峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2015 >  寸又峡温泉




粋輪会 秋の紅葉温泉ツーリングの日を迎えた。

宿を出て、時間に余裕があったので軽くポタリング。


集合場所の藤枝駅に着くと、すぐに地元静岡のSさんがやってきた。

初めてお会いするのでご挨拶。地元なので道をよく知っているので心強い。


しばらくして輪行袋を担いだ面々が現れた。人数が多いだけにすごい迫力だ。

今回のツーリング参加者総勢12名のうち、9名がここ藤枝駅に集まった。


さっそく各々独自の輪行スタイルで組み立て始める。見ているだけでいろいろなことを学べる。

誰一人として同じ方法がない。こうして並んで作業している姿を見ると、個性いろいろで楽しい。

やはり何と言っても手早いのがデモンタだ。あっという間に姿形が出来上がる。

やはりフォーク抜き輪行が一番時間がかかる。まあ当然だがその分一番コンパクト。

時間を争うわけでもないので、みなさん余裕で組み立てる。そんな、朝の藤枝駅の一コマでした

 

コンビニで食料を調達していよいよ走り始める。

人数が多いので長い列になる。時には信号で分断されることも。


走り始めてすぐに最初のトラブル発生。後方を見ていたら、交差点で何かが道路に落ちて転がった。

なんとペダル落下!すぐに拾って片足で交差点を抜け出す。本人苦笑い・・・

ネジ式ではなく、クイック式のペダルなので外れてしまったようだが・・・なんだか不吉な予感。

 


先頭は地元静岡のSさん。快調なペダリングで黙々と走る。きれいなペダリングだ。

いつもの我々のグータラ走行とは違っていいペースだ。たまにはこういう刺激が必要ですね〜


交通量が多い市街地を抜けるまでは少々我慢の走りだ。30分程走るとようやく車も少なくなってくる。

写真もビデオも、車が多い時にはあまり撮れない。やっといい撮影状況になってきた。


道は緩く登っていて、藤枝駅からはすでに150mほど登っている。ペースもよく、じわじわと汗が浮かんでくる。

勾配もきつくなってくると、後方がちぎり始める。先頭のペースがよすぎる。

ようやく一息入れる。呼吸もゼイゼイと乱れている。


一度止まったらもういつもの調子。たっぷり自転車談義で息を吹き返す。

市ノ瀬を過ぎると本格的な山道になり、ペースも落ちて蛇行しながら、九十九折れの茶畑の横を登っていく。

 


一気に200mほど稼ぐと1軒の売店にロードチームが休憩していた。

女性も数名参加しているので、大学のクラブか地元のサイクルショップのチームかな?


若いサイクリストばっかりで、我々の自転車を見て目を丸くしているようだった。

同じサイクリストとはいえ、こうも姿形も違うのかと思ったことでしょう、きっと。

ここでしっかり作戦会議。

今日は果たして暗くなる前に着けるんでしょうね? さぁ・・・

 


その先で工事中で通行規制が・・・ありゃりゃ? 久しぶりに「ダメダメおじさん」登場?

かと思ったら大丈夫でした。自転車は問題なく通行できました。よかった〜

 


工事のおかげで車が入ってこれず、ようやく静かな林道を楽しめる。

いつものようにおしゃべりしながらの楽しく山道を登っていく。


晩秋の落ち葉を踏みしめる音が静かな林道に心地いい。

狭い林道だ。対向車が来たら車はすれ違えないほどだ。

こんな静かな林道を、集団で自転車が走っているのは異様な光景だ。

ワイワイガヤガヤやってくると、山の動物たちも驚いて逃げてしまうだろう。

息も弾んで、もう休みたいという頃最初のピークに到達した。

ここの標高が約650m。駅からの標高差約620だ。結構いいペースで登ってきた。

時刻は12:23 そろそろお腹もすく時間だ。しっかり休んで、また自転車談義に花を咲かせる。


さて、そろそろ行きましょうと重い腰を上げて走り始めた時だった。

「あっ、パンクしてる!」とO氏の前輪を見て、パンク修理名人T氏の一声。

本人も気づかないうちにパンクを指摘されてビックリだ。

 


見た目パンクには見えないが、タイヤを確認してみると確かにエアーが抜けている。

しっかり休んで、おしゃべりした後にパンクだから運が悪い。なんでもっと早く気が付かなかったのか・・・


ブーブー言っても仕方ないので、すぐにチューブの交換。そして再び名人の登場。

あっという間にタイヤをセットし、エアーを入れて完了。まあお見事。さすがプロですね。

 


二つ目のピークへの登りは結構つらく、いよいよ全員押して歩く。お腹も空いてエネルギー不足だ。

13:00 二つ目のピークを越えてようやくランチタイムだ。ちょっとした広場に腰を下ろして輪になってくつろぐ。


火器類で調理派とシンプル軽量派に分かれたため、ランチタイムも時間配分が難しい。

調理派はおでんやら、サトーのごはん、カレー、赤飯などいろいろ。


シンプル派はおにぎりなどであっという間に食事終了。

しばらくはつき合ってもらうことに・・・ダラダラとすみません。

 

時間も無くなってきたので、珍しく40分ほどでランチタイムは終了。お待たせしました。


お腹も満たされ、さてダウンヒル。整備不良なのかK氏のフロントブレーキの鳴きがヒドイ!

