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2011年11月12日(土)


今回走ったコースの参考になるサイトがあったので、地図をお借りした。
(参照)https://www.bikebros.co.jp/vb/offroad/rindo/rindo-38/ 

今年のクラブラン初日は、新白河駅から鎌房林道、羽鳥湖を経由して湯野上温泉へ泊まる。

羽鳥湖では、工事現場の通行止めで大変なトラブルが発生することになった。


7名全員が輪行で新白河駅に集合してきた。

輪行方式もいろいろ。それぞれの輪行方法を見ていると、とても面白い。


今回特にたまげたのはこれ!ランドナーでこんな輪行方式見たことない!

「何これ? 盆栽?」 よくまあ輪行袋に入りますね・・・


記念写真を撮るのにいい場所がなかったので、止まっていたタクシーのトランクに三脚を置いて撮影! ひどいね!

おかげで、ちょうどいい高さで写真が撮れました。運転手さん、勝手に撮ったけどありがとう。


薄曇りだった天気も急回復して、太陽が顔を出し始めた。

11月も中旬ということで、冬山対策をしてきたけれど、気温がグングンあがってきた。

交通量が結構ある車道を、まずは快調に走り始める。さあ今日から2日間、どんなクラブランになるか楽しみだ。


暑くて小休止だ。全員どんどん脱ぎ始めて、すでに半袖状態のメンバーもいる。

冬用のシャツがやたら暑くてまいった。さらにダウンまで持ってきてしまった・・・

汗がダラダラ流れ、すでにハンカチで額を拭うほどだ。ちょっと想定外の気温に体が追いつかない。


この辺りはいくつもの林道が走っていて、今日のコースもその林道をつないで走っていく。

国道から雪割橋方面へ分岐すると、道路脇に「甲子林道起点」の標識が建っていた。

さあここから林道走行をたっぷり楽しむことができる。


雪割橋は紅葉の名所だ。橋の上からの絶壁と紅葉の調和が素晴らしいらしい。

見頃は10月下旬〜11月上旬ということで、だいぶ色褪せてきてはいたが、それでもやはり美しい眺めであった。


雪割橋を渡ると、道は左右に分岐する。

右は「林道 西の郷線 起点」になっている。我々は左の激坂を登っていく。

雪割橋は多くの観光客で賑わっていたが、すぐに静かな林道の世界に入っていく。


周囲は広大な牧場風景が広がってくる。なかなかのスケール感だ。

広くまっすぐな農道が続く。牛でも放牧されていたら、北海道と言ってもいいぐらいだ。

暖かな気温とこの開放感抜群の眺めに、もう全員ウキウキ気分だ。


間もなく本格的なダートの林道が始まった。

エアーの調整をして準備するが、すぐに乗車できないほどの荒れ具合になってきた。

大きな玉石が行く手を阻む。乗ったところですぐに足を着くばかり。


いい雰囲気になってきた。

明るいし、道は広いし、なかなかこうした本格的な林道も少なくなってきたので、押していても実に楽しい。


ガタガタ走っていたら、ガード裏の電装コードが剥がれてしまって応急処置。

さすが準備がよく、持ってきたガムテープで簡単に修理完了。ツーリングにはガムテープは必須ですね。


ダートの走りは結構体力を使う。そしてこの気温で汗だくだ。

ついに自分も山シャツを脱いで、半袖姿で走る。それでもまだ暑いぐらいだ。


鎌房林道から西部林道へ入る。

路面も安定してきてかなり走りやすくなってきた。


標高1000m付近でピークを迎えると、道は緩く下り始める。

そろそろお昼の時間も近づき、すでに空腹だ。さてさてどこで昼飯にしましょうかね?


