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寒風山:秋田県大曲市(標高355m) 寒風山は標高355mのなだらかな山で、木が少なく芝生におおわれているため、ちょっと大きな丘という印象さえ受ける。頂上には回転展望台があり、八郎潟干拓地や鳥海山や男鹿半島の山々のパノラマを楽しむことができる。(「日本百名道」より)   


鳥海ブルーラインを走った後、男鹿半島に移動してきた。

男鹿半島には見どころが多く、寒風山はじめ、なまはげ見学、温泉、美しい夕日と魅力たっぷりだ。

2日かけて、ツーリングとキャンプを楽しむ豪華なプランニングだ。


昨晩は夜半から豪雨に見舞われ、今日もまただめかと心配していたが、明けてみれば青空が広がり始め気分も上々。

羽立という街の海岸沿いに車をデポし、寒風山を目指す。

今日のルートは昨日と打って変わってのんびりコースだから余裕だ。
 

まずは、脇本を目指して海岸線沿いにのんびりポタリング。

朝日に輝く水面がまぶしく、ようやく夏らしい日差しが戻ってきたようだ。


寒風山への登りは、最初はきつく、途中はなだらかに、そして最後は思い切った登りへと変化する。

標高は355mだからたいしたことはないのだが、気温も高く日差しも今日は強いため、結構いい汗をかかせてもらう。


やがて、緑の草地が生い茂る寒風山直下まで登ってくる。

周囲は本当に木がなく、あたりは一面緑に覆われた明るい丘のようだ。


見上げると頂上付近に回転展望台が見える。距離は短いが、まだかなり登らなければならない。

振り返ると、日本海と八郎潟の景色が大きく広がっている。


あのてっぺんまで登ったら、かなりいい眺めだろうと興奮してくる。

頂上への分岐地点は、妻恋峠となっていて、日本海をバックに美しい峠の写真を撮ることができる。

ここから頂上までは、車でも辛そうな急坂が待っているが、あせらず、ゆっくり自転車を押して歩こう。

一歩一歩進むごとに、周囲の景色が広がり始める。


さすがに観光地だけあって、車の数も多く、眺めのいいところは観光客だらけだ。

途中の駐車場からトイレの脇を抜け、静かな南側方面に隠れる。


ちょっとした岩のかげに陣取り、絶景を独り占めしてのランチタイムを楽しむ。

快晴でないのが残念で仕方がないが、それでも正面に広がる日本海と、美しい弧を描く海岸線、そして八郎潟方面の眺めは見事だ。


 

パラグライダーの姿も見え、のんびり時間をつぶすには最高のところだ。

風もなく穏やかな天気で、満腹になれば、草地にひっくり返り大空を眺める。

「ああ、なんて気持ちのいいひと時だろう。」


せっかくだから、頂上まで頑張ってみる。

回転展望台には入らなかったが、頂上からは「なまはげライン」の先に入道崎方面がよく見える。本当に360度眺めがいい。


頂上からのダウンヒルは、日本海に飛び込むような豪快な下りだ。

急坂のため視界の半分以上が海となり、今までに味わったことのない不思議な下りが楽しめる。

羽立のデポ地点までは、距離は短いものの、本格的なダウンヒルを楽しめる。

途中登り返しもあるが、全体的にはショートコースながら内容の濃い一日を満喫できる。


車に戻った後は、「なまはげライン」を走って、男鹿真山伝承館にてなまはげ実演観賞と、なまはげ館見学へ。

はじめて見るなまはげは、迫力満点で思わずギョっとするほどだ。あれでは子供が泣き叫ぶのも無理はない。

なまはげの文化と歴史の重みを肌で感じ、男鹿半島にますます魅了されてしまった。


温浴ランド男鹿で汗を流した後、いよいよ期待の夕日を拝みに入道崎へ車を走らせる。

男鹿半島の西海岸は気持のいい海岸線が続き、どこか日本離れした景色だ。

日が落ち始めた頃、椅子にすわり、音楽を流し、ビール片手に夕日ショーが始まる。

邪魔なものは一切ない広々とした空間。どこまでも広がる大空。そして刻々と変化していく夕闇。


確かにここは夕日百選に選ばれるだけのことはある。

あいにく雲が多く、太陽が水面に沈む姿まで見ることはできなかったが、それでもここのロケーションは素晴らしい。


日没を向かえ、周囲も真っ暗になり焚き火を楽しんでいると、なんと野生のタヌキが自分の真横にいるではないか。

何かおこぼれをもらおうと近寄ってきたらしい。こちらもたまげたが、結構愛嬌のあるかわいい顔をしていた。

翌日は、飲みすぎて昼ごろから走り始める始末。

今日も天気は良く、男鹿温泉から八望台経由の周回コースをとった。


入道崎は緑広がる美しい岬で、道路から海岸線までなだらかな草地が続く。

もう、どこにでも転がりたくなるような開放感で本当に気持のいいところだ。


男鹿温泉では、二日酔いにもかかわらず、旬の刺身で一杯。

のんびりポタリングを楽しみ八望台へヒルクライム。そして再び、温浴ランド男鹿で締めくくった。


二日間の男鹿半島はあっという間だった。

もっともっと時間をかけて走りたい、魅力たっぷりのところであった。

 

 



(2003/9/3〜4 走行)


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