峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2000 > 塩嶺王城


長野県岡谷市(標高 勝弦峠1055m 小野峠1075m 鶴ヶ峰1277m)
岡谷市の鳥居平やまびこ公園、塩尻市の塩嶺高原、そして辰野町のしだれ栗森林公園、これらの観光地を結ぶのが塩嶺王城パークライン。岡谷市の勝弦峠からしだれ栗までの延長4kmは、南・北・中央アルプス、八ヶ岳などの山並みと諏訪湖と松本平を望む、雄大な景色が広がっている。



諏訪湖の高浜温泉旅館という、かなり味の有る温泉に前日泊まり、翌日、岡谷の街中に車をデポする。
本日は、塩尻峠から、勝弦峠、塩嶺王城パークライン、鶴ヶ峰を巡る周回コースを計画した。

やまびこ公園を抜ける道は9%程の登りが続く。天気もよく、公園への駐車場は車で一杯で、それを横目にじりじりと進む。登りきって一旦国道20号まで下る。ここから塩尻峠までは、車の多い中しばしの我慢だ。

塩尻峠は20年以上前の思い出しかなく、どう変わってしまったのか心配していたのだが、ピークに着いてみて驚いてしまった。
昔の記憶は跡形もなく、道幅も拡張され、きれいな舗装路が広がり、走り屋さん達が喜びそうな路面が広がっていた。確か「塩尻峠」の標があったと探すがどこにもなく、あやうくそのままダウンヒルしてしまいそうなほど周囲は開発、整備されてしまった。


道路脇から工事中の道を入り、目的のルートに合流する。バイクが2台下りてきて、この先問題ないと安心する。

車の騒音が次第に小さくなってきたところで小休止。スタートしてから、ようやくここで落ち着くことができる。 道は広く、周囲も明るい。暫く登ると、岡谷防空監視哨跡の石碑が現れピークを迎える。勝弦峠までは気持ちのいい下りになる。

車止めのゲートを抜けると綺麗な舗装路が交差する勝弦峠に出る。正面の道を登り始めると次第に諏訪湖方面の展望が開けてくる。道は綺麗に整備されており、どこかの公園の中を走っているような感覚だ。展望台からは、諏訪湖を眼下に、八ヶ岳連峰、南北アルプスの眺望を楽しむことができる。

ポタリング程度の速度で進み、小野峠への小道に分岐する。ひっそりとした中、山道と交差する斜面上に立派な峠の石碑が置かれている。昔、雪の中をかつぎ降ろした時にはこの石碑はなかった気がする。 


今回は山道コースは遠慮して、再び舗装路に戻り、次の分岐を展望台方面へ進む。道はようやくMTB向けの地道になる。展望台は広場になっていて、休憩するにはいい所だ。

ここから先、鶴ヶ峰方面へは4WD以外で入るには厳しく、静かで自転車にとって最上の山道が展開してくる。勾配は適度にあるが、路面が締まっていて、道幅も十分あるため気分良く登りを楽しめる。木漏れ日溢れる林道はとても明るく、そして静かだ。

標高を少しずつかせぎながら頑張ると、やがてピークを越える。鶴ヶ峰への案内に従い進むと鶴ヶ峰展望台の分岐が現れる。ここには「日本中心の標」と刻まれた石碑が建っている。
東経137゜59´36″、北緯36゜00´47″、標高1277m、本州のほぼ中心であるらしい。展望塔が高台にどーんと建っており、ここに登ると360度の大パノラマを堪能することができる。

 


あまりに広大な展望が広がるため、ここでは書ききれない。また、魚眼レンズでも持ってこないとこの視界の広さはカメラに収めきれない。ぜひ天気のいい日に、ここからの眺めを自分の目で見ていただきたい。

荷物を持って急な螺旋階段を登り、展望塔の上でようやくランチタイムの時間を迎える。例によって調理しながら、一杯やりながらのひとときだが、とにかく展望が最高のつまみとなるため、時間がいくら有っても足りないくらいだ。 ただ、風が強いのと、鉄板の上に直に座ることになるため、ここで休憩しようと思ったら、風除けと携帯クッションを持っていった方がいい。


辰野への下りはダートのMTB向きの路面が待っている。少々荒れているがなかなか楽しめる。途中から、舗装に変わってしまうのが残念な気がする。もっと、ダートを楽しみたいものだ。後は、車の回収にひたすら岡谷を目指して頑張って走るのみだ。

 

所要時間:5時間59分 走行距離:31.9km 最高速度:41km


峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2000 > 塩嶺王城