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2005年11月13日(日)


昨夜メンバーが一人増えて、合計8名になった。

あれだけ飲んで食べて倒れそうになったけれど、朝になれば豪快な食欲だ。


きれいに食べつくして宿を出発。

大変お世話になりました。お酒の売り上げもかなりよかったことでしょう。


今日は「四万甌穴」の駐車場に車をデポして、「
大道峠・秋鹿大影林道・霧峠」を周回してくる。

天気も良く、観光地の駐車場も朝から混雑している。


気持ちよく先頭を行くT氏。調子に乗って下りすぎ、分岐地点を通り過ぎる。

すぐに携帯で呼び戻すと、しばらくして苦笑いの表情で戻ってきた。


まったく・・・地図持っているのにどういうこと? 携帯がなかったらどうなってたのでしょうね。

今日もスタートから怪しげな感じ。でもおかげでいいシーンが撮影できました。


今日が初日のY氏。昨日は仕事を終えて宿へ合流してきた。

お疲れモードでのツーリングはなかなかハードだ。さっそく登りが辛そうだ。

行き過ぎたT氏。今度は後方からゆっくりと登る。


見事な紅葉が広がる。まさに見頃な時期だろう。

分岐してからは本格的な登りが続く。結構な勾配で、舗装路を目いっぱいに蛇行しながら登っていく。

気温も上がり始め、体もすでに暑くなってきた。一枚脱いで身軽になる。


150m程登ると、大きく展望が開けてきた。「ふれあいの森」という森林公園まで登ってきた。

キャンプ場などがある森林公園のようだが、さすがにこの季節では営業していないのか誰もいない。


ここからは南側、榛名山方面の山岳風景が素晴らしい。

逆光の中に、薄っすらと山並みが確認できる。そして真っ白なススキがきれいに輝く。


高台に登って写真を撮ると、なんともまあ贅沢な色彩だ。

美しい秋景色と青空、そしてカラフルなウェアや自転車が様々な色合いを見せてくれる。


そんな休憩のひととき、一台の自転車に見とれてしまう。

なんという美しいフォルム、そしてシンプルかつ奥深い造形、カラーリングの完璧さ。


イデアルがやっぱりセクシーだ。そしてボトルの美しさがとどめをさす。

さらに美しくボケた背景が、より一層フレームの美しさを引きたてる。


あまりに芸術的な写真なので、画像編集ソフトで写真パネル風に加工してみた。

フルカラー写真ももちろん素晴らしいけれど、こうして線画風に加工しても美しい。

このまま印刷して部屋に飾りたくなるほどだ。


気持ちのいい休憩を終えて、下りに入る。せっかく登った150mも振り出しに戻る。


ひと汗かいて体も軽くなり、ようやく本来の走りが戻ってくる。

次に向かう「大道峠」の途中に
囀石(しゃべりいし)という観光名所が現れた。

観光案内によれば、囀石とは、大道囀石集落の道路に面して一段高いところに突出した巨岩をシャベリ石という。昔この石がシャベッタ(ものを言った)ということからこの地域をしゃべり石というようになったという。

