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群馬県利根郡利根村
長大な林道にあこがれる時がある。
延々ダートで、小石をはじく音、ガードにからまる音、グリップを失ってタイヤが滑る音。
そんな魅力にひかれて林道を攻めたくなる時がある。
最近では、ダートの林道が数少なくなった。
なかなか我々の求める「味」のある林道が少なくなった。
この栗原川林道は、そうした中で関東地方で唯一残っている林道と言ってよいだろう。
日向南郷に車をデポし、根利を目指す。
早朝の空気は新鮮だ。
金久保橋のバス停で小休止。
時刻表を見て驚いた。朝2本、夕方2本しかない。
5万図を広げて、今日のルートを再確認する。
林道の途中で、何かトラブルが起きたらどうなるのだろう、と心配になる。
舗装路をウォ−ミングアップで進むといよいよダートが現れる。
時折、オフロードバイク、4WDが通り過ぎて行く。
この先、車も越えて行くのだろうか…と思っていると、河原でデイキャンプしていた。
なるほど。いい所を知っているものだ。
この林道、長大である。
林道らしい林道を求めてやってきたが、とにかく長い。
路面は走りやすいダートだ。
雰囲気は最高だ。
こういう林道が少なくなっている。
なかなか展望が開けない。
同じような林道が続いて変化がない。
ようやく眺めのいい場所に出てきた。
ひとまずはエネルギー補給だ。
静かにランチタイムを楽しむ。
長いうえに、登るにつれ何と予期せぬ雪まで現れてしまった。
幸い自転車の軽い身であるから、難なく越えられた。
バイクの連中はふたりがかりで突破している。
こちらの状況がうらやましいと言っていた。
それほど深く残雪が残っていた。
素掘りのトンネルを抜け、追貝へ下る。
走っても走ってもなかなか現れない。
いったいどうなっているのかとあきれてもまだ現れない。
いい加減いやになる頃、ようやく追貝へ出る。
車に戻り、老神温泉で汗を流す。
露天風呂には、雪中行軍していたライダーが今日の成果を語っていた。
走行距離は67`に達していた。
ダートをいやというほど味わえる林道であった。
(1996年5月 走行)
所要時間:10時間33分 走行距離:66.93km 最高速度:60km
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