峠への招待 > ツーリングフォトガイド > ’1998 > 旧三国峠
新潟県南魚沼郡湯沢町/群馬県利根郡新治村(標高1224m)
旧三国街道が越える。
人・物資の往来で、上越線の開通(1931年)までにぎわった。
峠には越後国弥彦大明神・上野国赤城大明神・信濃国戸隠大権現(諏訪大明神)の三国明神を祀る三国神社がある。
1959年には峠の下を国道17号の三国隧道が通る。
土曜の夜に赤谷湖に集まった。近くの運動公園に素敵なサイトを発見。
屋根あり、ベンチあり、トイレあり。車も横付けでき、そこらのオートキャンプ場よりよっぽどロケーションがいい。
テーブルを囲んで楽しい夕食が始まった。おでん、焼き肉を中心に数々の酒と肴。誰にも気兼ねすること無くキャンプシーンを満喫する。ここは三国峠を攻める際の穴場だ。
今回のツーリングもまた楽をしようという魂胆で、車2台を使い、トンネルまで車で登り、下りを楽しもうという極楽プランその2。走った後は猿ケ京温泉が待っていてくれる。
車を使えばほとんど難しい所はなく、初心者でも楽しく山道下りを楽しむことができる。
翌日、ゆっくりとした朝を迎え、1台の車に4台の自転車を乗せ三国トンネルに向かった。
トンネルまでは車でもかなり距離があり、こりゃ、走らなくて正解だったと言いながらトンネルに到着。
トンネル周囲は駐車している車がかなり多く、皆ここから登山を楽しんでいるようだ。
スタートはいきなり担ぎから始まった。準備運動も無しに担ぎだからかなりしんどい。
すぐに広い山道に変わるが、峠までは約200mの標高差。
ハイカーも多く、我々の姿に驚いているが、皆自転車に理解があるのでこちらも楽だ。
登りがあるなんて聞いてない、と女性陣は文句タラタラ。
いくらなんでも、下りだけじゃ申し訳ないからこれぐらい我慢しなさいって。
結構辛い登りだが、空気が冷たく一息つけば汗もすぐにひいてくる。
40分程度で峠に出る。峠にはハイカーが多数休んでいる。丁度下山の時間らしく、峠周辺はちょっとした渋滞だ。
ハイカーもMTBによく遭遇しているらしく、我々をからかいながら賑やかに消えて行った。
誰もいなくなり、静かな峠を迎える。山の斜面にニッコウキスゲがちらほらと黄色い花を咲かせている。しかし、時期的に少々早いようだ。
あいにく雲が多く、峠からの眺めはあまりよくない。しかし、吹き抜ける風は本当に心地よく、夏を忘れさせてくれる涼しさだ。
ここからは、いよいよMTBのフィールドが始まる。
峠直下は荒れていて押さざるをえないが、すぐに快適な良質な山道が展開する。
すぐに登り返しがあって、またまた聞いてないよ、と文句を言われる。
道は少々ぬかるんでいる所もあるが、それはそれで盛り上がる。
このコースかなり整備がされていて、道標も、ベンチも所々に設置されていて安心して走ることができる。
道幅もかなりあり、路面も安定しているのでスピードもそこそこ出てしまうが、ハイカーが多いだけに迷惑をかけないように注意する。
先を行ったハイカーに追いついてしまうので、適当なベンチでランチにする。
静かな林の中でモツ鍋を作り始めた。周囲においしそうな匂いがたち込める。
時間的にも余裕があるから、のんびりとしたひとときを過ごす。通り過ぎるハイカーもモツ鍋を見てにっこり。
いよいよ時間的にも誰もいなくなった。
後は、MTBの走りを十分に堪能するのみだ。乗車率も100%になる。
ぬかるみにはまると、後ろから悲鳴やら歓声が聞こえて賑やかなこと。転ぶと泥だらけになるので、何とか転倒だけはしまいと必死に持ちこたえる。
時には自転車を投げ捨て、木にしがみついたりして、それはもう大変な騒ぎ。
まあ、それほど危険な個所はないし、安心していられる。
そんな楽しい走りを終えると国道に飛び出る。気がつくと足元はかなりドロドロ。タイヤも色が変わっている。ここからは舗装の高速ダウンヒルの開始だ。
ブレーキ周囲の泥を落として下り始める。いきなりタイヤに着いた泥が顔面に跳ね返ってくる。
泥が目に入ったり、口に入ったりで大騒ぎ。
17号は交通量も少なくダウンヒル天国だ。道幅もかなり広いので、ここはツールのカメラマン並みにと、高速ダウンヒルをビデオで追う。
車に戻って、トンネルまで回収に行く。我々の車だけがポツンと取り残されていた。
最後はお待ちかねの温泉だ。途中で見つけた、ところてんサービスの猿ケ京温泉センターへ向かう。
ここの温泉、気にいった。こんな作りの温泉もはじめてだ。
入り口からして趣のある作り、さらに庭園作りの玄関を越え風呂場へ、小砂利を敷いた内風呂、殿様気分の露天風呂、そして何より気に入った大きなかめの風呂。
たっぷりとしたお湯に肩まで浸かれば、今日を締めくくってくれる。そして最後に冷たいところんてんときたもんだ。
所要時間:4時間37分 走行距離:16.58km 最高速度:57km
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