峠への招待 > ツーリングフォトガイド > ’2014 > 桧原峠(旧米沢街道)
2014年11月2日(日)
各人色々予定があって、カーサイ組、輪行組と別々だ。
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この駅に降りるのは2回目だ。 「とうげ」の駅名が印象的だった。 |
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到着するとすぐに「とぉーげー、とぉーげー」の美声が響き渡る。 駅売り100余年「峠の力餅」の販売だ。
ここで降りたのは我々だけだった。初めて来た人は、この駅の作りに驚く。
適当な場所で組み立てる。皆さん、フォーク抜かない輪行だから組み立て早いですね。 |
この中に「晴男」がいるのか、あるいはこれはダマしか・・・ とりあえず、気分は上々。
あーだ、こーだ、これがそーなの、あれがこーなの? よって、なかなか走り出さない。いつものこと。
駅と呼んでいいのかどうか、まあ、一度行ってみる価値のある駅ですね。 |
ボトルに水を補給して、ようやく出発だ。
中には、スイスイと登っていく元気な者もいたが・・これがあとで・・あんなことになるなんて・・ |
冬装備で来た面々だが、気温も高く、すぐにシャツ一枚で十分だ。 まだまだ前半戦、時間も気にせず、愉快な仲間たちが蛇行しながら、そしておしゃべりしながら登っていく。 |
車と何台かすれ違ったが、駅へ行ってどうするの? 何もないですよ・・ ピークを越えて緩やかな下りになった。一気に気分は明るくなり、快適なダウンヒルの始まりだ。
年齢とともに、ダウンヒルも慎重になってくるのが普通なのだけど、この赤シャツのおじさんは別人みたい。 下ってきても、Uターンして登ってもう一度下りなおしたり、片手ピースサインでコーナーリングしたり、と無茶ぶりはいつもの通り。 |
自然と先頭が決まり、後方が決まる。気の合った仲間との走りには、いちいち指示やルールはいらない。 適当に放っておけば、勝手に自分で問題解決して追いついてくるから安心だ。
米沢駅にはもう一人のメンバーが待っている予定だ。 |
静岡からの参加で、車を宿に置いて白布峠を越えて我々と合流となった。
さすがに自転車が8台も並んでいては壮観だろう。それも皆ランドナーばかり。
さすがに目が肥えてるのか、光り物が好きなのか、いちばん高価な自転車をずっと眺めてました。 オランダから来たオーケストラメンバーだそうで、「Do You Know TOEI?」と聞いてみましたが、「No・・」と言われました。 |
EVERESTのことならここに来るしかないってぐらいの秘蔵品があるらしい。
そして、ランチは豪華に米沢牛といきましょう、という贅沢ツアー。 ナビに目的地をセットして直行する。 |
TOEI車8台がお店の前に並ぶ様子は圧巻だ。 さっそく店内に入らせていただく。
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ご主人わざわざショーケースから取り出して見せてくれ、総インチのパイプレーサーを詳しく解説してくれ。
歴史的なモノが数多く保管されており、よくぞここまでEVERESTを揃えたな、って感じだ。 |
この店の常連のお客さんが、ある雑誌で紹介されたTOEIの真っ白なミキストを見て、とにかく感動して、まったく同じ物を作りたい、とご主人にお願いしたらしい。 つい先日完成した写真を見せてもらったところ、なかなか素晴らしい出来栄えで、とても上品な1台に仕上がっていた。
ところが、メンバーのOさんが、
ご主人に聞いてみると、その雑誌のコピーを見せてくれた。
なんと、この雑誌のオーナー本人が目の前に現れてしまいました。 ご主人頑張ってパーツを集めたらしいのですが、どうしてもヘッドライトとボトルが揃わなかったとのことでした。 |
ご主人、デジカメであちこち写真を撮りまくる。 そのたびに「ほーぉ、へーぇ、はぁー、すごいなぁー・・」とため息ばかり。
最後はお店の前で全員で記念撮影。 そして、 おすすめの米沢牛のお店を紹介していただいてお別れしました。 |
果たして、この先予定は大丈夫か・・・少し心配になってきた・・・
と、そこは観光バスでやってくるほどの有名なお店。すでに順番待ちしている。 我々人数が多いもので、ここでもしばらく待つことに・・・いよいよ時間が危なくなってきた・・・・ |