ダートの林道を抜けるときれいな舗装路が現れ、広大な敷地の羽鳥湖スキー場に出た。

まもなく時刻も1時になるので、昼食はここに決定。

シーズンオフで全く人の姿が見えない。建物が色々あるが、当然すべて閉まっている。


楽しいランチタイムになると、雲行きが怪しくなってきた。

あれほど暑かった気温も下がり始め、上着を着て温かい料理をいただく。

ゲレンデをバックに、いいおじさんたちが輪になって食事する光景はクラブランならでは。


ここまで順調。この先はずっと下り基調なので余裕だ。

たっぷり1時間のランチタイムを楽しみ、今度はしっかり着込んでスキー場を後にする。


暑かったり寒かったり、半袖になったり防寒具を着たりと忙しい。

下りに入ると、さすがにこの季節だけあって空気が冷たくなってきた。


その先、羽鳥湖の手前は広大な別荘地になっている。

すでに別荘が所々建っているが、まだオーナーの名前だけの区画も多い。

そんな中、「あれ? この名前は?」と見つけたのがこの区画。


なんと、こんな所に”あの”人の名前があるじゃありませんか! 一同ビックリ仰天!

別荘を建てる予定なのでしょうか? それとも投資目的? それにしてもうらやましい〜


日が陰ってきてだいぶ寒くなってきた。

今日もあとは羽鳥湖沿いに国道へ出て、温泉宿までの下りが待っているだけ。


時間的にも余裕があってのんびりムードで走っていくと・・・おっと、予定外の通行止めの案内だ。

担当の人にいろいろと状況を聞くがよくわからず、結局行ってみないことには我々は納得できない。


まあ、いつものよくあるパターンだ・・・とりあえず何とかなるでしょうと先へ進む。

通行止めのおかげで、静かな湖畔の道を気持ちよく走っていく。

なんだよ、いい道じゃないの! いったいどこでどんな工事しているんでしょうね?


ダメダメおじさんとの死闘


あれ? もうすぐ国道に合流するんですけど・・・というあたりで大事件に出くわした。

ここでの我々の行動は決して許されることではないが、我々も無理難題をお願いしたわけではない。

結果として、何事もなく無事に片付いたけれど、当時の工事関係者の皆様には大変ご迷惑をおかけしました。

 


やたらと道がいいな?と思っていたら、アスファルト舗装の工事中だった。

するといきなり目の前に大型重機と、多くの工事関係者が現れた。

皆驚いた顔をして、なんでここまで来たの? さっきの通行止めで止められなかったの? って感じ。


ここから両者の大激論が始まった。これはツーリング史上記録に残る大変なバトルになった。

最初にもめたのは、今舗装中なので一切通ることはできないとのこと。


重機の先は、舗装したての綺麗なアスファルト道路が続いている。

もう作業も終了?している感じで、端っこでも通してもらえないかと交渉する。

しかし、とにかくこの責任者は「ダメダメ!」の連発。何一つ聞く耳持たず「ダメダメ!」


右手で「ダメダメ!」、左手で「ダメダメダメ!」、一回転して「ダーメダメダメ!」

そこの端っこ行きますから、と指さしても「ダメダメ!絶対ダーメ!」


さらに、この先へ行ってもダムの所が3mも下がっていて通れない、と言ってきた。

「なぁ、あそこは通れないよな?」と仲間に確認すると、うんうんとうなづく。


「何なら担いで川の中を行ったっていいですよ!」、なんて言っても「ダメダメ!」

ここを通らないと宿に行けないと訴えるが、何一つ聞いてもらえず、すべて拒否。参った。


詳しく聞いているうちに、ダメな個所は国道に合流する最後のダム地点だけのようだ。

我々にとってはたいした難所ではなさそうだが、現場の人にとっては安全面から通すわけにはいかないだろう。

しかしここの現場の人も、ダム工事現場の詳しい状況までは把握していないようだ。


さすがに我々もここでUターンとなると、大幅な予定の修正が必要になる。

すでに時刻は15時になる。これから戻って新たなルートで宿へ向かえばナイトランは必死だ。

工事が終わる日没まで待つか? なんて究極の作戦も考えたが・・・


なんとしてもここを通してほしい。国道までは目と鼻の先しかない。

納得できないメンバー二人が、舗装は歩かず端っこを行きますからと宣言して、なんと自転車を担いで強行突破!

