峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2004 >  双子池・雨池・大河原峠



ニューサイNo.252、253に連載された
「八ヶ岳 山荘日誌」がずっと心に残っていた。


こんなスタイルの楽しみ方があるのか・・・
と驚きを感じていた。


一人で1週間以上も別荘を貸し切って、自転車三昧・・・なんて芸当は普通の人には不可能だ。


かなりうらやましく、かなり驚いたが、最初の書き出しからいきなり心をつかまれてしまった。


「そうなんだよなぁ・・・その通りなんだよぁ・・・
わかるなぁ・・・」


いつかこのあたりへ行って、同じ景色を見て、同じような心境になりたいな、なんて感じていた。


最終日の3日目もいい天気に恵まれた。

昨夜の地震で世の中は大騒ぎになっているが、何もなかったかのような見事な快晴だ。

新潟県は大きな被害が出ているようだが、この辺りは何も影響がなさそうだ。


この日は思いっきり楽をさせてもらって、大河原峠直前、標高2000m付近まで一気に車で登った。

ここまで登ってしまえば、のんびりと北八ヶ岳の散策が可能だ。


すぐに「林道大河原峠線」の入口が現れる。

いったい何の力が働いたのか、標識があちこち折れ曲がっている。


ランドナーも持ってきたが、結局今日もMTBの出番だ。

走りやすそうな、ダートのフラットな林道が伸びている。
 


MotionPixとGPSをハンドルにセットして走り出す。

標高はいきなり2000mを越えている。


ハンドルに三脚を巻き付け、ビデオカメラをセットして撮影開始。

何がどう撮れているのかさっぱりわからないが、あとで見れば貴重な記録になるだろう。

GPSが目的地までの距離、方角を示してくれる。


大きな石が多く荒れているが、明るく道幅も広い林道なのでMTBであれば楽しく乗っていける。

ここは太いタイヤ、サイドのしっかりしたタイヤが欲しいところだ。

少々エアーを抜いてグリップ力を高める。やはり路面の食いつきが違う。
 


とにかく天気がいい。晩秋の景色が次々と広がってくる。

標高2000m、北八ヶ岳ど真ん中の林道を独り占めだ。

さすがにここまでくると、空気が冷たくておいしい。
 


立ち止まって空を見上げると、きれいな青空にカラマツの紅葉が光り輝いている。

風もなく、何も音がしない。なんて素敵な秋景色なのだろう。
 


双子池への分岐がその先にあった。

分岐には「ここからは私道ですので 関係者以外は車の乗り入れは できませんのでお願いします」と書かれている。

言われたって行くしかない。少々緊張しながら先へ進むと立派な双子池ヒュッテが現れた。
 


こんな大自然のど真ん中、山の奥地にきれいな山小屋が登山者を迎えてくれる。

今日も数組のハイカーがくつろいでいる。こんな素敵なところで一泊するのも最高だろう。


双子池は「原生林に囲まれた最後の楽園」とパンフレットに紹介されている。

静かに佇む二つの池を眺めているだけで癒される。
 


小休止して雨池へ向かう。

分岐まで戻って林道をさらに進むと、かなり道が荒れてきた。

山側からの崩落が所々発生していて、大きな岩が林道まで落下してきている。


これは地震の影響なのか、それとも悪天候の影響なのか・・・

幸い通過するには問題ないので、注意しながら先へ進む。

団体のハイカーと挨拶を交わし、デコボコの林道を行くと雨池への分岐が現れる。
 


池までは少々山道を下っていく。ここはもう自転車の出番はない。

雨池はひっそりとしている。双子池と比べると、「陰と陽」といった印象だ。

少々曇ってきてしまったのでよりそう感じたのかもしれないが、なんだか冷たい感じだ。
 


誰もいなく、静かにくつろぐには最高の場所だ。さっそくランチタイムの始まりだ。

今日のメニューはおでんだ。やはり、この時期はおでんに限る。

静かな池のほとりに、ゴォーというガス
コンロの音が響く。


休んでいると、今度は寒くなってきた。曇ってくるとやはり気温もかなり低い。

温かいおでんを味わっていると、珍しくハイカーがやってきた。

何やら地図を眺めて悩んでいる。大丈夫でしょうか?このお二人・・・
 


目的地の雨池まで無事に来れて満足だ。

車を使ったおかげで、本当に余裕をもって林道を楽しむことができた。


来た道を再び戻る。

本当はさらに奥へ行きたいところだが、今回は無謀なチャレンジはしたくない。


「八ヶ岳山荘日誌」のように、いいとこどりの走りを楽しみたい。

来た道をそのまま戻ると、また景色が違って新たな発見もある。


最後に出会ったのは、TOEIパスハンターに乗ったサイクリスト。

ちょっと会話したところ、ちゃんと下から登ってきたらしい。


「えぇ〜、下から登ってないんですかぁ?」なんて言われちゃいました・・・

自転車も装備もバッチリの方でした。どちら様でしょうかね?
 


車道に戻ってきて、最後に大河原峠まで登ってみる。標高差30mぐらいだからすぐに到着だ。

「大河原峠」と大きな文字で書かれた案内が迎えてくれる。


下から頑張って登って、この峠を越えてダウンヒル・・・というのが本来であろうが・・・

それはまた次の機会に、ということでこの3日間のツーリングは終了となった。


まあ、とにかく天気に恵まれた3日間だった。

そして車をふんだんに使った今回のプランは、なかなか充実していた。


車中泊の楽しさ、便利さ。そして行動範囲の広さは輪行旅では不可能だ。

ランドナーとMTBを積んでの車中泊ツーリング、今これが最高に楽しい。
 


 

距離: 14.5 km 
所要時間: 4 時間 38 分 26 秒
平均速度: 毎時 3.1 km
最小標高: 2040 m
最大標高: 2134 m
累積標高(登り): 358 m
累積標高(下り): 326 m

(2004/10/24 走行)


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