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林道好きには有名な御荷鉾スーパー林道。ハードかつ長大な林道として人気がある。

今年の秋の紅葉クラブランは、御荷鉾林道を巡る一泊二日のツーリングとなった。


総勢13名。輪行組、カーサイ組、それぞれ自由な行程で本日の宿に集合してくる。

まずは本隊輪行組5名と、カーサイ組2名が群馬藤岡駅に集合。


高崎駅で乗り換え番線を間違えたKさんは、新町駅から自走で追いついてきた。

なんだか今回も、スタートからトラブルに見舞われそうな気配だ・・・
 


御荷鉾林道はまったく食料調達ができない。かなり真剣に装備を整えておく必要がある。

まずはコンビニでしっかりと補給し、市街地を抜ける。

林道に入るまではほとんど勾配もなく、好天の中気持ちよく快走する。
 


神流湖への分岐を左へ入ると、いよいよ厳しい登りが始まる。

路面はきれいな舗装だが、とにかく勾配がきつい。

林道入口から最初の1.7kmで232m登る。平均勾配はなんと13%以上だ。
 


当然ほとんど乗車できない。まだまだ序盤戦なのに、いきなり押しとは先が思いやられる。

少しでも乗車しようと頑張るが、なかなか厳しい登りが続く。
 


いつも健脚のメンバーも、この登りはさすがに押さざるをえないほどだ。

車が来ないのが唯一の救いだ。ハーハーヒーヒー言いながらじりじりと進む。
 


美原トンネルまで約4km。平均勾配9.4%。なかなか手強い登りだった。

まだまだ全行程の1/3ぐらいだ。残り距離40km、あと900m登らないといけない。

やはり一筋縄ではいかない長大な林道だ。
 


時刻は12:00 法久(ほっく)峠地蔵尊到着。そろそろ空腹になってきた。

ここはちょうど分岐地点になっていて、駐車できる広場で昼食にする。

まだまだ先は長いが、重量軽減のためにも早めに食べた方がよさそうだ。
 


さっそくいつものように陣取って、各自好きなようにランチタイムの開始。

すると、そこに現れたのが単独で登ってきたSさんだ。ここで本隊に合流して8名が揃った。


初対面のメンバーもいるのでご挨拶・・・と、足元をよく見ると何やらガムテープが・・・

どうしたのかと聞けば、かかとのソールが剥がれた・・・とのこと。


ガムテープを手に入れ、なんとか応急処置をして登ってきたらしい。いやはや、たいへんでしたね。

なんだかSさんも今回、不吉なトラブルの予感がぷんぷん・・・
 


すっかり体力も回復し、お腹も満たされて走り出す。

のんびりしていると日没になっちゃうよ・・・とわかっていながらSさんのサンジェに盛り上がる。
 


走り始めてすぐに、またSさんの靴修理だ。今度は右足もグルグル巻きにしている。

まあ、片方だけじゃバランス悪いから、両方巻いたほうがいいかも・・・ね。

これで二日間耐えられるのでしょうか?
 


石神峠を過ぎ、標高も900mに近づくと、大きく南面の展望が広がってくる。
 


一旦勾配も緩くなり、呼吸を整えることができる。

まだまだ日も高く、余裕の表情だが、次第に疲労感も増してきた。
 


14:05 標高1015m 投げ石峠到着。残り距離33km 残り標高500m。

だいぶ危ない時間になってきた。とにかく先を急ぐしかない。
 


14:40 標高1073m 塩沢峠到着。影がだいぶ長くなってきた。

ここからも大展望が広がる。時間があればのんびりとお茶をしたくなる見事な眺めだ。
 


標高1100mを越えると、ついにダートが現れた。

小さな砂利なので走りやすそうだが、踏み込むとグリップを失ってバランスを崩す。
 


次第に時間に追われるようになり、余裕がなくなってくる。

この時間になって、再び厳しい登りになった。

みかぼ森林公園管理棟までの登りは7〜8%の勾配だが、ダートと疲労で脚もすでにギブアップ状態だ。
 


管理棟でトイレを借り、小休止してすぐに走り出す。気が付けば周囲は見事な秋景色。

日が傾き始めた。日没までに八倉峠まで行きたい。再びペースが上がる。
 


標高1370m かなりピークに近づいてきた。

明るいうちに集合写真でも撮りましょう、とだいぶお疲れの様子だけど笑顔でパチリ。
 


もうひと頑張りだ。なんとか明るいうちに、と皆無言で登る。
 


一旦下って、いよいよピークも間近だ。

いいペースで頑張ったおかげで、多少笑顔もでるが、まもなく暗くなり始めようとしている。
 


穏やかな、美しい展望だが、すでに16時を過ぎている。この時間に、この標高にいては危険だ。

この先何もトラブルがないことを願いながら、しばしの空中散歩を楽しむ。
 


16:42  本日のピークを越え、杖植峠から下りに入る。

さて、ここからが肝心だ。最後の締めこそ大切だ。


八倉峠が崩落で迂回路があると調べてきたが、この目で見てみないことには安心できない。

最後の最後に崩落個所があるなんて、やっぱりこの林道は甘くない。
 


まもなく日が沈む。時間に追われ、自然とスピードが上がる。
 


やはり、ノントラブルというわけにはいかなかった。

下り始めて数キロの地点で、Kさんがパンクだ。まあ、こんなダートならよくあること。

ちょうどいい休憩になっていいや、なんて余裕で手早くパンク修理。


Kさんだけかと思ったら、あのSさんもエアーが抜けているというトラブル発生。

パンクではなさそうだが、とりあえずエアーを入れて走り出す。


おいおい、やっぱり予感が当たってきた・・・

乗り換えKさんと、ガムテープSさんがこの場でパンクに見舞われた!


さらにKさんはその後二度目のパンク。これで完全に日没に突入。

ご覧の通り、ライトの光を浴びながらのパンク修理となってしまった。
 


17:42 真っ暗な中、八倉峠崩落個所の通行止め看板が現れた。

周囲は全く何も見えない。

崩落個所がどうなっているのか、ちょっと期待して見たかったのだが、何もわからない。


左側の迂回路を行くが、何が何だか全く分からない。いったい周囲はどんな状況なのだろうか?

八倉峠もまったく様子が分からない。右も左もわからず、ただポタナビの画面が方角を示してくれる。
 


ここからの下りは長く果てしなかった。

標高差500m 距離14km 1時間かけての闇夜のダウンヒルだった。写真も映像も残っていない。


これ以上のトラブルは致命傷になる。なんとかこのまま宿にたどり着きたいという願いばかり。

18:48 やっと宿に到着。


人工的な明かりが有難い。もう暗いのは勘弁だ。

宿の玄関には、別ルートのメンバー5名が首を長くして待っていてくれた。
 


宿に着いても慌ただしかった。

すでに時刻は宴会の時間だ。風呂に入る余裕もなく、大広間で大宴会の始まりだ。


無事に集合した総勢13名。あれこれ苦労話を語りながら、自転車の話が飛び交う。

ハードな一日に、何もかも充実感一杯だ。

いろいろトラブルもあったが、無事に全員集合出来て満足だ。
 


いつまでも尽きない楽しい宴会。

その後は部屋に戻って二次会がしばらく続くのでありました。
 

 


八倉峠 崩落個所 迂回路
 

 



 

距離: 63.6 km
所要時間: 10 時間 4 分 32 秒
平均速度: 毎時 6.3 km
最小標高: 84 m
最大標高: 1484 m
累積標高(登り): 1829 m
累積標高(下り): 1155 m

(2012/11/3 走行)


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