さすがにそう言われると誰も止められず、他のメンバーもちょっと様子を見てきて、と調査をお願いする。


やはり
自分の目で確認しないことには納得できない面々なのだ。

残ったメンバーはすでに諦めモード。しょうがない、宿に電話して遅くなる旨を伝えようかと思っていた。

そこに突破した二人からすぐに電話がかかってきた。


なんと!簡単に国道に合流できたとのこと。あまりのあっけない報告に信じられない面々。

なんだ? いったいどうなっているんだ? と今度は諦めの境地から一転、歓喜に変わる。

工事現場の人に、「なんか簡単に国道へ出れたそうですよ・・」と伝えると、もう誰も反論してこなかった。


とりあえず、舗装したての場所は避けて担いで通り抜けた。まだ路面が温かい状態だった。

その先すぐに問題のダム工事現場が現れた。たしかに3mほどの段差があるが、何のことはないレベルだ。

心の中で申し訳ありません・・・という気持ちで通り抜ける。ホントですよ、無理言ってすみませんでした。


正面に見えるのが国道。この部分の工事が未完成のため車両は一切通行できない。

遠くで作業している作業員が、何だ?何だ?という驚きの表情でこちらを見ている。


責任者らしい人が、遠くで何やら電話しているような姿も見えた。

きっと、舗装現場の人に電話しているんだろうな・・・

なんで通したんだ、バカヤロー!!」と、怒られているんだろうな・・・きっと・・・スミマセン。


ちょっと担いで土砂の山を降りれば終わりだった。これ以上もめたくないので、さっさと現場を通り過ぎる。

今日は土曜日で工事現場は休みではなかったようだ。これが日曜日だったら、きっと簡単に通過できただろう。


国道には突破したメンバーの姿が小さく見えた。とにかくこの二人のおかげで全員救われた。

本当に工事中だったのは最後の100mほどで、それ以外はほぼ問題ない状況だった。

無事に通過できた後になってみれば、もう少し我々の話も聞いてほしかった、という思いもある。


あらためて現場の地図を見てみると、ここまで来たのに戻れ、というのも酷な話だ。

とりあえず無事に通り抜けることができてよかった。申し訳ないという気持ちと、喜びで複雑な心境だった。



大事件だった。こんな大きなトラブルは初めてだった。その後しばらくはこの話題でもちきりだった。

さあ、あとは宿までフィナーレのダウンヒルだ。気分一新、気持ちよく下っていく。


16:20 湯野上温泉駅到着。難所を突破したら、今度は宿到着が早すぎるので駅で小休止だ。

ゆとりがあったり、絶望したり、そして早すぎちゃったりと、なんて今日はいろいろなんでしょう、まったく。

16:30には宿に到着することができた。こんなに早く宿に到着した紅葉ランも珍しい。


宿には別行動の二人が到着していて、合計9名の賑やかな宴会が始まった。

とにかく今日の話題はあの出来事に尽きる。


「この二人のおかげで、こうして美味しいビールが飲めるんです!」

「ホント、ありがとう!」と皆で褒めちぎる。

あそこで撤退していたら、今頃まだ林道を走行中だったろうな、と思うとぞっとする。


とにかく、思い出に残る大事件、珍事件であったことは間違いない。

二次会になっても今日の話で盛り上がる。こうしてクラブラン初日は大爆笑の中で終了した。

 

距離: 56.9 km
所要時間: 7 時間 40分 00 秒
平均速度: 毎時 7.4 km
最小標高:  378m
最大標高:  1007m
累積標高(登り):  735m
累積標高(下り):  693m

(2011/11/12 走行)


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