峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2009 >  十谷峠・奈良田温泉




秋の紅葉・温泉1泊2日のツーリング。

今回は6名で、山梨県の十谷峠、奈良田温泉、丸山林道を周回してくる。


初日は道の駅からスタートして、十谷峠を越えて奈良田温泉に泊まる。(青コース)

二日目は、奈良田温泉から丸山林道を経由して道の駅に戻ってくる。(赤コース)


2009年11月22日(日)  道の駅しらね 〜 十谷峠 〜 奈良田温泉


「道の駅しらね」にカーサイ、輪行で合計6名のメンバーが集まってきた。

天気もよく、晩秋の林道と秘境の温泉を満喫する、二日間のツーリングがスタートした。


プロローグは、足慣らしとばかりに国道を快走する。

高速道路の橋脚に沿った道は交通量も少なく、また歩道も広くて走りやすい。

富士川沿いに走るようになると、十谷峠への分岐も近い。


鬼島の分岐まですでに走行距離15km。ようやくここから峠路へと入っていく。

さて、峠までどれぐらいで行けるか、予定時間を確認して本格的な登りがスタートする。


いきなり手応えのある登りが始った。峠まで約18km。平均勾配約7%の登りがずっと続く。

さっそく地元の子供たちの声援を浴びる。

「どこまで行くんですかぁ〜?」「奈良田温泉までだよ、行ったことある?」「どこだかわかんな〜い」


GPSの標高366m。十谷峠までは、ここからたっぷり1100mも登ることになる。

距離は長いが、一つの峠を延々と越える、わかりやすく古典的な峠路だ。


多少交通量はあるが、道幅が広く舗装が綺麗なので走りやすい。

低いギヤでくるくる回しながら、晩秋の峠路を登っていく。

大柳川に沿った道は、次第に山深くなり、ぐんぐん標高を稼いでいく。


神社やお寺がいくつか点在している十谷集落で休憩。

国道から峠路へ分岐してまだ300mしか登っていないが、すでになかなかの手応えだ。

いよいよこの先から本格的な林道が始る。


冷たい飲み物を手に入れようと、温泉宿まで下って買いに行く。

11月も後半だが、さすがにこれだけ登れば暑くなってくる。

冬支度の荷物が何かと邪魔になる時間帯だ。


最後の集落を過ぎると、一気に寂しい風景に変わってくる。

もうこの先は人家もなく、無人地帯が続く。

標高800mに近づくと、「銚子口二段の滝」が現れる。辛い登りの中、一服の清涼感を味わえる。


その先の分岐から十谷峠方面は、大きなゲートで通行止めになっている。

「法面崩落のため 路肩決壊のため 通行止め」と書かれている。

申し訳ないが、いつものように見なかったことにする。


何とも味のある、魅力的な林道だ。変化に富み、刻々と変わる風景や地形がとても刺激的だ。

トンネルもある。「十谷隧道」と刻まれた銘板が歴史を感じさせる。

いったいどこが通行止めなのかと不思議に思うほど、自転車にとっては快適な林道が続く。


路面も安定した舗装路で、きつい登りもなんとかローギヤで登っていける。

やがて、ぽっかりと富士の姿が見え始めた。


標高が高くなり、展望が開けてくると雲の上に富士山の頂上が浮かんできた。

やっぱり感動的な瞬間だ。こうした眺めが峠越えの途中で出会えるだけで元気をもらえる。


すでにエネルギー不足。峠で昼食というわけには行かず、林道の途中でランチタイムとなった。

誰も来ないし、車ももちろん通らない。林道の小脇で、地べたに座って始めだす。

12月も目の前となれば、体も冷えるとすぐに寒くなる。防寒具を着て、得意のメニューを披露する。


峠まではもう少し。食後、荷物も減って軽量化し最後の踏ん張りで登っていく。

幸いなことに、林道は多少小石は散らばっているものの、一つも荒れていない。


押して歩くような所はほとんどなかったが、
それでもやはり峠までは厳しい登りだった。

15:00 目の前にまた通行止めのゲートが見えてきた。ここが十谷峠だ。


峠まではずっと舗装だったおかげで、乗車率も高く順調に登りきることができた。

それでもやはり、距離も長く時間もかなりかかってしまった。

この季節にしては、もうぎりぎりの時間といってもいいだろう。


標高1476m 15時を過ぎれば気温もかなり下がってきて、止まればすぐに寒くなってくる。

あまり時間に余裕がないが、全員そろって一息つく。そして下りの準備を整える。

持ってきた防寒具を着こむ。薄手のダウンジャケットがここぞとばかりに役にたつ。


路面はダートに変わった。

見上げれば南アルプスの山は、うっすらと白くなっている。
もう、今年も最後の峠越えになるだろう。

天気は薄曇りになって、さらに寒さが増してくる。


かなり荒れた林道になってきた。山の斜面も所々崩れかかっている。

ガードレールも落石でかなり損傷を受けて傷だらけだ。

もう少し条件が悪ければ、こんな簡単に下っていけなかったかもしれない。


ゆっくりと前方のラインを確認しながら、中腰状態で下っていく。

スピードが出せず、ブレーキレバーを握りっぱなしだ。エンジンブレーキが欲しくなる。


久しぶりのダートのダウンヒルは、とても緊張するがスリリングで面白い。

ずっとこんなダートが続くのかと思っていたら、すぐに完全舗装の下りに変わった。


道幅もあり、真新しい舗装路でかなりスピードも出る。対向車が来ないのがとにかくありがたい。

しかしカーブがきつく、小石が転がっているコーナーもあるのでかなり危険な下りだ。

そんな
豪快なハイスピードダウンヒルの姿を紹介しておこう。


峠から一気に900m近く下れる豪快なダウンヒルだった。

ダウンヒル好きには魅力たっぷりの、テクニカルな下りだろう。


下りきると緊張感がほどけて、思わず”ふぅ…”と溜息が出るほどだ。とにかく凄いダウンヒルだった。

時刻は16:00 そろそろ暗くなる。どうやら宿に着くころには真っ暗になりそうだ。


奈良田温泉までは再度登り返さないとならない。ダラダラとした登りに加え、トンネルがいくつも続く。

途中の酒屋で二次会用の買い出しは忘れない。


すっかり真っ暗な中、ライトを点けて奈良田温泉に到着した。

時刻は17:40になろうとしていた。よく走り、なんとかぎりぎりの時間に到着できた。


満足感に満たされていた。登りも手応えあったし、下りも感動ものだった。

それにしてもよく登った。大きなトラブルもなく、全員よく走った。


さっそく部屋で乾杯だ。いやぁ、この一杯がとにかく旨い!

その後は延々と食べて、飲んで、笑って、語って・・・最後はバタンキューとなりました。


 

距離: 55.5 km
所要時間: 8 時間 05 分 00 秒
平均速度: 毎時 6.8 km
最小標高: 237 m
最大標高: 1473 m
累積標高(登り): 1589 m
累積標高(下り): 1096 m

(2009/11/22 走行)


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