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入笠山:長野県諏訪郡富士見町/上伊那群高遠町・長谷村(標高1955m)
南アルプス北部にあり、展望にすぐれる。東斜面はフォッサマグナの断層崖にあたり、急斜面をなす。 頂上部は草原状で、レンゲツツジ・スズラン等が咲く。山頂北側に入笠牧場がある。高遠・富士見・青柳から山頂近くまで自動車道がある。



ダートのダウンヒルがやりたくてやってきた。

ダウンヒルを思いっきり楽しむには、やはりMTBがいい。


いつもはランドナーばかりだが、こうした目的には太いタイヤのMTBがいい。

2.1を履いてきた。これで豪快に下る計画だ。


当然のことながら、登りは苦労する。ただでさえ標高差がある入笠山。

舗装の路面をリッチ−メガバイトZ−MAXが吸い付きながら登って行く。

だいぶしんどかった。だいぶ足にきた。


ピークでランチタイムにする。登山客が2組みくつろいでいる。

人気のある所だが、平日のせいか自転車は自分だけだった。


誰もいない静かな平日の山荘。

一人ぼっちになって、さてこれからが本番だ。

タイヤもOK、マシンも完璧。さあ行こう!


スケールの違う、いつもとは眺めが違うパノラマが広がる。

標高1800mからの眺めはやはり迫力がある。

そして走りやすい小砂利のダートだ。もう、気分最高のフィールドだ。


牧場に入れば、目の前に放牧の牛たちが現れる。

本当に手の届きそうな所で、のんびりと草を食べている。

牛たちはまったくこちらに興味はなさそうだ。


開放的な林道だ。走りやすく、そしてとにかく空が広い。

これから始まる強烈なダウンヒルを前に、のんびりとした時間が過ぎる。


いよいよ下る。待ちに待ったこの瞬間。 小石を跳ね上げ豪快に下る。確かなグリップ。

安定したハンドリング。強烈なブレーキ。ランドナーでは到底無理なスピードで突っ込む。


流れる景色がいつもと違う。段差があれば軽量の身、ジャンプ!

タイヤが滑ろうが、ハンドルが多少とられようが関係なし。


転倒の恐怖がない。弾丸のように下って行く。

息つく間もなく、あっという間に芝平峠に出てきた。


ランドナーでは絶対に味わえない世界だ。

それよりスピードが出すぎて、「本当にこのスピードで突っ込んでいいのか?」と不安になるほどだ。

次第にダート攻略方法も上達し、気持ちよく金沢峠までやってくる。


誰もいない貸し切り林道。これほど気持ちよく林道を走破したことがあっただろうか。

タイヤとブレーキが違うと、これほどダウンヒルも違うのかと痛感させられる。

深い林間をを抜けて、突然展望が大きく開けた。八ヶ岳方面の大パノラマだ。


まだまだ下界までたっぷりと下れる。眼下には小さな街並みと鉄道の線路が見える。

あいにく八ヶ岳方面は雲がかかってしまって少々残念だ。

そこで、カシミールで同じ位置から山岳展望を描いてみた。


全くの貸し切り状態だった。だから、平日のツーリングはいい。

車も、ハイカーもいない。思いっきり楽しむ事ができる。


車に戻れば、もうこれで充分というぐらいの満足感に浸れる。

時々スカッとしたくなったらこうした走りもお勧めだ。


(1995/9 走行)


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