さっそく皆さんの目の前にすき焼きが運ばれ、係りの人が作りはじめてくれる。おいしそうな米沢牛に全員見とれる。 「すき焼きにすればよかったなぁ・・・」「でしょー!!」とKさん。 そして全員にステーキ重御膳が揃いました。やっぱり、おいしいですね! 何も説明いりませんね! 見ての通りです。
さあ、お腹も満たされましたが、いよいよ残りの行程が心配になってきました。なんだかんだ、米沢に2時間近くいたことになります。 結局これが原因で、毎年恒例のナイトランとなるのでありました・・・ 綱木峠まで470mの登り。そこからいったん下って桧原峠まで530mの登り。この時間から合計1000mの登りが待っている。 ノントラブルで行けたとしても、峠には日没ギリギリの時間になってきました。えっ、まじですか・・・ そして、しだいに天気が怪しくなり始めました・・・ |
ペースを上げようと先頭は頑張りますが、後方はなかなかペースが上がらず。 それでも、皆頑張ってついていこうと、いよいよ真剣モードに。 いよいよ山道に入る。 結構ハイペースで飛ばしてきたので、すでに足がそれなりにいい感じに出来上がってきた。 ちょっと休みましょうよ・・といいたいところだが、この時間では誰も口に出せない。そう、余裕が全然なかった。 峠路はとても雰囲気のある、走りやすい道なのだが、余裕のない時にはそんなことを感じることもできない。 ペースを作る先頭は必死だ。自分の使命をわかっているから、無理してでも頑張る。なんとか皆ついて来て欲しいと願う。 しかし、前半戦で足を使ってしまったメンバーが、一人、二人と遅れだした。 まあ、それでも一息つけば全員集合するほどの遅れで、まだまだ全体のまとまりはしっかりとしていた。 |
ふと気づいて周りを見渡せば、素晴らしい晩秋の峠路だ。
路面は落葉で埋め尽くされ、その上を踏みしめるように進んでいく。 いくらか暗くなり始めたが、まだまだ周囲は明るく、よし、このペースで行けばなんとか日没前に着けるかもしれない、と希望がわいてくる。 綱木峠まででも結構辛かった。 せっかく登ったのだが、ここからいったん150mも下ってしまう。そして再び桧原峠への登りが始まる。 ハイペースの先頭のおかげで、無理してまで頑張ろうとする後方。まあ、時間のない時にはこうなってしまうのは仕方がない。 次第に、先頭と後方の差がどんどん開きはじめる。 2、3分待っていれば追いついた後方が、5分、6分待っても来なくなってきた。 そして、ついに雨が降ってきた・・・
時刻は15:30。 この時期のツーリングでは、もうフィナーレを迎えなければいけない時間だ。あと1時間もすれば周囲はかなり暗くなる。 しかし、ここからまだ500mの登りが待っている。いよいよ、本当に厳しい状況になってきた。 |
上下の雨具やシューズカバー、そして大事なバッグを守るためのカバーなど、皆さん雨にはホント慣れている。 特にバッグはしっかり守らないと後で大変なことになりますよね。 朝の、あの晴天はいったいどこにいったのやら。やっぱりダマシだったか・・・
と、ここでKさんの得意技がでた。 最近、暗くなってくるとパンクする。それも連続で・・ 今回も、さあこれからだ、って時にやってくれました。 パンクするような所はどこにもないんですけどね、いつも・・ まあ、短い時間で修理完了したが、こうした小さなトラブルの積み重ねがジワジワと効いてくる。
再び登りはじめる。 一度下ってしまった足に、この雨の中の登りがやたらきつく感じる。 路面はいいが、きつい勾配に降りざるをえない。頑張って乗ったところで、たいしてスピードはあがらない。 風がないだけ助かった。気温もそれほど寒くない。雨はうっとおしいが、明るいうちにピークに着ければ、まあ良しとするか。
やがてダートとなった。 舗装であればまだ救われたが、この一番きつい場面でダートになるとは、いよいよ万事休すか・・ こうなると、もう乗車は不可能だ。深い玉砂利にハンドルが取られる。トルクがかからない。 後続の二人のペースがぐっと落ちた。 コーナーを曲がって、直線になっても後ろに姿が見えない。しばらく待っても来ない。 やっと現れたかと思うと、その表情はかなり険しい。いつもの二人の様子ではない。 カメラの前では笑顔を見せるが、足取りがかなり重い。 それでもカメラに映っている時(16:20)はまだ元気が残っていた。 いよいよ日没を向かえ、周囲が急激に暗くなってくると、二人の姿を肉眼で見つけることができなくなってきた。 |
