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山形県泡海郡遊佐町/秋田県由利郡象潟町(標高1156m)
美しい稜線のため、「秋田富士」「出羽富士」とも呼ばれる鳥海山。その5合目へ向かう観光山岳道路が鳥海ブルーラインだ。象潟町小滝から鳥海山5合目・鉾立を経由し、山形県遊佐町吹浦に至る道で、見どころは鳥海山ではなく眼下に広がる日本海の展望だろう。(「日本百名道」より)


今年は冷夏で、8月でも長袖で過ごせる日が続いた。

暑くない夏ではツーリング気分も盛り上がらず、いつ、どこへ行こうかと悩んでいた。

9月の残暑と日本海側の好天を期待して、6日間の東北・日本海のツーリングに出発した。

都内から延々走り続けて9月2日早朝、「道の駅象潟」に車を置き、初日のツーリングがスタートした。

相変わらずの冴えない夏が続いており、今日も雲が多い天気だ。それでも晴れ間が見えるだけこの夏では恵まれている。


日本海に聳え立つ鳥海山は見事な美しさで、遠くから眺めると本当に富士に似ている。

その鳥海山の5合目まで美しい山岳道路、鳥海ブルーラインが走っている。

海抜0メートルから一気に1100mも登るこのルートは、初日にしてはかなりハードな行程だ。


夏休みも終わり、平日のツーリングともなると、観光客もまばらで、空いた道をのんびりと楽しむことができる。

期待するのは、眼下に広がる大海原の景色だが、果たして本日拝むことができるであろうか。


道は綺麗な舗装路で、道幅もたっぷりあり、車でドライブするのもさぞ気持ちのいいことだろう。

登りはじめこそ緩やかなものの、やがて平均勾配7%程度の登りがずっと続く。


空気圧を高めにセットしたおかげで、そこそこ足にはくるものの、ランドナーでちょうどいい、という勾配だ。

ぐんぐん高度を上げ、GPSの高度計も200、300と刻んでいく。

果たして、日本海の眺めはどこからか・・・とはやる気持ちを抑えてじっくり登っていく。



 

標高も800に近づくと、大きく日本海が広がってくる。しかし、やはり雲が多く残念ながら大パノラマというわけにはいかない。

眼下に酒田の街が見えるものの、飛島の姿はよく見えない。


登り続けて3時間、ボトルの水もほとんど空になる頃、ようやくピークが見え始める。

やはり初日に1000m以上のヒルクライムはかなり応える。最後の100mは、かなりヨロヨロの状態であった。


鉾立ビジターセンター脇で、本当は大パノラマが広がるであろうベンチに陣取りランチタイムにする。

一面白い雲に覆われ、観光客も「海はどっちですか?」と聞くほど視界が悪くなっていた。

さらに、風も強くなり、急に気温も下がり始めた。


半袖では寒くてたまらなくなり、雨具を取り出す。

バスから降りた観光客も寒くてブルブル震える始末。さすがにここまで登ってくると、かなり気象の変化も激しい。

のんびりビール片手に日本海の美しさを満喫しようという作戦だったが、とんでもない、一目散にこの場を去る羽目になってしまった。

それでも何とかビールを飲み干し、小1時間ほどのランチタイムを楽しんだ。


さあ、ダウンヒルである。

路面は最高、道幅十分、そして一気に1100m下れる豪快な下りである。

本当は日本海に飛び込むようなダウンヒルであろうが、これも残念、真っ白け。

しかし、そんな不満を解消してくれるような、長く豪快なダウンヒルであった。

 

 

(2003/9/2 走行)


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