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2006年6月3日(土)


素晴らしい朝を迎えた。

車内から外へ出ると、息を飲むような絶景が広がっている。思わず「スゲー!」と声が出るほどだ。

快晴の天気に恵まれ、朝の澄んだ空気の中で眺める残雪の北アルプスの姿は鳥肌ものだ。


2003年の5月に初めて訪れた岩蕈山。その時の感動を再び味わいたく、またしてもやってきた。

前回は下から岩岳スキー場を延々登ったが、その過酷さは異常だった。

そこで今回は、登れるところまで車で行き、そこからスキー場へ登ることに。


車が通れるほどの山道がしばらく続いているが、さすがにこの先は真面目に走ろうと車を降りる。

路面はふかふかの、コルクの上を歩いているような感覚だ。

迫力ある景色が目の前に現れる。そのスケールの大きさに腰を抜かすほどだ。


前回の時と同様、登れば登るほど視界が開けてくる。

昨日の小熊黒澤林道からは楽しめなかった残雪の景色が、いやというほどの近さで迫ってくる。


シーズンオフのスキー場は誰もいない。どこを見渡しても動いているのは自分の姿だけ。

こんな贅沢はここでしか味わえないだろう。

ピークまで押し上げる。途中まで車で来ても、最後のピークまでの道のりはかなり厳しい。

たいした勾配に見えないゲレンデだが、周囲があまりに広すぎて感覚が麻痺してくる。


頑張って再びピークまでやってきた。懐かしい、大迫力の展望が大きく広がってくる。

前回はここで大展望を眺めながらランチタイムを楽しんだ。


今回はリフト乗り場に移動してランチタイムを楽しむ。

初夏を感じるような気温のなか、感動の時間が静かに過ぎていく。


ふと空を見上げてたまげた!青空に小さなものが無数に浮いている。

ありゃなんだ?と望遠レンズで覗いてみると、なんと色とりどりのパラグライダーではないか。


その数いったいいくつなのか、と数えることもできないほどだ。

一度にこんなに飛び立ったのか? お互いにぶつからないのか? 何かのイベントなのか? 

昨日の小熊黒澤林道で見たパラグライダーとは、あまりにもスケールが違いすぎる。


たっぷり大展望を満喫して岩蕈山を後にする。

車までのダウンヒルは豪快だ。ゲレンデの勾配は異常で、いくらでもスピードが出てしまう。

無理をしない程度にかっ飛ばして、あっという間に車に戻ってきた。


下界へ降りてくると美しい里山の景色が広がっている。

どこからでも写真を撮りたくなる美しい背景だ。


水田に映る残雪の北アルプス。

広角レンズでなければ入りきらないほどの眺めだ。


松川からの眺めも素晴らしい。

ついさっきまで、あの右手の山の頂上にいたのかと確認する。


そして観光名所の大出の吊橋へやってきた。

5月に来ると、残雪と桜の共演を見ることができるが、桜がなくてもここの美しさはさすがだ。


車に戻って日帰り温泉で汗を流す。そして今夜も昨日と同じ場所でキャンプだ。

明るいうちにキャンプサイトを作って、今日はゆっくりキャンプを楽しむことに。


次第に暗くなっていく空を眺めながら、その美しい色彩の変化を楽しむ。

徐々に山がシルエットとなっていく。自然が奏でる大迫力画面の映画を見ているようだ。


ネイチャーストーブの兄貴分を組み立て、炭や枯れ木で焚火を楽しむ。

好きな音楽を流し、炎を眺めながらのキャンプは、究極の癒しだ。

今日も素晴らしい一日だった。

やはり、このカーサイ&キャンプ&車中泊に勝る旅はないだろう。

(2006/6/3 走行)


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