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神奈川県湯河原町鍛冶屋(標高625m)
1180年、源頼朝は、石橋山の合戦に敗れ、山の中に逃亡した。その時に潜んだ山が幕山で、湯河原温泉の裏手にそびえている。箱根火山の寄生火山で、切り立った岩場が山腹に多く見られ、それらがあたかも幕のように見えるから幕山と名づけられたらしい。



湯河原温泉で一泊した翌日、車を走らせ、五郎神社脇の川原に置く。
今日も天気が良く、装備は最小限でよさそうだ。

幕山公園までは、舗装路を快適に走る。勾配も緩やかで、足慣らしにはちょうど良い。
梅の季節で、幕山梅林はちょうど見頃らしく、幕山公園へ向かうタクシーが次々に追い抜いて行く。

月曜日なので、静かにツーリングを楽しめると思っていたら大間違いであった。着いた幕山公園は、びっくりするほどの人の多さ。山頂へ向かっての登山道には人の列がすでにできていた。
 
公園は広くそして整備されていて、何かイベント会場のような雰囲気。多くの人はここから山頂を目指すのだが、今回のコースはさらに奥へ進み、裏手から山頂を目指す。 

公園内の遊歩道を進むと、人の賑わいも途絶え、静かな林道が待っている。裏手に回るコースは距離もあるため、一般のハイカーは入ってこない。


静かな林道を登っていくと、幕山山頂への分岐が現れる。ここからは本格的な山道へと変わる。

いきなり担ぎで始まる分岐であるが、すぐに道は落ち着いてくる。しかし、ほとんどが押しの状態だ。

人が少なくなったとはいえ、ポピュラーなハイキングコースなため、何組ものハイカーに出会う。

いつものことだが、ハイカーの邪魔にならないように気を使う。やがて、ハコネダケ茂るトンネルが現れる。今回のメインがこのハコネダケのトンネルだ。

写真の紹介を見て、どうしても自分の目で見てみたかった。実際に目の前に現れると、想像以上にドラマチックで、幻想的な風景だ。

よくもまあ、こんなに綺麗な曲線を描いて生い茂っているものだと感心してしまう。何か、宇宙のブラックホールに吸い込まれてしまうような感覚に陥ってしまう。


しばらくこのトンネルに魅了されながら登り続けるのであるが、一箇所だけ、このトンネルが押しつぶされているところがあり、ここを抜けきるのにかなり体力を消耗させられる。

ほとんど押し続け、ようやく南郷山からの道と合流する。ここからは多少乗車でき、すぐに山頂に到着する。山頂は、ファミリーハイキングのオンパレードで、自然と自分のほうに視線が浴びせられる。慣れていることとはいえ、いちいちあれこれ説明するのも結構大変だ。

小道具を披露していると、すぐにまた質問がきたりして、落ち着く暇もない。

南郷山へは白銀林道へ出た後、すぐに左手に分岐があるが、入り口はとんでもない急登が待ち受ける。空身でも相当辛い階段で、目の前の壁のような斜面にげっそりする。

こちらは人も少なく、のんびりするにはよさそうだ。後は、白銀林道経由で車へ戻るのみだ。


 

所要時間:6時間20分 走行距離:12.8km 最高速度:52km


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