有名な石みたいだが、周囲は鬱蒼と木が生い茂っていて、民家もあって何がなんだかよくわからなかった。

細い道を分岐して入っていくようだが、時間もないのでここはパスすることに。


その先、車もほとんど来ない車道をのんびり行くと、みなかみ町と中之条町の境である「大道峠」に到着する。

小さなピークになっているが、峠らしさは感じられない。石碑が建っているが峠を示すものか不明だ。


周囲は畑が広がっているが展望はすぐれない。

道路からちょっと畑側へ登った辺りに陽当たりのいい場所を見つけた。

時刻はちょうど昼時だが、ここでは短時間の軽食で済ます。


峠からの下りはかなりスリリングだ。

道幅も狭く、ブラインドコーナーが連続するため、対向車が現れるとヒヤッとする。


しばらく緊張の下りが続いた後、大影の村へ降りる直前で大展望が広がった。

北側に広がる、三国山から谷川岳方面の山並みが遠く霞んで見える。


「村道 大影・秋鹿線」と書かれた案内に導かれて、奥平温泉方面へ向かう。

全く人の姿が見えず、静かな雰囲気の田舎道だ。

農作業用の軽トラが通り過ぎるぐらいで、本当にのどかな景色が広がっている。


徐々に本格的な林道に変わってきた。

小石の転がるダートは、まだ十分乗車可能だが、カーブの折り返しがきつくなってくる。


深い木立に囲まれて全く展望が効かない。

それでも明るい日差しが注ぎ込むので、暗い林道のイメージは全くない。

ダートもさらにグリップが効かなくなり、ギヤ比の高い人は降りざるをえなくなってきた。


落葉で埋もれた林道は路面が見ないほどになっている。

カーブミラーが設置されているということは、それなりに車が通るということだろうか。

まあ、よっぽどの好き者でなければあえてここを走ろうとは思わないだろう。


だけど、この紅葉の美しさはやはり格別だ。

カーブを曲がるたびに変化するこの色彩は、辛い登りを忘れさせてくれる。


乗ったり押したりの連続だ。なかなか手応えのある林道だ。

しかしこれだけ人数がいれば、辛い登りも楽しくなってくる。

一人で黙々と登っているのに比べれば、時間も短く感じる。


皆が先に行ってしまって周囲が急に静寂に包まれると、この美しい風景に気が付く。

賑やかさに打ち消されて、こうした本当の静寂を見逃してしまうところだった。

しっかりといい構図を考えてカメラに収める。


この季節の魅力なのかもしれないが、変化のある林道で飽きない。

美しい紅葉がなければ、ただ頑張って標高を稼ぐだけの走りになってしまうかもしれない。

小休止しては風景を眺め、落葉を踏みしめる。


ふかふかの落葉に埋もれたホイール達。

落葉の色といい、音といい、やっぱりこれが好きでたまらない。


ダートの林道はやっぱり楽しい。

なかなかこうした雰囲気のいい林道が少なくなってきた。

今回は大当たりだ。誰にも邪魔されず、風もなくゆっくりと秋景色を満喫できる。


自転車が本当に似合う林道だ。バイクで一気に走り抜けては本当にもったいない。

途中に水場があった。「石門山の泉」と書かれている。


ところどころ休憩をさせてくれる道筋に変わるので助かる。

峠も間もなくだが、必死の形相で峠に到着するより、こうして息を整えられるのが有難い。

ここでは高い所から撮らなきゃ、ということで必死に登って撮りましたよ。


すっかり歩きに慣れてしまって、誰も乗ろうとしない。

おしゃべりに夢中になってしまって、先頭からずいぶん遅れだすこの4人。


歩いて峠を目指すダラダラ集団の後方から、この隙をついて一気に自分が乗車してゴール!

皆さんが歩いている中を、気持ちよく峠越えさせてもらいました。


霧峠に来るのは自分は2回目だ。1992年11月にMTBで来て以来だ。

当時と全く雰囲気は変わってない。峠の標も昔のままだ。


後は下るのみ。ここでゆっくりと遅めの食事をとることにした。

ふかふかの落葉の上はとても気持ちがいいが、15時をすぎてそろそろ寒くなってきた。

最後のお楽しみを十分楽しんで、フィナーレの下りに入る。


霧峠から、車のデポ地までは距離7km、標高差約500mだ。平均勾配7%程になる。

ワクワクするようなダウンヒルが始まった。


ダートと言ってもいろいろある。

舗装路みたいなダートから、岩だらけの荒れたダートまでレベルも様々だ。

そんな中でこの下りはとても走りやすく、そしていい緊張感が連続する素晴らしい下りだ。


落葉で路面が良く見えないが、それほど障害物は隠れていない。

気持ちよく落葉を踏みしめながら、かなりのスピードでコーナーを抜けていく。


次々と下ってくる面々を撮影する。

撮られる方も要領を得ていて、見事な間隔で登場してくる。

クールに画面から去っていく人もいれば、大きな声で賑やかに通り過ぎる人もいる。


下るにつれ、さらに走りやすいダートに変わってきた。

落葉も小石も少なくなり、良く締まった良質のダートとなってきた。


一気に下るには内容が濃すぎる。途中で休憩したくなるほど充実した下りだ。

あまり飛ばしすぎると、先頭と後続が離れすぎてしまうので、適度に小休止が必要だ。


立ち止まってみればこの美しさだ。

このツーリングの最後を飾るのに十分すぎる紅葉だ。


対向車は一台も来ない。安心してさらに気持ちよく下っていく。

そろそろ終盤。間もなく車道と合流する辺りで、やっぱり出ましたか、パンクだ。

まあこれだけのダウンヒルを楽しめば、パンクするのも仕方がない。


一番細いタイヤで攻めていたから、やはり少々無理があったようだ。

日も落ちてきたがすぐに修理して復帰する。


しかし急いで修理した影響か、再びエアー漏れだ。

だがデポ地までは歩いてもわずかだ。そのまま歩いてゴールインとなった。

いい時間にゴールできた。もう少しのんびりしていたら、ダウンヒル途中で真っ暗になっていたかもしれない。


最後は日帰り温泉で汗を流し、高速の渋滞を避けるためにひと眠りする。

自分はさらに明日もMTBで峠越え予定だ。適当な所で車中泊するため、皆さんとはここで別れる。

二日間、素晴らしい天気とコースに恵まれた、最高に楽しい紅葉ランだった。


 
距離: 31.8 km
所要時間: 6 時間 37分 00 秒
平均速度: 毎時 4.8 km
最小標高:  541m
最大標高:  1065m
累積標高(登り):  910m
累積標高(下り):  910m

(2005/11/13 走行)


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