峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’1999 > 黒沢峠


山形県西置賜郡小国町(標高468m)  米坂線伊佐領駅の南3km。小国町黒沢と市野々を結ぶ。
黒沢峠は、江戸時代初期から明治時代初期まで置賜地方(山形県)と越後(新潟県)を結んだ越後街道十三峠のひとつ。
ここには、現在も敷石が残され、当時の様子をしのばせている。また、この黒沢峠の敷石道は町指定文化財に指定され、大切に保存されている。



車を峠の入り口に置き、「名勝 黒沢峠の敷石」の案内に従って進む。

天気は冴えず、今にも降り始めそうだ。

すぐに担ぎになる。風がなく非常に蒸し暑い。今日もまた大汗の一日になりそうだ。

下草がかなり生えており、地面が見えない所が多い。

汗を拭いながら押していくと、やがて敷石の階段が現れる。

苔の生えた敷石は神秘的な色だ。


敷石の黒さと緑が重なり、緑の階段が峠へ向かって延々と続く。

滑りやすく、石の上を歩くことはできない。また、敷石保存ということから、できるだけ脇を行くようにする。

しかし、一体どうやってこれだけの石をここまで運んだのであろう。
形も大きさも整い、間隔も正確に置かれ、折り返しでは見事なアールを描いている。

雨が降り出す。さらに滑りやすくなる。

敷石を楽しんでいると周囲が開けてくる。そこが黒沢峠頂上だ。

汗が止まらず、首から胸、腹まで流れる。峠でいよいよ本降りになった。


雨具を取りだし、枝木の下で昼にする。

缶詰を温め、降りしきる雨を眺めながら酒を楽しむ。

天気は悪いが気分は良い。峠としての素朴さが残っている。

下りも敷石が延々続く。乗車率は登りも下りもまったくない。

自転車を持ってきてもまず役に立たない。しかし、それでもこの敷石を味わえるだけで満足だ。

下りきった反対側は駐車場もあり開けている。ここでまた、雨が強くなる。

シャワーのような激しい雨で周囲が見えなくなる。
小屋で雨宿りしながらのんびりラーメンを作り車へ周回した。

 


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