峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2004 >  潮岬




この旅最後の車中泊は、潮岬観光タワーの駐車場で、太平洋の波の音を聞きながら過ごした。

目覚めると雲ひとつない晴天に恵まれた。


旅のフィナーレは、明るい、眩しいぐらいの海が待っていてくれた。

空の青さと、海の青さがひとつになって、どこまでも広がる大空が目の前にあった。
 


日本最北端宗谷岬、本州最南端潮岬と、最北端、最南端と名のつく所がある。どの地も観光地であり、訪れる人も多い。

北のはずれ、南のはずれ、半島、頂上、峠、終点・・・ そうした所を訪れるのが好きだ。

もうこれ以上がない、という所には、他には絶対見ることのできない、そして味わうことのできない景色、自然がある。


厳しい自然環境に直面しているそうしたピーク地は、自然の織り成す美しさがそのまま残っている。

人の手が入らない、いや入れられない最果ての地には、その地の本当の姿が残っている。
 


日本最南端潮岬には、その名の通り美しい自然が目の前に広がる。

台風、地震と自然の驚異を痛感した紀伊半島だったが、最終日に最高の天気に恵まれることになった。


季節外れのキャンプ場はがらがらで、お父さんと息子二人でキャンプしている以外は誰もいなかった。

ロケーションも最高のこのキャンプ場をベースに、潮岬の周回に出発した。

 


「和歌山県朝日夕陽百選」の碑。ここからなら、間違いなく絶景だろうな。

一度でいいからお目にかかりたいものだ。

 


潮岬灯台へ向かう。

青い空に、30mの断崖に建つ白亜の灯台がよく映える。
 


灯台の上まで登ることができる。入口に68段の案内がある。

螺旋階段をゆっくり登って行くと、目の前に太平洋の大海原を拝むことができる。

年配の方とすれ違うのに大騒ぎ。登りより、下りの方が大変そうでした。

 


走り始めると、あっという間に半周し、紀伊大島への分岐まで来てしまった。

ちょっと立ち寄ってみようかと、広々とした歩道を行くが、目の前に大きなループ橋が見えてきた。


美しい橋だが、いざ登ってみると自転車では結構つらい。

渡った先は1本道で、樫野崎灯台で行き止まりだ。ぐるっと周回できないので、すぐにUターンすることに。
 


軽いポタリングで車まで戻ってきた。帰りのフェリーまではまだまだ時間がある。

最後は車で串本海中公園へ行ってみる。夏休みも終わって観光客も少なく空いている。


ゆっくりと館内を見学し、美しい動植物に心癒される。

橋杭岩を最後に眺めて、那智勝浦港へ車を走らせる。
 


長かった9日間の紀伊半島の旅もフィナーレだ。

行きも帰りもフェリー旅。ゆっくり時間をかけてこの旅を振り返る。


出港すると、すぐにデッキからは夕陽の沈むシーンに出会える。

ゆっくり、ゆっくり水平線に沈んでいく。そして最後はあっという間に海に沈む。

画面がフェードアウトしていくように、このツーリングも静かに終わりを迎えることができた。
 

 


 

距離: 14.8 km 
所要時間: 2 時間 41 分 8 秒
平均速度: 毎時 5.5 km
最小標高: 0m
最大標高: 84 m
累積標高(登り): 175 m
累積標高(下り): 181 m

(2004/9/11 走行)


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