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静岡県田方郡天城湯ヶ島町/加茂郡河津町(標高800m)
伊豆箱根鉄道修善寺駅の南17km。古くからの南・北伊豆を結ぶ交通の要地。峠下に県営有料自動車道路が天城トンネルで抜ける。東に八丁池がある。川端康成「伊豆の踊り子」の舞台。
新天城トンネルの手前、旧道への分岐地点に車をデポする。
天気予報では今夜から大雪との情報。組み立てていると、なんと小雪がぱらぱらと舞い始めた。
2月の伊豆はかなり寒い。
旧道はダートであるが、良く整備された走りやすい道だ。
踊り子橋と名づけられた橋や、川端康成の文学碑などがあって旧トンネルまでは文学ムード満点だ。
味のある林道を登っていくと、間もなく旧トンネルに到着する。
旧トンネルの標高は708m、1905年に開通したそうだ。
観光地だけに、訪れる人も多くちょっといつもの峠越えの雰囲気とは違う。
「シャッター押してくれます?」攻撃に悩まされ、早々とトンネルを抜ける。
トンネル内は明りが設置され、暗闇の不安はない。
ただし路面が凍結しているところがあるので注意が必要だ。
トンネルの反対側も観光客が多い。下りは多少荒れているものの、すぐに舗装になる。
そこから八丁池方面へ分岐する寒天林道に入る。ここから標高500mの登りだ。
この林道は、バス専用林道のため一般車両は入ってこない。
貸し切りの林道をじりじりと登っていくが、かなりきつい勾配だ。8%以上の坂が延々と続く。
林道入り口から八丁池まで徒歩120分とある。自転車なら1時間少々でいけるかと考えていたが、かなり手強そうだ。
つづら折れのヘアピンを何度も繰り返し、ぐんぐん標高をかせぐ。
高度計がみるみる上昇していく。かなり汗をかくころ寒天の駐車場に着く。
ここからは道も狭く、山道に変わる。ようやく勾配もいくらか緩くなってくる。
路面に雪が現れ始め、休憩すると一気に体温も下がってくる。
長い登りも案内板のおかげで元気付けられる。
乗ったり押したりを繰り返し、ようやく八丁池に出る。
ここまで誰にも会わなかったが、八丁池にはハイカー、登山客が3組すでにくつろいでいた。
水面には氷が張っていて、白く神秘的な色彩を映し出している。
下り坂の天候のおかげで白いモヤもたちこめ、穏やかな雰囲気とは程遠い真冬の厳しさが感じられる。
風が出てきて、ただでさえ寒い中、体感温度はマイナスの世界だ。
さっそく昼飯にする。気温は0.4度を示している。吐く息がタバコの煙のように白い。
ガスヒーターを取り出す。
いつもならこれが出れば一気にポカポカ状態になるのだが、風もあって一つも暖かくない。
そのうち足先が痛くなりはじめた。
天気も怪しく、これは長居はできないと判断。ハイカーも先に下山し始め、一人極寒の中での食事となった。
ウールのレーサージャージを履いても寒く、おでんとビールを楽しんだ後早々と逃げ始めた。
林道へ出ると風も収まり過ごしやすくなる。
動き始めると、今度は暑くなり始める。冬のツーリングは体温調節がしにくく困ったものだ。
戻って分岐を右、「御幸歩道」を下る。これを行けば旧トンネルに下りられる。
道は完全な山道で、自転車はまったくのお荷物だ。
特に前半は大きな岩や、段差、木の根が至るところにあって、押すのさえままならない。
自転車を担ぐまではいかないが、かなり厄介な道である。
下って20分ぐらいで、池で会った年配の夫婦に追いついた。ご主人が座って靴を脱いでいる。
何かあったのかな?
ここから本日のハイライト「天城峠負傷者救助の巻」の始まりです。どうぞお読みください。
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