峠への招待 > ツーリングフォトガイド > ’2016 > 北上川・伊豆沼
昨夜は、隣の年配夫婦と意気投合してずいぶんと飲んでしまった。
とても楽しく、思い出に残る夜であった。
宿を出ると、すぐに厳美渓だ。
早朝の、誰もいない渓谷を散歩する。ひっそりと、静まり返った遊歩道を気持ちよくポタリングだ。
観光地は早起きに限る。おかげで、本当の渓谷の素晴らしさを見ることができた。
厳美渓
栗駒山に源を発し、一関市内へと流れる磐井川の浸食によって形成された厳美渓。
奇岩、怪岩、深淵、甌穴に滝と、訪れる人々を魅了するダイナミックな景 観が約2キロメートルにわたって続きます。
悠久の時の流れが磨いた岩肌とエメラルドグリーンの水流、そして川岸を彩る四季が奏でる美しい景色は、国の名勝天然記念物に指定されています。
荒々しい流れが岩にぶつかり豪快な水しぶきを上げる上流に対し、下流ではゆったりとした深淵が見られるなど、変化に富んだ景観が楽しめるのも厳美渓の大きな魅力の一つ。
真冬には、純白の綿帽子をかぶったかのような奇岩が連なる感動的な世界が出現します。
大自然が織り成すアートを堪能した後は、岩場のカゴにお金を入れると、対岸からロープ伝いにカゴが飛んでくる厳美渓名物「空飛ぶだんご」をぜひ。見て楽しい、食べて美味しい名物です。
http://www.ichitabi.jp/spot/data.php?no=8
厳美渓から磐井川に沿って快適に下る。
雰囲気のいい小道を下っていくと、大きく岩肌をむき出す荒々しい所を通り抜ける。
今、上からこれが崩れてきたら、ひとたまりもないな、と恐ろしくなるほどの迫力だ。
自然とペダルが速くなる。
昨夜の宴の余韻で、体調も今一つよくない。自転車も人間も三日目でかなり疲れている。
最終日はのんびり、ゆっくり、おとなしく行くとしよう。
磐井川の広々とした土手沿いを行く。薄曇りだが、湿度が高く蒸し暑い。
広々とした田畑、人気や車も全く見えない、寂しい限りの風景。
北上川に合流すると、より山深く、東北のイメージが強くなる。
やっぱりここは東北だな、何十年も前に見た景色と変わらないな、と感じる。
しばらくは、北上川を眺めながら無人の県道を南下する。
路面はきれいだが、道幅が狭く、対向車が来たらすれ違うのが結構大変な箇所が多い。
秘境とまでは言わないが、なかなか寂しさを味わえる道だ。
北上大橋を渡って左岸から右岸へ渡る。ちょっと休みたいが、適当な休憩所がないので、止まることなく走り続ける。
日差しも強くなり、気温も上昇してきた。同じような景色の繰り返しの中で、次第に疲れが増してくる。
食料もなく、水分も不足してきて、どこかお店がないものかと期待していたが、なかなか見つからない。
いや、まったく人家がない。当然お店も自動販売機もない。参った。東北ってこういうことがよくある。
14:00 やっと街中に出てきた。
みつけたお店で、パンとドリンクで休憩だ。一気に500ccペットボトルを飲み干した。
今日のランチは寂しいな。何にも手に入らない。まあ、こういうこともある、しかたない。
伊豆沼へやってきた。
伊豆沼は最大深度1.4mという浅い沼だ。四季を通じて渡り鳥が豊富で、日本最大級の渡り鳥の越冬地である。
1985年に国際的に重要な湿地を保全する「ラムサール条約」にも登録された。
サンクチュアリセンター(淡水魚館)を見学する。ようやく暑さから解放されてほっとする。
見学者は誰もいない。ゆっくりと、涼しみながら館内を見学する。
この施設はラムサール条約登録湿地である伊豆沼・内沼の生態系の中の「水」をテーマに、水鳥や水生動植物を紹介している。
大きな水槽には淡水魚等を観察できたり、周囲の沼の自然豊かな美しい写真が展示されている。
沼の周囲はとても静かだ。さまざまな水生植物が湖面を覆い、多くの水鳥や魚、虫などが生息している。
静かだ。何も騒音が聞こえない。鳥のさえずりだけしか聞こえてこない。
東北の旅もいよいよ終わりだ。最後に伊豆沼の風景を眺めながら一服する。
伊豆沼から内沼へ。
夕陽に輝く沼。水田が広がる一本道の農道をのんびり行く。
予定通り、ゴールのくりこま高原駅に到着。三日間の「みちのく一人旅」も無事終了だ。
走行距離約230km、プーリー破損、タイヤ損傷してから約200km走ってきた。まあ、こんな状態でよく無事に走れたものだ。
最後にプーリーを確認すると、半分近く摩耗してなくなっている。
年代物だから、劣化するのは仕方ない。今後はサンプレを使う際は、予備プーリーを持って走るとしよう。
距離:
74.7 km 所要時間: 8 時間 20 分 56 秒 平均速度: 毎時 8.9 km |
最小標高:
8 m 最大標高: 100 m |
累積標高(登り): 370 m 累積標高(下り): 451 m |
(2016/5/26 走行)
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