峠への招待 > ツーリングフォトガイド > ’2013 > 地蔵峠・川原湯温泉
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 八ッ場ダム建設の歴史に翻弄されてきた川原湯温泉街。来年には温泉街の営業も終了する。 
 群馬県の川原湯温泉宿泊助成事業として、事業説明会に参加すると、一人あたり3000円の宿泊料が助成される。 
 
今回は横川駅を起点とした左回りの周回コースだ。 | 
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 輪行、カーサイ、宿から自走、別行動で宿直行・・・メンバーが多くなればいろいろな走り方があって賑やかだ。 
 東京を出て高崎を7:30発の列車に一人乗りかえる。 
 
今日はいい天気になった。さてどんなクラブランになるのか楽しみだ。 | 
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 やがて、次第にメンバーが集まってきた。 
 
そこへ宿から自走してきたのが、この黄色い
走り屋Kさん。 
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 大所帯だ。これだけ大人数になるといろいろなことが起きる。トラブル発生確率も高くなる。 
 登りの上で様子を伺っていたが、どうやら何かトラブルらしい。すぐに携帯で電話してみる。 
 これは致命的だ。多少のトラブルなら何とかしてしまう面々だが、フリーの故障はさすがに厳しい。 
Sさんはカーサイなので、仕方なく車に戻ってその後サポートカーに変身・・・(おかげで助かった人が・・・) | 
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 残ったメンバーは「フリー」の話題で持ち切りだ。 いろいろな経験談を語りながら、ゆっくり地蔵峠への道を登っていく。 
 
確かに、不運のトラブルで残念だが、サポートカーがいるという安心感は計り知れない。 | 
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 峠の案内はないが、道幅も広く、明るく開けた峠だ。 
時刻はちょうどお昼。道路わきのちょっとした広場に陣取ってランチタイムとする。 | 
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 火器のある人ない人、簡単に済ます人、調理する人。人数が多ければいろいろな食べ方がある。 
しかし、ここは全員でゆっくりエネルギー補給と休憩だ。暖かい日差しの下で楽しいひと時を楽しむ。 | 
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 ラーメン、おでんがやはりいい。おでんの汁で棒ラーメンを作るのが、水を無駄にしないベテラン技だ。 
食料の準備は万全だけど、割り箸を時々忘れる人がいるから、いつも自分は予備をもってます。 | 
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 それにしても「芸術」ですね。唸っちゃいますね。 
ボトルを並べて記念撮影してみました。晩秋の素敵な一コマとしていかがでしょうか? | 
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 そこに現れた一人のサイクリスト。ランドナーにニッカスタイルだ。 
 「これからは君たちが伝統を守っていかなきゃだめだそ・・・」なんて言っていたんでしょうね、きっと。 
いつかこのホームページ見たらきっと思い出すでしょうね・・・すごい人たちなんですよ、このメンバー。 | 
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ちょっと気合を入れてペースをあげないと、いつものナイトランになっちゃう・・・ | 
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 スポーク切れだ。それもリア、フリー側だ。振れを取るために調整している。 
32Hのホイールで特殊な組み方をしているのが原因か? とりあえず調整して走り出すことができた。 | 
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 残りの距離を考えると、そろそろ日没ギリギリの時間になってきた。 
しだいに時間に追われるようになってきた。 | 
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軽いギアをくるくる回し、先頭を引っ張るI岡さん。それまでが嘘だったかのようなトレインを作ってます。 | 
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 このペースでいけば暗くなる前には宿に着ける・・・と安心していたのだが・・・ 
 リムがブレーキに当たって走行不能に。ここで回収となってしまった。残念です。 
次第に減っていく本隊メンバー。ゴールまであとわずかだが、いよいよ暗くなってきた。 | 
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 今自分たちがいる場所が、完全にダムの底に沈む絵だ。まったく想像ができない。 
 
あまりにスケールがでかすぎる、巨大な作り話としか思えない。それほどダムの建設は破壊力が凄い。 | 
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 この橋を見ると、本当に埋まってしまうのをさすがに実感する。 
 
誰もいないが、電光掲示板が賑やかに案内表示している。 | 
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 水没すると思うと、何もかもが愛おしく思えてくる。 
 
沈みゆく町。こんな姿を見るのも感じるのも初めてだ。重すぎる。 | 
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ちょうどここで、別行動のメンバーとも合流し、全員無事に宿に揃った。 | 
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 温泉街を覆う、冷たく巨大なコンクリートの眺めから、ようやく 地元の温かさに触れられたという感じだった。 
さっそく風呂上がりの乾杯だ。夕食前に次々ビール瓶が空になる。やっぱりよく走った日はビールがうまいね。 | 
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 これだけベテランが揃うと、まあ話は永遠に尽きない。さらに部屋に戻って二次会へと続く。 
 
思う存分飲んで食べて、いろいろな思いを抱きながら、川原湯温泉の夜は更けていった。 | 
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走った記録と、駅や宿の思い出に当時の地図を残しておこう。 | 
               
|  | ツーリング後5年以上経過してようやくこの文章を書いている。 当時は八ッ場ダムの歴史も、川原湯温泉の歴史も何も知らなかった。 やはりダムの歴史を知らないことには語れないと思って図書館で本を借りてきた。 都会の人間がひょいと訪れて、なんだかんだと語れるほど簡単な話ではない。 ダム開発には被害者と受益者がいる。我々都会の人間は恩恵を受ける受益者になるが、多くの人はダムに関心がない。 しかし、「コンクリートから人へ」という民主党政権のキャッチフレーズにより、多くの国民がこの八ッ場ダムに関心を持つことになった。 建設中止? 建設中止に反対? 一番の被害者は誰なのか? そしてこの問題は何だったのか・・・ ツーリングから5年経過して、すっかり川原湯温泉も変わってきた。 新駅もでき、移転した温泉街も蘇りつつある。今後、川原湯温泉はどう変わっていくのだろう。 ツーリングに行って、こんなに一生懸命勉強し直したのも初めてだ。 | 
               
| 距離: 
              55.0 km 所要時間: 7 時間 53 分 37 秒 平均速度: 毎時 7.0 km | 最小標高: 
              280m 最大標高: 706 m | 累積標高(登り): 1057 m 累積標高(下り): 872 m | 
(2013/11/23 走行)
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