろして買い出しに出かける。


ところがここでも悲劇に見舞われた。
買い出しに行った帰り道、なんと先ほどと同じように後輪がパンクしてしまった。

パンク修理道具はテントに置いてきてしまったので直せない。
道具を自分が取りに行って直すよりも、歩いてしまったほうが時間的には早い。


ということで、16時過ぎの猛暑の中をテクテクと歩くしかない・・・もう、この表情は暑さと怒りと体力の限界で危険だ。
今にも倒れそうな姿でヨロヨロと歩いている。
自転車で走ればあっという間の距離も、歩くとなんて遠いのか・・・そしてなかなかキャンプ場が近づかない。


倒れこむようにキャンプ場に到着。もう完全にグロッキー状態だ。しばらく動けない。
初日からパンクの連続とは全くついていない。あとでパンク修理もしなければならない。
まだ暑さに慣れていない中、炎天下の中の押し歩きは相当ハードだったに違いない。


夕方になっていくらか涼しくなってきた。しばらく休んでやっと元気になってきた。
不運続きだったが、今夜は貸し切りのキャンプ場だ。好きなように楽しむことができる。

万が一天気が荒れてきたら、大きなテントに逃げ込むか、バンガローをお借りしようと決める。
明るいうちから宴会の開始。ビールに焼き鳥、豊富なつまみで初日のキャンプサイトが盛り上がる。

ラジオからは、台風接近のニュースが何度も流れてくる。
まだまだそんな気配がまったく感じられないキャンプ場。誰もいなくなったキャンプ場も初めてだ。


19時過ぎ、管理人が来て「我々は避難するので、もし危険な時は適当なところに逃げてください」と言われる。
逃げろと言われてもそう簡単に動けやしない。なんとか台風が去るまでこの場で耐えるしかない・・・

うわぁ、いったいこの後どんなことになるのか・・・もう不安でしょうがない。
21時過ぎ、さすがにこのままでは危険を感じてバンガローにお邪魔する。入口は鍵がかかっていたので、窓から侵入だ。

この際許していいただこう。あのままテントにいたのでは、水没と吹き飛ばされる危険がある。
これで身の安全は確保された。やはり屋根があるというのは安心だ。ゆっくりとパンク修理もできる。
徐々に荒れ模様になってきた。避難して正解だった。こうして慌ただしい初日の夜が更けていった。

距離: 49.9 km
所要時間: 7 時間 58 分 00 秒
平均速度: 毎時 6.2 km
最小標高: 3 m
最大標高: 86 m
累積標高(登り): 260 m
累積標高(下り): 261 m

1993年8月9日(月)

吹上浜キャンプ場 〜 新湯温泉


夜半に風雨が強くなってきたが、それほど心配はいらなかった。
目覚めると空模様は荒れているが、雨もやみ風もそれほどでもない。
しかし台風はこれからさらに近づいてくる気配なので安心してはいられない。

すっかりバンガローにお世話になり、快適な一夜を過ごすことができた。
こんな経験も初めてだ。ちゃんときれいに掃除してバンガローから外へ出た。


出発の時間になって急に荒れてきた。風雨が強まり、いよいよ冗談では済まされなくなってきた。
どうする? なんて悩んでいる場合ではなくなってきた。もう、どこかに避難するしかない。
当然予定を変更して、旅館に逃げ込むことにした。

キャンプ場を出て町に向かい、「新湯温泉」の宿に逃げ込む。
こんな状況なので、宿の方も温かく受け入れてくれて、午前中には部屋に落ち着くことができた。


今回は全くついていないキャンピングになってしまった。
台風のおかげですっかり足止めされることになった。予定もすべて変更となってしまった。

テレビはずっと台風情報ばかりだ。
8/6の集中豪雨による鹿児島地方の様子が次々映し出されるが、どこも信じられない状況だ。

鹿児島市は甚大な被害が出ていて、町の中もめちゃくちゃだ。
そして道路、鉄道も大変な事になっている。我々のいる場所はまだ全然穏やかだ。


この後停電になるかもしれないと言われ、今のうちに停電対策をしようと買い出しに行く。
風雨が強い中、雨具を着て近所のお店に行く。シャッターを半分閉めて風を防いでいる。

中に入ると近所の方が同じように買い物に来ている。我々もローソクや食料などを買って宿に戻った。
こんなツーリングも初めてだ。停電対策でローソクを買うことになるなんて・・・

テレビを見る以外何もやることがない。昼間っからビール飲んで高校野球見てゴロゴロするだけだ。
そしていよいよ風雨が強くなってきて、荒れ模様になってきた。

テレビもこんな表示が出るようになった。こんな表示を見たのは初めてだ。
あぁ早く台風通り過ぎてくれ・・・と願いながら長い長い夜を過ごした。

 
距離: 5.4 km
所要時間: 0 時間 41 分 00 秒
平均速度: 毎時 7.9 km
最小標高: 3 m
最大標高: 86 m
累積標高(登り): 260 m
累積標高(下り): 261 m

(1993/8/7〜9 走行)


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