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東京都八王子市/神奈川県津久井郡


今年の冬はやけに寒い。各地で大雪の情報も頻繁に耳にする。

2003年、今年の走り初めは、手軽な高尾方面を計画してみた。

八王子ICで降り、高尾方面へ向かう。今日のコースはのんびり走っても余裕なので気が楽だ。

車をどこに止めようかと迷っていたが、結局高尾山口駅の有料駐車場になってしまった。
 


 

ハイカーの姿がやたら多いが、皆高尾山方面へ向かうので心配はいらない。

おでん、ビール、つまみ類をサドルバッグに入れ走り出す。今日の天気なら雨具は完璧に必要ないので置いていく。

まずは大垂水峠へゆるやかに登っていく。空気が冷たく、北側の日陰では雪が残っていて、凍結している所もある。


車が多少多く、走りにくいが、峠まで少しの辛抱だ。峠には歩道橋がかけられており、ここから山道が始まる。

雪が残っていて滑りやすい所もあるが最初だけで、車の音も聞こえなくなれば、安定した山道が現れる。

ただし、最初の登り始めは階段がしばらく続き、一気に高度をかせぐ。なるべく軽量の自転車と、かつぎやすい装備が望ましい。

梅ノ木平方面の標識に従い大洞山へと押し上げる。時折ハイカーとすれ違うが、ほとんど静かなコースだ。

平日なら、まず誰とも会わないのではないだろうか。

大垂水峠から約1キロでベンチのある広場に登りつめる。ここで一息入れれば、大洞山はすぐそこだ。


 

2組のハイカーが食事をしているが、この先の展望の良い所までビールはおあずけだ。

ハイカーに追いついたり、追い越したりと、ペースが近いものだから自然と会話も弾む。

このあたりから、結構乗車率もぐっと高くなってくる。

走りやすく乾いた路面なので、ほとんど不安のない山道走行が可能だ。階段の下りもあるが、慎重に下れば怖いこともない。

梅ノ木平方面に従い進むと、「近道」と書いてあるまき道に出る。

女性のハイカーは直進し、ピーク越えへ向かったが、ここは右の近道へ進む。

道はかなり狭くなり、乗車するにはかなりバランスが必要なので、降りたほうが懸命だ。

ほとんどフラットな道を行くと直進の道と合流する。ここが中沢峠だ。


 

写真を撮って一服していると、先ほどのハイカーが降りてきた。

「あれっ! どうして?」

「こっちのまき道をくれば楽だったのに」

「まき道って何ですか?」

「山のピークを越えるんじゃなくて、脇を巻いて・・」

「こっちの道、すっごい大変だった・・」

秘蔵版MTBツーリングブックに載っている絶景ポイントで昼にしようと先を急ぐ。

その手前に「三井方面」という右に下る分岐がある。

自転車を置いて少し下っていくと山道の途中から津久井湖方面の展望が一気に開けた。

この場所も悪くないと確認し、とりあえずお勧めポイントへ向かってみる。

しかし、そこのベンチはすでにハイカーで満席。確かにこちらのほうが眺めはいいが、いかんせん狭い。


 

山道に長椅子が置いてあるだけなので、自転車を置いておくにも、荷物を広げるにも、おでんを煮るにも困ってしまう。

すぐに諦め、先ほどの分岐へと戻る。

ハイカーは自転車にも驚いていたが、すぐに引き返してしまった姿にあっけにとられていた。

さっそく草むらに腰を下ろし、ようやくおいしいビールにありつく。

こちらは誰もいなく、静かな展望を独占できる。やっぱりランチタイムは誰にも気兼ねなく、のんびりくつろげる所でなくては。

暖かい日差しの中、風もないので本当にポカポカしてくる。

ここ数日寒かったせいで、まるで春の陽気だ。ラジオをつけると、なつかしいナツメロ特集が流れてくる。

いい気分になって、ナツメロ口ずさんで、最高にご機嫌だ。


再び先ほどの絶景ポイントに戻る。すでにいい時間になっているので誰もいない。

この先、西山峠への道は、最初は木の根が多く乗ることはできないが、しばらくするとしっかりとした山道が現れる。

特に太いタイヤは必要なく、細身のタイヤでも楽しく山道走行が楽しめる。ただ、路肩が弱い所があるので注意が必要だ。

三沢峠は大きく開け、ベンチも用意されている。

地元のハイカーの人と雑談したあと、城山湖方面へ進む。もうこのあたりまでは車が入った形跡があり、この先はすぐに林道に出る。

すぐに城山湖へ下る分岐を右に折れ、ここからは気持ちのいいダウンヒルを味わえる。


 

城山湖へ一気に下り、発電所の分岐を左へ。そして秘蔵版のお勧めの山道入り口を探す。

この道は、幅も広く、路面もフラット、そして見通しが良いということで、まともに走ったらかなりのスピードで走れそうだ。

まず、ハイカーに出合うことはないと思うが、注意して走れば極上のかっとびダウンヒルが満喫できる。

ただし、残念ながら距離的にはそれほど長くない。もう少し走りたいと思う頃、車道に合流してしまう。

あとはのんびりと高尾目指して、タイヤの泥を落としながら走る。

このコース、低山ながら、結構本格的な走りが楽しめる手軽な所だ。

特に冬の季節、天気のいい日にのんびりと走るのに最高の所だ。 

距離: 25.1 km
所要時間: 6 時間 57 分 43 秒
平均速度: 毎時 3.6 km
最小標高: 54 m
最大標高: 617 m
累積標高(登り): 1001 m
累積標高(下り): 874 m

(2003/1/13 走行)


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