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4泊5日の旅も今日が最終日。

昨日の慌ただしかった一日が嘘だったかのような、穏やかな快晴の朝を迎えた。


今日も快晴。毎日天気に恵まれてホント幸せだ。

まずは法隆寺に向かう。法隆寺は「日本最初の世界文化遺産」だ。


修学旅行で訪れる機会も多いが、これまで自分は来たことがなかった。ぜひこの機会に立ち寄りたかった。

最終日なので、不要な荷物を宿から宅急便で送り返した。

着替えをはじめ、不要な物を吟味して身軽になると走りも軽くなる。最終日はこの作戦が効果がある。
 


さすがにこのあたりは史跡が多く、古墳、城跡の案内が次々現れる。

三里古墳に立ち寄ってみた。六世紀後半ごろの築造らしい。


珍しい石棚の古墳だそうだが、私には知識もなくよくわかりません。

怪しい訪問者に、近くの犬がワンワン吠えていた。あまりにうるさいので、足早に退散した。
 


爽やかな秋の奈良。のんびり散策でポタリング。

いいですね、この季節の奈良は。


古い街並みを抜けて、ようやく法隆寺に到着。

自転車を置いて、さあ法隆寺の見学だ。


時刻は9:40 まだ早い時間なので観光客も少ない。

やはり観光地は早い時間に来ないとだめだ。
 


広大な境内は西院伽藍、大宝蔵院伽藍、東院伽藍と大きく3つに分かれるが、とにかく広い。

時間を決めて速足で見て回らないと、この先京都までの予定が怪しくなる。


ということでのんびりできず、歩け歩け大会の法隆寺見学であった。

見るものすべてが荘厳な建築物。

世界最古の木造建築群は、建築技術の素晴らしさと、歴史の重みが伝わってくる。
 


小学生の社会科見学だろうか、何組もの子供たちがパンフレットを見ながらガイドさんの話を聞いている。

一緒になって話を聞きながらどんどん歩く。本当は、もっとゆっくりしたいけどしかたがない。


10:30に法隆寺を後にする。見学時間わずか50分だった。申し訳ありません・・・

短い時間だったが、やっぱり来てよかった。またひとつ、日本の世界遺産をこの目で見ることができた。


「奈良西の京斑鳩(ならにしのきょういかるが)自転車道」に合流する。

きれいに整備された素敵な自転車道をのんびり行く。
 


素晴らしい所に自転車道を作ったものだ。

路面もきれいで平坦な小道は、旧跡名所を巡る絶好のお散歩コースだ。

今この景色の中にいて、今日中に東京に帰れるんだから信じられないな、なんて考えながら走っていた。
 


気持ちよく走っていたら、遠くからでもわかるぐらい大きな文字で「TOEI」を発見!

青地に白い文字でTOEIと書かれている。まさに自分の自転車と同じロゴだ。

うわぁ、いったい何の会社でしょうか?


まさか、受注増大で秘密の工場を作ったんじゃないでしょうね? そんな馬鹿な。

近寄ってみましたが、何の会社かさっぱりわかりませんでした。
(後で調べたら金属工業の会社でした・・・ますますあやしいじゃないですか!)


自転車道を利用しているのは、学生さんぐらいしかいない。

写真撮っていたら、二人乗りの高校生かな、仲良く追い抜いて行った。いい環境だよなぁ〜
 


自転車道を離れ、しばらく行くと平城宮跡が見えてくる。

平城京ができたのは西暦710年。その都を治める官公庁が集まった平城京の中心が平城宮だ。


東西南北に広大な敷地が広がり、距離感もスケール感も麻痺するほどの広さだ。

遠くから眺めると、自転車で走っている姿がアリぐらいの小ささだ。
 


ぐるっと一周走ってみる。それだけでも結構大変だ。

なんだか不思議な空間、そして歴史のロマンを感じる。

そして、いよいよこの旅最後のコース、「京都八幡木津自転車道」の起点に到着した。
 


あとは京都まで一本道。嵐山・渡月橋まで45kmの自転車道のスタートだ。

長かった旅の最後は、木津川に沿って旅の思い出に浸りながらの締めくくりだ。


ここの自転車道も開放感抜群だ。空が広い、そして青い。

誰もいない。なんて贅沢な自転車道なんだ。
 


木津川台駅近くのコンビニで食料を仕入れ、休憩所で遅めのランチタイムだ。

いよいよゴールが見えてくると、無事にここまで来れたことにホッとする。


自転車道脇ではちょうど稲刈り真っ最中のようだ。

一面の黄金色が青空にまぶしいぐらいだ。
 


土手沿いの自転車道は、上から見下ろす感じで走れるので気分がいい。

さらに視界を遮るものがない。だから気に入っている。


そしてこの自転車道のゴールが渡月橋ときたもんだ。

ゴールが最高の名所なんて言うのもできすぎている。


さすがにこの自転車道は人気があるのだろう、意外と自転車とすれ違う機会が多い。

道は正面に京都の山々を眺めながら、嵐山・渡月橋へ向かって北上を続ける。
 


相変わらず右も左も広々とした景色が続く。どこまでも走っていたくなるほどご機嫌の道だ。

近鉄京都線の下をくぐり、木津川大橋あたりまで来ると自転車道もぐっと広くなる。


自転車道とは思えないほどの道幅と路面の滑らかさ。もう上質で贅沢の極みだ。

残りの距離と時間から巡航速度をコントロールし、駅到着時刻を考える。

何もかも予定通りだ。うまくいった。トラブルなしだ、素晴らしい。
 


ゴールが近づいてきた。木津川を渡り、桂川に出る。

ずっと同じような乗車姿勢でお尻が痛くなってきた。

周囲の住宅も多くなり、行き交う人も自転車も増えてきた。
 


16:37 長かった自転車道の終点、嵐山・渡月橋に到着。

実に充実した45kmの道のりだった。いやぁ、素晴らしい自転車道だった。

いきなり観光地のど真ん中に到着し、賑やかなお店と多くの観光客に面食らう。
 


2013年9月、台風18号の大雨で桂川が氾濫し、この辺りは大変な被害を受けた。

当時のニュース映像はあまりに衝撃的なものであった。

あれから2年、かなり復旧も進み、当時の被害はほとんど見ることはできない。
 


穏やかに流れる桂川に架かる渡月橋。四季折々の美しさを見せてくれる。

そしてお馴染みの人力車。ぜひ一度乗ってみたいものだ。


でもどうしても、美しい車両のあちこちに目が行ってしまいますね。

16:55 嵯峨嵐山駅に到着。長かった旅も無事にゴールすることができた。
 


新幹線に乗り換え、「近畿味めぐりマップ」弁当で祝杯をあげる。

今回の旅はいつもとは趣向を変えて、近畿地方を巡ってみた。


豊橋駅をスタートして、フェリーに乗り、島に泊り、奈良の歴史にふれてきた。

日本一の激坂峠も経験したし、法隆寺にも行くことができた。最後は極上の自転車道だった。


長かった、そしてさすがに疲れた。しかし素晴らしいツーリングだった。

いいプランニングだった。またいつか訪れよう。
 

距離: 83.0 km
所要時間: 8 時間 7 分 33 秒
平均速度: 毎時 10.2 km
最小標高: 9 m
最大標高: 111 m
累積標高(登り): 191 m
累積標高(下り): 261 m

(2015/10/19 走行)


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