峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2002 >  十二峠・大沢峠・栃窪峠



十二峠:新潟県南魚沼郡塩沢町/中魚沼郡中里村(標高723m)
大沢峠:新潟県南魚沼郡塩沢町/十日町市との境(標高720m)
栃窪峠:新潟県南魚沼郡塩沢町/十日町市との境(標高670m)



ゴールデンウィークの大混雑の中、なんとか上越までやってきた。

本当は、頚城地方まで入る予定だったが、すっかり遅くなってしまい、初日の今日は魚沼スカイラインを周回することに変更した。


時刻はすでにお昼。急いで準備をして十二峠を目指す。

周囲の山はいまだ真っ白で、さすがに豪雪地帯を感じさせる。


その昔、越後湯沢から同じようにこのコースを走った事があり、驚くことに今でもしっかりと記憶に残っている。

いつも思うことだが、自転車の旅というのは、記憶が本当に深く心に刻みこまれる。

似たような道、カーブ、風景はいくらでもあるが、再び同じ場所を訪れたとき、しっかりと思い出すことができる。
 


車や、バイクと決定的に違う点が、こういうところにあるのではないかと思っている。

十二峠のトンネルまでは、車の多い中、そんな昔の記憶をたどりながらのヒルクライムとなった。


長いトンネルを怖い思いをして抜けると、すぐに魚沼スカイラインへの分岐がある。

ただし、分岐には「全面通行止め」の標識とバリケードが置いてある。


バイクが2台降りてきて、なにやら怪しげな雰囲気。

一度走っているので、まあ問題はないだろうと、貸しきり状態の舗装路を登っていく。

あたりは残雪の棚田が美しく、ようやく長い冬が終わったばかりだという雰囲気が感じ取れる。
 


いい天気の中、汗をかきながらヘアピンカーブを曲がった瞬間、目に飛び込んできた光景に、あまりに驚いて立ち止まってしまった。

御覧のように、突如として道路のど真ん中に巨大な雪のバリケードが登場したのである。


道路脇にはチラホラ雪が残っていたが、全く気にするほどではなかったので、この光景には仰天してしまった。

「なんだ、こりゃ!」「どうなってるわけ?」


いきなりここから、数メートルの残雪が続くとは考えられず、それにこの標高、この天気ではあまりに不自然な光景であった。

バイクが戻ってきたのは、ははん、これだったか、と納得。

まあ、何はともあれ、この壁をよじ登ってみることに。
 


すると、壁の向こうには、これまたびっくり、巨大な除雪車が道路をわざと塞ぐように斜めに止められており、その先には雪はなくなっていた。

ということは、理由があってあえてここにバリケードを設け、車の進入を規制しているということだ。


雪解けの山菜を狙って、多くの車が入ってくるのを防いでいるのであろう。

確かにうまい作戦ではあるが、こうまでしなければならない光景に、ちょっと考えさせられてしまう。


おかげで、すっかり自転車天国の世界が出来上がってしまった。

ちょうどMTBポタリングのおじさんもこの場に出くわして、二人で協力してこの壁を突破した始末。
 


登るにつれ、視界が大きく開けてくる。

東の方角に越後山脈がよく見える。眼下に塩沢、六日町の町、魚野川、関越自動車道の様子が確認できる。


じりじりと登っていくと、ピーク直前で再度同じようなバリケードが待っている。

まあ、念には念を入れており、これではオフロードバイクも無理で、自転車とハイカー以外はここを通過することができないだろう。


おかげでこちらもいい汗をかかしてもらったが、苦労した後は、魚沼展望台から、眺め抜群の大パノラマを楽しむことができる。
 


なんてたって貸切状態。そして特上の眺め。

いやあ、この時期穴場かもしれません、この魚沼スカイライン!


すっかりいい時間になってしまったが、後はほとんど下りなので気が楽だ。

風が出てきて、多少のアップダウンに悩まされるが、栃窪峠までは快適に尾根上のスカイラインを楽しめる。


大沢峠はどこだろうと、あれこれ散策したのだが、はっきりとした標は見当たらなかった。

栃窪峠まで出ると、ようやく車に出会う。ああ、皆さんはあの眺めを見れないんだ・・かわいそうに・・・

栃窪峠からは500mを一気に下り、脇道を辿って車に戻った。
 

 


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