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長野県南安曇郡(標高約1890m)
乗鞍スーパー林道B区間、蛭窪トンネル横を越える。白骨温泉と乗鞍高原鈴蘭を結ぶ山道。乗鞍岳、乗鞍高原の展望が素晴らしい。



ニューサイ誌266号に紹介されていた「見晴峠」の案内がずっと心に残っていて、いつかまた紹介されないかなと期待していた。

インターネットで調べてもほとんど紹介がなく、いったいどんな所なのかと期待ばかりが膨らんでいた。

ニューサイでは最悪の天候で展望がえられず、ぜひ晴れた日に行ってみたいと考えていた。
今年の夏休みは、乗鞍高原をベースに周辺を巡るプランを考えた。

乗鞍高原の大駐車場に車を置き、早朝から梓湖へ向かってダウンヒルを開始する。
いきなり500mも下ってしまって、この先大丈夫かいなと思いながら国道に合流する。

観光シーズンのため、上高地方面へ向かう車がかなり多い。
さらにトンネルが多く、ライトは必需品だ。




トンネル内は危険のため乗ることはできない。ライトを後ろ向きにセットし、こちらの存在を後続車に知らせないとひき殺されそうだ。

沢渡から分岐すると、ようやく静かな林道が待っていてくれる。

ここから白骨温泉までは、かなりきつい勾配の道が続く。
15%近い登りでずっと押し。スノーシェードがいくつも現れ、車のほうもローギヤで唸って登っていく。

ようやく白骨温泉へ。休憩を兼ね、安曇野地ビールとつまみで一息つく。

露天風呂で汗を流したいところだが、これからが本番だから今回は我慢する。

いくらか勾配もゆるくなり、じりじりと稼いで行くと見晴峠への入り口が現れる。
ここから先は「鈴蘭」の案内に従って行けばよい。 


標高約1520m。峠まで370mの登りだ。

いきなり階段が現れるが最初だけで、後はきれいで明るく、押しやすい山道が続く。
ただし勾配はきつく、20mかせぐと息切れしてしまう。

歳のせいなのか、酸素が薄いためなのか、いつもより呼吸が苦しい。

高度計が残り100を切ってくると、俄然元気が出てくる。最後の100はいつも気合で登っていく。

高度計に励まされながら最後の大汗をかき、ようやく峠に出る。
峠は少々開けたところであるが、案内は特にない。鈴蘭への標識があるだけだ。
もう少し峠の雰囲気があるのかな、と期待していたが少々残念。

展望は峠よりも、少し下ったあたりのほうがよいが、丁度昼の時間だし、峠にてランチタイムとなった。

 



ほとんど無風で静かである。多少雲は多いものの、展望を遮るほどではない。

気温はさすがにここまでくると涼しく、都会の灼熱からは想像できないほどの爽やかさだ。

さて下りは、安定した山道が待っていてくれる。MTBなら、かなりテクニカルな下りを楽しめる。

初心者には危険な所もあるが、注意して下れば展望の良さとともにかなり楽しめるだろう。

ただし、危険を感じたらすぐに降りることだ。一度オーバースピードになってしまったら、後は悲惨な結果が待っている。

ニューサイではお目にかかれなかった乗鞍周辺のパノラマが下るにつれ目の前に広がってくる。

 


特に「見晴岩」と名づけていた岩によじ登ると、見事な下界の景色に出会える。ぜひ、登ってみることをお勧めする。

この峠は、ほとんど訪れる人もいなく、静かな峠越えを満喫できる。晴れていれば圧倒的な迫力の展望が得られ、真夏でも爽やかな風が吹き抜ける。

多少の下りのテクニックは必要であるが、無理をしなければ楽しく山道下りを楽しむことができるだろう。

下りきると、乗鞍高原のペンションに飛び出る。そこから車のデポ地まではわずかだ。締めくくりは駐車場横の「湯けむり館」で汗を流す。

乗鞍高原散策の一日として、この見晴峠周回は適度な距離と十分な満足感に浸れる素晴らしいコースだ。

所要時間:6時間20分 走行距離:22.3km 最高速度:53km

 


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