毎年、ライトは必須とわかっているため、各自ご自慢のLEDライトが登場する。 一説によると、毎年ライトを自慢したくてあえて暗い中を走ろうとしている? なんて説もあるが、本当に明るいうちに宿に着いたことのないクラブランである。 17:00を過ぎると、いよいよビデオカメラも撮影が難しくなってきた。顔の判別もできないほど暗くなってきた。 声と、LEDライト、テールランプの特徴でお互いを判別するぐらいに暗くなっていた。 そんな中、唯一安心を与えてくれたのが、この明るいLEDライトの光だった。 LEDライトは本当に進化した。びっくりするぐらい明るい。ダートの路面が一気に明るくなり、 しっかり道筋を選ぶことができる。
完全に真っ暗で、周囲の状況がさっぱりわからない。 雨足は弱まることなく降り続く。すでに靴の中はびしょびしょで、大変なことになっている。 全員揃ってからダウンヒルしたいが、後続がかなり遅れていることはわかっている。さて、どのくらいで追いつくだろうか。 5分、6分、7分・・来ない。そして10分待った。あの二人にしては遅すぎる。いつもの遅れ方ではない。心配になってくる。 携帯が通じない、何かあったか?・・動けないのか?・・まずい状況になった・・
峠を下れば宿は近い。宿に行けば車がある。そこで、3名が先に下って車を取りに行く、残った3名で後続を待つことにした。 じっと待っていてもしかたないので、自分がLEDライトをキャリアから外して、歩いて探しに下った。 光が見えない。コーナーを曲がっても、直線になっても光が見えない。いったい、どれだけ遅れているんだろう・・ と、次のコーナーを曲がった時、ようやく小さく動く2つの光が見えた。ああ、やっと来たか・・よかった、動いている・・ |
かなり疲労困憊している様子。どうやら、二人とも疲労で足をつったらしく、途中から思うように歩けなくなったらしい。 足を引きずるように、ヨロヨロと峠にたどり着いた。 ゆっくりはしていられない。一息ついてすぐに下りに入った。 真っ暗な、雨のダートのダウンヒルだ。そして、ブレーキがほとんど効かない。 疲れた体に、この下りはかなりの悪条件だ。 慎重に下る。ここで転ぶわけにはいかない。一瞬たりとも気が抜けない。緊張する。ブレーキレバーを握りっぱなしだ。 前を行く自転車のテールランプが本当に頼りになる。道がどこへ向かっているのかがよくわかる。
18:10 舗装路へ合流。ほっとする一瞬だった。やっとダートを抜けた、と思わず笑顔になる。 18:30 宿に到着。先行の3名とも合流。 別のカーサイ組4名はすでに宿に到着していたが、我々の事が心配で、浴衣姿で出迎えてくれた。 長い長い闇夜のダウンヒルがやっと終わった。これで12名全員が、無事に宿に揃った。 |
宿に着いても忙しい。もうくたくただ。そしてやっと全身が乾いた、心地いい体に戻ってきた。 その後は恒例、飲んで笑って、語ってまた飲んで。さらに飲んで語って、笑っての繰り返し。 食って食って、ぜーんぶ食って、それでもお腹がすいているもんね。すごいですね、自転車乗りは、じじいのくせにホントよく食べます。 そして場所を変えて二次会。ここからが本番。ここぞとばかり、自分と隊長からおつまみの放出だぁ。 このために隠し酒も、おつまみも持って走ってるんだぞーー いつまでも尽きない経験豊富なおじさんたちのお話。まあ、すごい内容ばかりですよ、この人たちは・・・凄すぎます・・ |
2014年11月3日(月)
散々騒ぎましたが、それでもしっかり朝になると集合するのが本当のサイクリスト。朝食もモリモリおかわり、すべて完食です。 集金したり、愛車のメンテしたりと忙しい。 宿のハブラシでチェーンの掃除するおじさんとか、チェーンホイールまではずして掃除する隊長とか、みなさんそれぞれこだわりがあります。 |
それぞれ皆コンセプトが違うので、同じような仕様がまったくありません。なので、例によってここからが長い、長い・・ |
昨日あれだけ雨に降られたので、もう結構ですと言いたいぐらいだ。 天気がよければ喜多方へ行ってラーメン食べて・・なんて考えてましたが、猪苗代の駅へ直行ということに決定。 宿のご主人に記念写真を撮ってもらって、このクラブランはここで解散。全員で走ったことがない、という不思議な集まり。 再び輪行組、カーサイ組とそれぞれのコースへ分かれ、輪行組はまた雨の中を猪苗代駅へ向かって走り始めた。 濡れた靴に足を入れるときの、あの感触は最悪だけど、もう走り出しちゃえば関係なし。 昨晩、一生懸命靴乾燥機で乾かしたけど、無駄な抵抗でした。 走り始め、一瞬青空が見えて、ひょっとしてまた奇跡の晴天? と期待したけど、今日はすぐに裏切られた。 |
