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1993年10月10日(日)


昨夜は、夕食後部屋に戻って9時過ぎには寝てしまった。

たっぷり寝て体力を回復・・・というわけにはいかず、朝食後も動けないほど疲れている。

やはり昨日一日はかなりハードだった。こんな状態では今日の予定を変更するしかない。


泊った「ホテル すいが荘」の岩風呂が窓の外に見える。

朝風呂に浸かりたいところだが、疲れすぎてそんな元気もない。


ようやく重い腰を上げて動き出す。

予定では「塩の道 大網峠」を行こうかと思っていたのだが、全く気力もわかず「大峰峠」へ変更することに。


今日は軽いポタリングだな、ということでさっそく食料の買い出しだ。

例によって、ランチタイムの具材をあれこれと仕入れて出発。

季節はちょうど稲刈りの時期だ。峠へ向かう山道では、道の両側で家族総出で作業する姿が賑やかだ。


今日も晴れ渡った秋空に、美しい雨飾山が大きく映える。

静かな山道をのんびり行くと、まずます稲刈り作業の人が多くなってきた。

この天気なら、今日一日でかなり作業もはかどることだろう。


道はかなりの急勾配で登っていく。

あまりにキツイので、カーブの日陰で休んでいると、下からエンジンを唸らせて軽トラックが登ってきた。

おや、荷台に何か乗ってるぞ? と思ったら、大量の稲の上にワンコとおじさんが必死につかまって乗っていた。


なんて平和な光景だろうと思わずほほ笑み、軽トラックが過ぎてもしばらく休憩していた。

ようやく体もほぐれてきて、やっと峠越えの気分が高まってくる。


最後の集落で再びお買い物。いよいよ大峰峠への山道に入っていく。

大峰峠は塩の道のコースになっているので、きつい所もあるが押していけば自転車でも問題ない。


静かな山道を”楽しく”押し上げて、大峰峠に到着。最後の集落から約30分ほどだ。

峠は「大峰峠 山頂」「山之坊・平岩」と書かれた白い標が建っているだけだ。


木々に覆われて全く展望はなく、小さなお山のてっぺんという感じだ。

峠といえば峠らしいが、ちょっと期待していたイメージとは違っていて残念。


下りは張り切って乗ってみるものの、荒れたダートにフロントを突っ込んで見事に転倒!

柔らかいダートで怪我も無くて良かったが、ちょっと乗車するのは無理なようだ。


車道に戻ると綺麗な舗装路が待っていてくれた。

全く車の通らない道を登り返すが、そろそろ空腹で力が出ない。

どこかランチタイムにいい場所はないかな・・・と場所探し。


突然ドーンと視界に飛び込んできたのが、この異様な山。

標高1188mの「明星山(みょうじょうさん)」という山で、石灰でできた岩肌むき出しの山だ。

日本有数のロッククライミングのゲレンデだそうだ。


明星山へ下る途中で絶好のランチポイントを見つけたので、やっとお待ちかねのランチタイムとなった。

今朝仕入れてきた具材は、昨日に引き続きまたまたホルモン焼きだ。


ホルモン、ニラ、えのき、もち・・・定番が揃えばあとは時間無制限。

ぐつぐつやっていると、さっそく観客が現れて。「あらぁ〜おいしそう!」と眺めていく。


ニラもえのきも手で千切り、もちを入れ、最後にご飯まで入れるフルコース。

ベンチにまたがり、明星山の姿を遠くに眺めながらすべてを食べつくす。


もう動けません、っていうぐらいの満腹。

気が付けば2時間近くここで食べていた・・・もうあきれるしかないこの二人。


明星山の真下まで一気に下っていく。お腹も満たされて幸せなダウンヒルだ。

もうこんな時間では寄り道できず、このまま駅へ下っていくしかない。


ロッククライミングをやっている真下に行くと、岸壁のあちこちに人の姿が見える。

目の前にはちょうど下りてきた人の姿が見える。上を見上げると、米粒ぐらいの人の姿がかなりいる。


驚いた。なんでこんなことやっているのか?

もうすぐ日が暮れるというのに、あんな高い所で全く動かなくなっている人もいるぞ・・・

楽しんでいるのか、苦しんでいるのか・・・我々凡人にはさっぱりその魅力がわからなかった。


そのまま下って小滝駅で本日は終了。

ここから東京へ帰るだけでも結構時間がかかるから、この時間がぎりぎりだ。

小さな駅の横で輪行する。列車の時刻も迫っているので慌ただしい。


今日はちょっと走り足らなかったけれど、それでもよく食べ、十分に楽しい一日だった。

走るばかりではなく、たまにはこんなランチ三昧のツーリングも楽しいものだ。


やってきた列車は1両のみで超満員!! 学生やら旅行客でドア入口まで一杯だ。

これに乗れないと帰れないと焦りだし、

「すみませ〜ん!、もう少し奥に詰めてもらえませんかぁぁぁ〜」

と大きな声でお願いするけど誰も動かず・・・

なかなか乗れない姿を見て車掌も困っている。しょうがない、強引に行くしかない・・・


ということで、ぐいぐい押し込んでなんとか乗車。

糸魚川まで20分少々だったけれど、周囲の視線もあって、なかなかつらい20分だった・・・

糸魚川でやっと解放され特急「北越」に乗り換える。さらに上越新幹線に乗り換えて無事に東京に帰ってきた。

距離: 18.0 km
所要時間: 5 時間 50 分 00 秒
平均速度: 毎時 3.0 km
最小標高: 125 m
最大標高: 669 m
累積標高(登り): 546 m
累積標高(下り): 669 m

(1993/10/10 走行)


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