峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2016 > 姫路城・夢前川サイクリングロード



姫路駅を出ると、正面に世界文化遺産、国宝姫路城の姿が飛び込んでくる。

5年半をかけ、平成の大修理を終えた 姫路城の白さが青空に映える。

本日のコースは、姫路城をたっぷり見学し、その後姫路の自転車道を周回する予定だ。

姫路城へ向かう駅前の通りには、コミュニティサイクル“みんなの自転車「姫ちゃり」”が整備されている。

都内でもようやくこうした取り組みが始まったが、姫路市はすでにかなり先をいっている。

信号無視や逆走が当たり前の都内に比べ、姫路の方々は交通ルールをしっかり守っている。

繁華街の裏道には、四つ角ごとに交通誘導員が配置され、自転車を安全に誘導してくれる。

その誘導員だけでもかなりの数だ。うーん、姫路市、なかなかの対応だ、素晴らしい。

その誘導員に道を尋ねてサイクルショップへ向かう。

実はグローブがボロボロになって、ガムテープで補修していたのだが、どうにも使い物にならず、思い切って新品を購入した。

姫路城は朝から多くの観光客でにぎわっている。

人力車いかがですかぁ? と声をかけてくる。話を聞けば、東京浅草で営業しているらしい。出張営業か?

こんな大きなホイール、タイヤはどうやって手当しているのかと聞けば、やはり特注らしい。でもチューブはパナだそうだ。

姫路城内には自転車を乗り入れることができるので、歩行者に気を付けて城内を行く。

修学旅行生が特に多く、かったるそうな男子学生も、しかたなくお城をバックに全員で記念撮影だ。

やはり姫路城は美しい。それにしても眩しいほどの白さだ。 ちまたでは「白すぎ城」なんてことも言われているらしい。

ほとんどの人が天守閣へ向かうため、東側方面へ向かう人は誰もいない。

ちょっと草むらへ近寄ってみると、猫たちが楽しそうに遊んでいる。へぇ〜、姫路城って猫が結構いるんですね。もー大喜び。

天守閣へ向かう道のりは、果てしなく長く、遠い。

歩いて歩いて、登って、並んで、脱いで、待って、登って登って、そして待たされてやっと天守閣に到着。

すでに修学旅行生で満員状態。前にも後ろにも行けないほどの大渋滞。人数制限してもほとんど効果なし。あ〜すごい人です。

それでも、さすがにここからの眺めは素晴らしく、吹き抜ける風は本当に心地いい。

これだけ多くの人が入っても、まったくビクともしない堅牢さ、重厚さはさすがだ。下手すりゃ床が抜けちゃいますよ、この人数。

お城の中を見学したというよりも、女子高生を見学したというほうが正しいかもしれない。みんな、どこから来たんでしょうね?

自転車で 城内を左回りで半周できると思っていたら、動物園の先で行き止まり。

なんだよ、どーなってんの? と清掃の方に聞くが、ずっと工事中だよとのこと。

仕方なく入口に戻り、東側の道を迂回して合流すると、なんとその先は静寂の世界が待っていた。

工事中のおかげで人の流れが途絶え、ほとんど誰もいない静寂の散策路が広がっていた。

なんで? こんなにいい所なのに、どうして誰もいないの? 前も後ろも誰もいないよ、ほんと? うそでしょ? って感じの驚きでした。

お堀には多くの鯉が泳いでいて、試しに柿の種を投げ込むと、それはそれは大変な騒ぎ。面白くて2袋も遊んでしまいました。

その先で、またまたかわいい二匹の猫ちゃんに出会う。小学生の女の子二人が遊んでいるところにお邪魔させてもらう。

さすが、猫ちゃんも猫好きを見分けたらしく、自分のほうにどんどん寄ってくる。おかげでこんな写真が撮れるほどに。

健康そうで、色つやもよく、かわいい猫ちゃんでした。

姫路城を後にして、水尾川自転車道へ向かう。

小さな川に沿った自転車で、お世辞にもいい道とは言えないが、街の人にとっての静かなお散歩コースといった感じだ。

10月だというのに、なんだろうこの暑さは。台風が過ぎ去って、また夏が戻ってきたかのようだ。

ほとんど流れのない川に沿った自転車道だが、所々路面も荒れていて、雑草も多い。

手入れをしないと自転車道というのはすぐにみすぼらしくなる。いろいろな所を走ってくるとよくわかる。

汐見橋を渡り、大きくUターンして夢前川(ゆめさきがわ)サイクリングロードを北上する。

このサイクリングロードは綺麗に整備され、路面も素晴らしい。

開放感のある川沿いの道は、最高のポタリングコースだ。

ここもほとんど人がいなく、たまに自転車が通り過ぎたり、ジョギングする人に出会うぐらいだ。

この時期、お祭りのようで、あちらこちらで祭りの風景が見られる。

はっぴ姿の若者が自転車道を歩いて集会場へ向かっている。

自転車で走っているのは自分ぐらいで、不思議そうな顔をしてこちらを見ていた。

姫路市内もちょっと離れるとこうした走りやすい自転車道がある。

ぐるりと散策するにはちょうどいい距離だ。ほとんど勾配もなく、本当にのんびりできるコースだ。

さて、サイクリングコースも終盤。見つけた街の中の小さな公園でランチタイムとする。

ここから 姫路駅まではわずかなので、時間のある限りここでゆっくりしようと決定。

連日忙しいツーリングだったので、ゆっくりベンチにでもひっくり返りたい気分だった。

コンビニ弁当食べて・・食後に コーヒー煎れて・・音楽聞きながら・・今回のツーリングを振り返った。

初日、二日目、三日目・・・やっぱり、ツーリングは長ければ長いほど思い出がいっぱいだ。

久しぶりに、十分すぎるほど満足感を味わえた八日間だった。

これだから、自転車旅はやめられない。




(2016/10/8 走行)


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