峠への招待 > ツーリングフォトガイド > ’2006 > 鳥居峠・権兵衛峠
今年最後の紅葉を求めて、奈良井へやってきた。 いい天気になった。「水辺のふるさと ふれあい公園」に車を置いて、早朝の奈良井宿を散歩する。 |
観光地の散策は早朝がいい。静寂の町並み、車も通らず、誰の姿も見えない。 観光客がいないと、これほど美しい景観なのかと初めて気が付く。 |
柔らかな朝日が注ぎ込む。朝の冷気が次第に暖まってくる。 奈良井宿は日本最長の宿場町だそうだ。約1kmにわたって情緒ある町並みが続いている。 まるで時代劇の撮影所にいるような、そんな錯覚を感じる。 |
朝の気持ちいポタリングを終えて、さて本格的な峠越えに向かう。 明るい日差しが差し込み、赤や黄色に色づいた葉が青空に浮かぶ。 |
奈良井宿のはずれから鳥居峠への道が始まる。石段を押し上げて山道に出る。 鳥居峠まで2kmの案内と、「下る 奈良井宿」「上る 鳥居峠」の石碑が導いてくれる。 |
峠への道は石畳だが、とても広く開放感がある。ただし石畳の上は乗車するには不向きだ。 ここはゆっくりと自転車を押して、雰囲気のある峠路を味わおう。 |
とにかく明るい峠道だ。美しい紅葉に包まれ、明るい日差しを浴びて最高に気分がいい。 まだ時間も早く、訪れる人も誰もいない。風もなく、静かな峠路をひとり静かに歩く。 |
小さな木橋を渡った先に小屋が見えてきた。 「中山道 鳥居峠 中の茶屋」と記されている。 |
こんなところに茶屋跡があるとは驚いた。峠越えの最後の休憩場所だったのかもしれない。 紅葉の峠越えの写真としては、なかなか素晴らしい構図だ。 お茶でも飲みたいところだが、まだスタートして間もない。そのまま峠を目指す。 |
あまりにきれいで、鮮やかで、眩しいぐらいの秋の色だ。 写真ばかり撮っていて、なかなか前に進めない。それほどいいタイミングの時期に訪れた。 |
上を見上げると、これまた抜けるような青空だ。 今日はデジタル一眼なので、何かレンズの性能を競うような、色彩豊かな景色が続く。 |
鳥居峠に登り詰めると、目の前に大きな展望が開ける。 電柱、電線などがちょっと雰囲気を壊しているが、眺めはなかなかいい。 峠には中山道の詳しい解説が整備されていて、訪れる人にはありがたい。 |
鳥居峠まで、奈良井宿の入口から約200mの標高差だ。 峠越えとしては短いアプローチだが、なかなか内容の濃いコースだ。 危険な所もなく、ランドナーでも十分越えられる峠だ。やはり天気のいい秋におすすめだ。 |
峠からの下りも味のある山道だ。展望も良く、明るい林道をゆっくり下って行く。 途中に「熊除けの鐘」があった。「熊も人が恐いのです。鐘で知らせてあげよう。」と書かれていた。 さっそく鐘を鳴らしてみると、かなり大きな鐘の音が周囲に響き渡った。 |
下りも紅葉を味わいながらゆっくり下って行く。 登りも下りも最高だ。本当に、なんて素晴らしい峠路なのだろうと思いながら峠を下りきった。
まだ時間は昼前だ。今日はこれから車で移動して、権兵衛峠へ挑戦してみようと考えていた。 |
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本日第2ラウンド。午前中に鳥居峠を満喫し、午後から車で移動して権兵衛峠に挑戦する。 やはり車があると便利だ。おいしい所だけをつまみ食いできる。午後はまさにそんなプランニングだ。 |
権兵衛峠の真下をトンネルで抜けて、「みはらしの湯」に車を置いてスタート。 一応権兵衛峠に挑戦する気持ちだが、果たして行ってみないとどうなるかわからない。 場所も雰囲気も変わり、新たな気分で走り始める。こちらも秋景色が美しい。 |
北沢川に沿って緩く登って行くと、「信濃路自然歩道 権兵衛峠ルート」の案内が現れた。 権兵衛峠までのルートが詳しく描かれている。とても見やすい案内図で、デザインの良さに感心する。
時刻は12:50.。日没までの時間を考えても、余裕はないがなんとか越えられそうだと計算する。 |
素敵な小道が続く。朽ちた小屋の屋根がイチョウの落ち葉で黄色に埋め尽くされている。 権兵衛峠はいつか越えたいと思ってきた峠だけに、ますます気分も高まってくる。 |
案内図から10分ほどで舗装路は終了し、いきなり通行止めのゲートになってしまった。 権兵衛峠への大きな案内が建っているが、これはちょっとマズイと直感する。
もう少し難易度の低いルートを予想していたのだが甘かった。下調べが足りなかった。 |
天気は十分だが、時間的に少々不安が残る。さらに食料が乏しい。果たして行けるか?・・・ 無理してないか? 危険はないか? 出直した方がいいのではないか? 標高差500mの山道は結構ハードだ。
しかしソロだ。この状況でソロは危ないかもしれない。やはりここは出直すべきだ・・・と判断。 |
やはり今日は欲張りすぎた。鳥居峠だけで十分だった。 権兵衛峠は、しっかりと計画を立てて、装備も時間も万全で挑戦するべきだろう。
諦めたとなれば、あとは呑気なポタリングに早変わりだ。 田んぼに座り込んで、暖かい日差しの中でランチタイム。猫ちゃんにいわしの缶詰をあげたら大喜び。 |
毛並みのいい、飼い猫ちゃんのようだ。 缶詰をペロリとたいらげ、その後いつまでも顔を洗っていた。 よっぽどおいしかったのだろう、最後はこちらに「うまかったぁ」という顔を見せていなくなった。
今日は午前と午後で二つのツーリングを味わった。なかなか忙しかったが、楽しい一日だった。 とにかく好天に恵まれ、最高の秋のツーリングを満喫できた。権兵衛峠は、また次の機会に訪れよう。 |
(2006年11月4日 走行)
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