こんないい景色なのに、なーんも見えないし、寒いし、冷たいし、最悪です。 まだ皆と走っているから楽しいけれど、一人だったら結構へこみますね。 そんな中でも、いつでも元気なサイクルキャップのおじさんは、雨もへっちゃらです。 モンベルの雨具が快適で、とってもうれしそうです。
雨の中、全員一列になって黙々と走ります。 ふと気がつくと、Gさんが異様な高速回転で足を回しています、が、全然進んでいません。空回りしています・・ うん? なに? どーした? と近づくと、フリーが本当に「フリー」になっちゃたみたいです。 爪がバカになったのか、はずれたのか、漕いでも空転するばかり。あちゃー。 降りて、逆転してみると直ったり、ダメだったり・・どうも、前回のツーリングでも同じ現象が起きたフリーをまたつけてきたらしい・・ まあ、とりあえずダマしながら走れそうなので、そのまま行く。 ほんと、いろんな事が起きますなぁ・・ ツーリングでは、あまり変わったパーツを使わないほうがよさそうですね。
一人だったらこの雨の中も、適当に裏道選んで、のんびりポタリングにしてしまうのだけど、クラブランともなると、先頭の走りに皆付いていくしかない。 結構なハイペースでかっ飛ばし、雨具の中はムレムレ状態。いくらゴアテックスとはいえ、そんな爽やかなことなんてありえません。 ひたすら我慢の走りがずっと続く。おかげで、2時間で猪苗代の駅に到着。もう、今日はこれでおしまい、と全員賛成。 |
大きめのゴミ袋、コンビニ袋なんかは一番役に立ちますね。 乾いたタオル、予備の靴下があったらサイコーでしょうね。ハブラシも役に立ちます。
しかたなく、駅の切符売り場前でちゃっかり分解していたずるい人も・・ 人数が多いと、輪行も結構気を使う。バラす場所もかなり必要だし、列車も同じ場所に当然乗ることができないので、分散するのが常識。 駅でも一度に輪行袋が集まると、結構邪魔ですよね・・・ 全国の輪行する皆さん、ちゃんと気配りして迷惑かけないようにしましょうね。 ついでに輪行に関して一言いいたい。 「横長の輪行袋は使用禁止!」そのまま上から袋を被せた輪行なんて言語道断!! ふざけんな、と言いたい。 それから、ハンドルが飛び出てたり、サドルが飛び出てたり、なんて許しませんよ!! 以上。
13:30 郡山駅到着。まずは帰りの切符を手配。 さて、どこかで反省会を、と探すものの、駅中にいいお店がない。 駅前商店街をフロントバッグ持ったおじさんたちがウロつくが、こんな時間から開いている飲み屋はありません。 どこもシャッターが閉まっていて、やっぱり早すぎるなぁ、とあきらめの境地・・ と、頑張って探したらありました! 開店直後? の「さかなや道場」というお店。当然だれもいません。
その後は、焼いて、焼いて、焼きまくり。飲んで、飲んで、飲みまくりーー。 たっぷり時間もあるし、お酒も焼き物もおいしいし、ずいぶん飲んじゃいました。 |
2時間半ぐらい反省会やってました。 店員さんも、いきなりいいお客が入ってきたので上機嫌。 「ありがとうございましたー!」「まった来まーす!」 と、陽気なおじさんたちでした。 さてさて、新幹線で二次会です。 散々飲んだのに、まだ飲もうっていうんだから。
楽しく反省していたら、もう着いちゃった。 それぞれの駅で皆さんとお別れして、今年の紅葉ランも無事に終了しました。 結局、何も反省していないので、 来年もまたナイトランとなることでしょう。 |
距離:
59.0 km 所要時間: 8 時間 49 分 6 秒 平均速度: 毎時 6.7 km |
最小標高:
244 m 最大標高: 1107 m |
累積標高(登り): 1296 m 累積標高(下り): 1074 m |
距離:
26.8 km 所要時間: 2 時間 23 分 25 秒 平均速度: 毎時 11.2 km |
最小標高:
518 m 最大標高: 849 m |
累積標高(登り): 39 m 累積標高(下り): 370 m |
(2014/11/2〜11/3 走行)
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