ブレーキをかけるたびにけたたましい音が山中に響き渡る。おかげでどこにいるかすぐわかる。

 


下りは結構スりリングだ。道幅が狭く、カーブがきつい。

見通しも悪いので危険だが、車が来ないのが分かっているからまだ安心できる。

 


気持ちよく下って石上という町に降りてきた。時刻は14時をまわった。

本日のゴールまではまだかなりある。ゆっくりしている暇もなくスタートする。

 


道はかなり広くなって走りやすくなる。再び先頭をSさんに引いてもらってペースを作る。

全体を引っ張っていってくれるペースメーカーがいると本当に助かる。


後方で写真やビデオを撮っていると、すぐに見えなくなってしまって追いつくのに一苦労する。

後続は何も考えずについていくだけで申し訳ない。


真剣な走りになって、皆無言になってきた。喋ってる余裕がないほど走りに集中している。

小さな起伏がジャブのように効いてくる。

塩郷駅では上空を人が歩いていてびっくり。なんだこの吊り橋は? 

どうやら大井川の対岸へ渡ることのできる吊り橋らしい。それにしても道路の真上にあるとは・・・驚きだ。

見るからに怖そうですが、お年寄りも子供もスイスイ歩いている。いやぁ、怖いよこれ。

 


下泉駅で小休止。まだゴールまでは遠い。 いよいよ本日も怪しくなってきたぞ・・・

早くいかないと暗くなっちゃいますよ・・・でも皆さんのんきです。


最後のコンビニで、二次会用のお酒とつまみを大量購入してリュックに収める。

こういうことだけは予定通りしっかりしてます。

 


さあ、あとは気合を入れて走りましょう、ってときにまたペダルトラブル発生。

走行中、今度はK氏のペダルがポロリ・・・ネジ式のペダルが何で落ちるのでしょう? もうわかりません。


輪行の時も外さないペダルなので、気づかずにいつの間にか緩んでしまって落下したみたい。

なんだ、じゃはめればいいじゃないかと思ったら、かなり太いアーレンキーが必要で誰も持っていない・・・どひゃ。


そんな時はやっぱりベテラン揃いですね〜。

細いアーレンキーとマイナスドライバーの組み合わせで解決! さすがです。

もー、ちゃんと整備点検してくださいよ、全く。

 


16:20 ようやく千頭の駅に到着。かなり危険な時間になってきた。

宿までの距離約13km、ピークを越えるのに300mの登りだ。


疲れた体では、どう考えても1時間半はかかる。こりゃだめだ、とあきらめの境地だったが・・・

そんな時、K氏が路線バスの運転手と何やら交渉している・・・話を聞いてみると

 

運転手「・・・たためない?」 

K氏 「ホイールは外せる・・」

運転手「小さくしてくれればたぶん乗れると思う・・・」

K氏 「おおっ、きたよきたよ、今俺が交渉してるっから! 来てよみんな!」

運転手「たたんでもらって、小荷物扱いでいくしかないね」

K氏 「このままじゃダメ?」

運転手「このままじゃたぶん無理。この先もう一か所駅に寄ると30人ぐらい乗ってくる・・・」

K氏 「・・・だめだ、こりゃだめだ。輪行してる時間ないし・・・」


ということで、ウルトラC技でワープしようとたくらんだK氏でしたが、残念ながらボツとなってしまった。

でも、もう少し早くついていたらバラしてバス輪行していたことでしょう。


覚悟を決めて走り出す。もう余裕もなく、黙々と走り続ける。すっかり日も落ち、各自ライトを点灯。

トンネル内は暗くて怖い。先頭を行く人は大変だろうなぁ。


時間に追われる中、工事中で足止めをくらう。片側通行のため長い間待たされる。

自転車なんて待たせたってどうせ遅いから同じことなのに・・・1分が大事な時に5分以上も待たされる。

さすがに頭にきて、作業員に文句を言うメンバーも・・・確かに不満爆発だ。

 


再びトンネルだ。帰りの車も片側通行で大渋滞。おかげで車のライトでトンネル内も明るかった。

いよいよ真っ暗闇に突入。暗すぎて声しかわからない。


ヘッドライト、LEDライトの明るさ、位置などで誰かを判別する。

やっぱりこのクラブランは高性能のライトが必須だ。今回もみなさん完璧な装備でした。

 


18:15 長いナイトランが終わって、無事に宿に到着した。


明るい。本当に明かりは有難い。もう、何度この気持ちを味わったことだろう。

宿で別行動の3人と合流し、総勢12名の賑やかな宴の開始だ。

今日一日のいろんな話に盛り上がり、いつものように懲りない二次会へ。

楽しい時間もあっという間、酔いと疲れでもうギブアップ。

全員おやすみなさいとなりました。よく走り、よく飲みました。

 

 



距離: 79.4 km
所要時間: 9 時間 37 分 48 秒
平均速度: 毎時 8.2 km
最小標高: 24 m
最大標高: 667 m
累積標高(登り): 1427 m
累積標高(下り): 1034 m

(2015/11/22 走行)


峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2015 >  寸又峡温泉