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札立峠:和歌山有田郡清水町と海草郡野上町との境。長峰山脈の西部。南西の生石ケ峰西峰に至る車道が通る(標高600m)
生石高原:
和歌山有田郡金屋町・清水町と海草郡野上町にまたがる。長峰山脈の生石ケ峰一帯、標高500〜800mの高原。古生層からなり、準平原上の平坦面はススキが茂り、展望がよい



台風一過の翌日は晴れ渡り、真夏の日差しが戻ってきた。

朝の通勤ラッシュで混雑する中、海南東部市民運動場へ車を移動させる。

昨日の嵐がまるで嘘だったかのように、風もなく穏やかな朝だ。

今日は、札立峠から生石(おいし)高原を周回するプランだ。

天気もよく、高原の展望を期待しながらランドナーで走り始める。

野上八幡宮から、吉野を南下し、小川宮の町で休憩。

郵便局と商店だけがある小さな村だ。

バス停の時刻表を見ると、午前、午後あわせて4本の運行しかない。
 

 


ここから生石高原まで約700mの登りが始まる。

梅本川に沿って道は登り始めるが、台風一過の後で路面には枝木が散乱している。

道幅は狭く、さらに勾配がかなりきつい。押してもつらいほどの激坂が待っている。

それでも標高を稼ぐにつれ視界が大きく開け始め、つらい登りもこの眺めに救われる。

ほとんど交通量がなく、静かな峠道の雰囲気を味わえる。

汗をぬぐいつつ、呼吸を整えながら札立峠に到着した。

峠への道へ出ると、路面も綺麗に、道幅もかなり広くなる。

 

 


「日本百名峠」に紹介されているこの峠の歴史には、この峠が熊野三山参詣の道であったと書かれている。

また、本来の峠、旧札立峠が違う場所に存在すると書かれている。

残念ながら旧峠の存在を知らずにやってきたため、祠のある旧峠を訪れる事ができなかったのが、今となっては非常に惜しまれる。

峠には、売店、トイレが整備されており、生石高原への登りの前に一息つくにはちょうどいい。

売店で缶ビールを一本買って、山道に腰をおろしのんびりと峠の様子を眺めていた。

 

 

 


生石高原へは、再び激坂が待っている。

路面は格段に良くなって気持ちがいいのだが、とにかく勾配がきつい。

当然この道のダウンヒルはかなり危険な感じだ。

スピードが出すぎるため、かなり制動力のあるブレーキが必要だ。

マファックライドのセンタープルでは、まったく役にたたないであろう。

札立峠から残り200mを頑張って登りつめると、いよいよお待ちかねの生石高原に到着する。

ちょうど高原のレストハウスの改修工事をしているところで、工事の車両と作業員で賑わっている。

その脇を通り抜け、頂上の展望台へ自転車を押し上げた。

 

 


生石高原からは、眼下に野上町、遠く和歌山市、そして紀泉の山々を越えて大阪湾、さらには、空気が澄んでさえいれば神戸の街並み、六甲の山並みが遠望できるという。

残念ながら今日は、晴れてはいるもののそこまでの眺望は得られなかった。

しかし、それでも360度ぐるりと見渡せるほどの大展望である。

草原上に広がる生石高原は、思わず走り出したくなるほど気持ちのいいところだ。

また、この眺めであれば夜景がさぞかし綺麗かと想像できる。

空気の澄む冬場にかけては、観光客も少なくなり、天体観察など静かな高原散策が楽しめそうなところだ。

 


 


生石高原からは、一気にダウンヒルで高度を下げる。

ビデオカメラをセットし、ダウンヒルの様子を撮影する。

路面がかなり荒れていて、段差、継ぎ目、小石、枯葉などがあるため、注意して路面を確認していないと危険だ。

道幅も狭く、カーブも多いので緊張の連続だ。

黒沢牧場へ一旦登り返し、牛を眺めながら最後の休憩だ。

牧場ののどかな景色が、ツーリングのフィナーレに最適だ。

地図を広げて、今日走ってきたルートを振り返る。

ここから車まで標高差200m。さあ、最後の下りが待っている。

本日の温泉:紀州黒潮温泉 寝場所:和歌山マリーナシティ駐車場
 

 

(2004/9 走行)

 


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