峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2013 >  宍道湖・一畑電車



今日のコースは、一畑電車に沿って宍道湖を巡る予定だ。

映画「RAILWAYS」の舞台となった一畑電車。

車内に自転車をそのまま持ち込めるというので、今日はぜひ乗って出雲大社まで行ってみたい。

「RAILWAYS」の映画を見たことがなかったので、出発前にDVDを入手して見てみた。

49歳で電車の運転士になった男の物語だが、中井貴一もいいし、風景、ストーリーもおじさんにはホッとする内容です。

こちらを旅するときは、ぜひこの映画を見てから行くとより思い出に残ることでしょう。


 

昨日は宍道湖畔のホテルに泊まった。

松江駅からタクシーでホテルまで輪行してきたので、朝はまずホテルの前で組み立てだ。

今日も朝から暑い。組み立てているだけで汗が流れてくる。

ホテルのすぐ目の前に宍道湖が広がる。

周囲45kmの大きな湖で、夕陽がとても素晴らしいらしい。

夕陽好きとしては、ぜひ一度見てみたいものだ。
(こんな夕陽が見れるそうです。きれいですねぇ〜)

 

本来、宍道湖をぐるりと一周したいところだが、うまい具合にコースを組み立てられない。

しかたなく、湖を一畑電車に沿って半周し、どこかで電車に乗車してみようということに。

 

まずは、松江しんじ湖温泉駅へ行ってみる。

どうやって自転車を持ち込むのかよく分からなかったので、駅で見学しようかと思ったが、残念ながら自転車の姿はなかった。

さて、一畑電車に沿ってポタリングの開始。

今日はずっと平行して走るため、何度も電車の姿を見ることができる。

撮影スポットで待ち構えたり、駅で電車のすれ違いを見たりと、ローカル線の眺めを満喫する。

 

下の写真は、映画で何度も出てくる伊野灘駅。

す〜んごいローカルな駅で、車では近づけず、徒歩・自転車でないと駅まで行けません。

周囲には民家が多少ありますが、駅前だ、商店だ、なんて普通の駅とはレベルが違います。

当然無人駅です。だ〜れもいません。人影も見えませんでした。

ホームの待合室には映画のポスターが貼ってありました。

 

 

伊野灘駅を過ぎると「出雲路自転車道」が始まる。

大きな看板が掲示されていて、全体のコースがわかりやすい。

こんな立派な自転車道があるとは知らなかったので、嬉しい誤算だった。

稲佐の浜まで30.9kmと記されている。

できれば、のんびりとこの自転車道を終点まで走りたいところだが、一畑電車にも乗りたいし、出雲大社にも行きたいし・・・

 

見どころがいろいろとあって、一日で全部巡ろうとすると時間が足りない。

もう一日あれば宍道湖も一周でき、夕陽も見て、出雲路を満喫することができるだろう。

今回の旅は、スケジュールびっしりで組まれているため予定変更がきかず、時間に追われる毎日だ。

 

 

 

斐伊川(ひいかわ)沿いの自転車道は、とてもきれいに整備されていて気持ちがいい。

道幅も十分だし、草刈も丁寧に行われている。そしてゴミひとつ落ちていない。

誰一人走っている人がいなくて、完全に貸切状態だ。申し訳なくなるぐらい贅沢な自転車道だ。

 

 


そろそろお腹が空いてきた。

宍道湖へきたら、絶対に「しじみ丼」を食べようと思っていたのだが、ちょうどお昼の時間に出会えるお店があるかないか、それが問題だった。

すでにここまで走ってきていて、近くに大きな街がない。

どこへ行けば「しじみ丼」が食べられるのだろう? と考えながら自転車道を行く。

食べて終わりであれば、お店を探して直行すればいいが、予定満載のため、コース上でいいお店に出会えれば一番望ましい。

雲州平田駅周辺を探してみたが、残念ながらしじみ丼に出会えず・・・次の街に期待。

 

(こんな感じなんでしょうね、しじみ丼、食べたかった・・)

 

 

どこで食べられるかな? 

どこから電車に乗ろうかな? 

出雲大社見る時間は何分あるかな?

今日の宿までどうやって行こうかな?

そんなことを考えながら、ポタナビでいろいろと検索しながら走っていたら、調子に乗ってずいぶんと走り過ぎてしまった。


結局しじみ丼には出会えず、出雲大社で昼食にすることに。

さあ、一畑電車に乗りましょう!

本日の最大の目的がこの「レール&サイクル」です。

サイクリストとしては、一度は乗っておかないといけません。

自転車をそのまま車内に持ち込めるというのは、日本中でもなかなかお目にかかれません。

川跡駅まで戻って、いよいよ初体験です。なんだか緊張します。

 

 

ホームで電車を待ちます。なんだか異様な光景ですが、地元の人にとっては、買物や通勤で当たり前なので別に興味もなさそうです。

電車が到着し、ドアが開いて、さあ乗り込みましょうと思ったら、すでにミニベロ2台の自転車があって満車状態。

こりゃどーすんべ? と悩んでいたら女性の車掌さんが、「後ろの車両から乗ってください」とのことで一人ホームを急ぐことに。

一気に車内から注目を浴びて恥ずかしいばかり。

やっと乗り込むと、今日は土曜日ということもあって、意外と乗客が多い。

自転車置き場があって、そこの手すりにハンドルを引掛けて終わり。

普通はベルトで縛るらしいのだけど、押さえているから大丈夫ですと言ってそのまま発車。

ママチャリや、買物・通勤自転車とは違う自転車が乗ってきたものだから、またまた注目を浴びることに。

まあ、それも悪くないなと、この貴重な体験をビデオに収めたり、写真を撮ったりと忙しい。

電車は結構なスピードで走り、上下左右に揺れまくる。しっかり押さえていないと自転車も倒れて危険だ。


しばらくして、カタコトの英語を話す外人さんが我が愛車をなめ回すように見てきた。
 
「ビューティフル!」と絶賛。ステム直付のベルを見たり、フロントバッグのALPSワッペンを見て感激!
 
どうやらアルプスを知っているようで、「カンダ、カンダ」と言ってました。

そんな、愉快で楽しい一畑電車「レール&サイクル」初体験でした。

 

 

出雲大社は、今年平成の大遷宮ということで、観光客でいっぱいだ。

お昼はここで食べようかと思ってたがトンデモナイ。

大型観光バス、車、バイク・・・とにかく人、人、人・・・売店、食事所は観光客で埋め尽くされています。

自転車を目立たないところに置いて、足早に出雲大社見学へと出発。

だいぶ時間に余裕がなくなってきて、出雲大社もゆっくり見ている余裕はなくなっていた。

なかなか来れない場所だけに、もっと時間をとりたかったがしかたがない。

足早にぐるりと巡って、急いで出雲駅に向かう。

 

今日もこれから木次駅まで輪行だ。

明日の予定が控えているため、今日中に移動しなければならない。

空腹のまま駅まで頑張って走り、ろくに食事も取れずに分解、16:34発の普通列車に乗った。

宍道駅で木次線に乗り換え、やっと本日のゴール木次駅に到着。

駅からはタクシーで本日の宿まで直行。

18時前、忙しい一日がやっと終わった。


 


 

距離: 65.4 km 
所要時間: 6 時間 12 分 21 秒
平均速度: 毎時 10.5 km
最小標高: 2 m
最大標高: 20 m
累積標高(登り): 84 m
累積標高(下り): 78 m

(2013/9/14 走行)


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