峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2004 >  柳沢峠・六本木峠・天庭峠・寺尾峠・丸川峠



先月のツーリングの余韻がまだ残っている中、またまた秋景色を求めて出かかることにした。

前回の旅の道具がそのまま残っているので、準備も簡単だ。

本日のコースは、「秘蔵版MTBツーリングブック」より、「丸川峠から泉水谷林道」を選んでみた。

本格的な山道を行くコースだが、案内によれば、担ぎもない中級レベルとのこと。

小さな峠をいくつも越えられるので、峠コレクションにはうれしいコースだ。

そして丸川峠からの下りが素晴らしいという。


午前4時に家を出て、中央道から松姫峠を越えて「丹波山温泉」まで車を走らせた。

朝日を浴びた山並みが、美しい紅葉に彩られている。


まずまずの天気、そして気持ちのいい朝を迎えた。

今回初登場のモンベル「サイク−ルパック」 、果たして使い心地はいかがかな?
 


好天の日曜日となれば、行楽の車やバイクがひっきりなしに通る。

静かな山道を楽しむどころか、次から次へと集団が走り抜ける。


エンジン音が聞こえなくなると、静寂の景色が戻ってくる。

柳沢峠までは800m近く登らないければならないが、しばらくは我慢するしかない。
 


さすがに交通量の多さに嫌気がさしてくる。そして、背負ったリュックの影響で腰が痛い。

結構な重さのリュックを背負ってのヒルクライムは、あまり経験がない。


かなり体力を消耗して、ようやく標高1472mの柳沢峠に到着した。

峠には休憩所とお店があるため、多くの車やバイクが止まっている。

少々味のない柳沢峠の案内板だが、南側の展望が望めるので開放感がある。
 


道路脇から丸川峠への山道が分岐している。さあ、これでやっと車から逃げられる。

階段を登っていくとすぐに細い山道に変わった。

クマザサに覆われた道は森の中へ続いており、一瞬にして山岳サイクリングの世界が始まる。
 


ナラ坂に出ると大きな地図と、「クマ出没注意」の看板が建っていた。

こんな所でもクマが出るのだろうか? 今日だけは勘弁してほしいと願う。
 


時刻は12時を過ぎ、そろそろ空腹になってきた。

道も広く、日が入るようになって雰囲気も明るくなる。
 


すっかり静寂の世界になり、午前中のあの轟音などすでに忘れてしまった感じだ。

乗車率も高く、落ち葉の積もった山道はMTBの得意とするところだ。

しかし、前半戦の柳沢峠までの登りと空腹が重なってパワーが出ない。
 


ハイカーに会うこともなく、乗ったり押したりと山道を楽しむ。

次第に大きな岩や、木橋が現れてくる。

苔に覆われた岩は滑りやすく、注意しながら乗り越えていく。
 


六本木峠に到着。ここで本日初めて親子のハイカーに出会う。

六本木という地名の由来はわからないが、気が付いてみればもう1612mの高さになっている。


11月の後半に、この高さにいるということは結構リスクがある。

あらためて気を引き締めなおす。
 


天庭峠への登りは岩だらけになってきた。

見た目は幻想的で美しい景観だが、結構きつい登りだ。

一歩一歩確実にグリップを確かめながら、MTBを小脇に抱えて登っていく。
 


13:30 天庭峠に到着。

呼吸も乱れ、かなり疲れている。空腹でもう力が出ない。

展望は今一つだが、ここでようやくランチタイムだ。これでやっと生き返ることができた。


休んで汗も引いてくると、今度は急激に寒くなって体が震え始めた。

日差しはあるが、やはり気温がかなり低くなっている。

ちょっと天候が悪化したら、かなり危険な場所にいるなと感じていた。
 


寺尾峠への道は極上だ。

落ち葉に埋もれた山道は快適で、乗車して峠に到着だ。

丸川峠まであと20分。ここまでくるとかなり安心してくる。


ここで本日二組目のハイカーと挨拶を交わす。

「結構担ぐんですか?」「いや、それほどでもないですね」なんて言葉を交わす。

ハイカーの皆さんはちゃんと熊鈴付けて歩いてます。やっぱり必要ですね。
 


最後の登りに入ると、再び大きな岩が現れてきた。

本格的な山道と滑りやすい岩場が続く。
 


結構厳しい道のりだ。

明るいうちにこの場を抜けないとかなり危険だ。

 


ようやく丸川峠に到着した。

お地蔵さまと、「丸川峠」と大きく書かれた案内が迎えてくれた。

ハードな登りが続いたので、正直ホットした。


峠には丸川荘という山小屋が営業している。

こんな厳しいルートの先に山小屋があるなんて驚きだ。


「秘蔵版MTBツーリングブック」によれば、山小屋のご主人はサイクリストに理解があるという。

それではさっそく・・・と小屋の中に入ってみる。
 


独特の世界と空間だ。こだわりの作り、調度品、そして雰囲気。

小屋には別のお客さんがもう一人休んでいた。


モカとロイヤルコーヒーがあるというので、絶品のロイヤルコーヒーをいただく。


いやぁ
、疲れた体にあのコーヒーはとにかくうまかった。


自転車で来たことを伝えると、さっそく時間を気にしてくれる。

そろそろ暗くなり始める時間だ。その気遣いがさすがだ。


やはりサイクリストに理解がある。決して山岳サイクリングを否定したりしない。

ホームページ持っているんですよ、と言ったらぜひアドレスを教えて下さいと言われメモを渡した。
 


丸川峠からの下りは楽しい。

乗車率はかなり高く、MTBの楽しさを十分満喫できる。


無理せず、スピードを守り、コーナーリングに注意すれば最高の山道下りだ。

サドルバッグが暴れすぎるので、フロントに付け替える。これで気にせず下れる。
 


時々岩や木橋が現れるが、それ以外はほとんど乗って下れる極上ダウンヒルだ。

日没前にこの山道を下りきれば、本当に楽しい山岳サイクリングコースだろう。
 


山道を下りきれば立派な林道に合流する。

もう路面は安定し、あとは車のデポ地まで気持ちよく下れる。


牛首谷、泉水谷と豪快に下る。暗くなり始めるころ国道に合流する。

そこから車のデポ地まではわずかだ。


車に戻って、最後は丹波山温泉で一日を振り返る。

なんて素晴らしいコースだったのだろう。文句なしの満点だ。

さすが「秘蔵版MTBツーリングブック」だ。
 


 

距離: 40.2 km 
所要時間: 8 時間 36 分 33 秒
平均速度: 毎時 4.7 km
最小標高: 621 m
最大標高: 1703 m
累積標高(登り): 1284 m
累積標高(下り): 1257 m

(2004/11/21 走行)


峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2004 >  柳沢峠・六本木峠・天庭峠・寺尾峠・丸川峠