峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’1998 >  鳥居峠・車坂峠


車坂峠:長野県小諸市/群馬県吾妻郡嬬恋村(標高1968m)
上州と信州を結ぶ峠で、現在は林道高峰線が通る。峠付近は高峰高原ともいわれ、ツツジ・スズラン・ワラビなどの群落がある。展望が良い。



今年の秋、最高の快晴に恵まれた2日間となった。

早朝に東京を離れ、3時間で真田温泉に着いた。


初日のコースは、鳥居峠を越え、田代湖へ下り、そこから車坂峠までの登りというハードコースだ。

合計標高差、約1600mという我々にとってはツールの山岳ステージ並みのコースだ。
 


日没の早いこの季節、早々と走り出す。

今回は2日分の食料を抱えているから、いつも以上に自転車が重い。


20年以上も前に訪れた鳥居峠への道はすっかり変わっていた。

交通量も増え、道幅も広くなった。峠までは国道をひたすら走ることになる。
 


冬支度をしてきたが、あまりの天気のよさに大汗をかく羽目になった。

しかし木陰に入れば、その空気の冷たさ。

日差しは強いが、気温はわずかしかない。
 


鳥居峠へは意外と苦労した。

足慣らし程度と考えていたのだが、やはり700も登るとなるとそれなりに足にくる。


峠の周囲はすっかり変わってしまった。唯一、鳥居峠と刻まれた立派な石碑だけが昔を思い出させてくれる。

国道から分岐し、ようやく静寂の世界が訪れる。
 


いきなり高原の中へ飛び出る。

キャベツ畑が広がる広大な中を、広々した農道を下っていく。広く奇麗な路面は最高のダウンヒルだ。

誰もいない。風もない。秋色に染まった山々。雲一つない青空。暖かい日差し。
 


田代湖の見える畑で昼にする。車坂峠への登りを考え、許された時間は1時間。

苦労して持ってきた豊富な 食料を広げ出す。


寒い時期にはやはり鍋がいい。今回のメインはもつ鍋だ。

いつもなら、これで終わりという疲労感だが、本日はこれからがメイン。


さらにここから900登ると思うと、さすがに緊張してくる。

あの真弓峠の悪夢がよみがえってくる。遅くなることを予想して、宿に携帯で連絡を入れる。
 


車坂への長い登りが始まった。
 
通常、車坂峠へはこのルートはあまり使わない。

地蔵峠から湯ノ丸高峰林道を経由して行くか、小諸方面からチェリーパークラインを行くのが一般的だ。


標高1400mまでは舗装が続くが、その先はいよいよダートが現れる。

小さな玉石を敷き詰めたダートであるが、38Bのタイヤでもグリップ力がなく苦労する。
 


前半戦の疲労が出てきたのか、見た目以上に勾配がきつく感じる。

いよいよ乗れなくなってくる。
 

たいした林道には感じないのだが、歩いてもほとんどスピードに差がないことを考えると7〜8%はありそうだ。

逆にこの下りはMTBでかっ飛ぶには最適だ。時間に余裕が無いため、休憩もそこそこに歩く。
 


高度計を見ながらの格闘になった。

辛く長い登りだった。かなりの汗をかき、体力を消耗した。やはり1600の登りはすごかった。


日没直前でたどり着いた。

目の前に広がる大パノラマに、空がオレンジ色に染まり、感動的なシーンを見せていた。
 


高峰高原ホテルは豪華なホテルだった。

見事な料理、見事なもてなし、そして見事な眺め。星が本当にきれいだ。


風呂からも大展望が見渡せる。

食事は洋食で、皆ワインなどを飲んでいるが、この体にはただひたすらビールしかない。

温泉旅館とはまた違った雰囲気にとまどうものの、疲れきった体に最高の贅沢を与えてくれた。
 

 

 


 
距離: 34.4 km
所要時間: 0 時間 00 分 00 秒
平均速度: 毎時 0.0 km
最小標高: 708 m
最大標高: 1970 m
累積標高(登り): 1574 m
累積標高(下り): 312 m

(1998/11/14 走行)


峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’1998 >  鳥居峠・車坂峠