峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2017 > 大洗・涸沼



昨日は宿についた後から天候が急変し、激しい雷雨に見舞われた。

風呂に入っていると、窓の向こうに眩しいばかりの閃光が何度も光る。

数秒して、驚くばかりの雷鳴が鳴り響く。そして激しい雨。

風呂から上がって、急いでイデアルにサドルカバーをかけにいく。なんたって、革サドルは大事にしないと。


雷も遠ざかると、静寂の夜となった。ひっそりとした宿は、会話も、物音も、何ひとつ聞こえない。

テレビを消してしまうと静寂の世界。「シーン」という音が聞こえる、気がする。

なかなか毎日の生活の中では味わえない世界だ。

今日一日の思いを振り返り床につく。

静かな朝を向かえた。今日もいい天気だ。

昨日の夕食は部屋食だった。 朝食は1階へ降りて、日本庭園を眺めながらいただく。

落ち着いた和室。一人きりだ。廊下の向こうに、見事に手入れされた庭が広がる。


贅沢な朝だ。あわただしさなど、どこにもない。都会の生活とはまるで次元の違う時の流れだ。

朝食はこれでいい。庭を眺めながらの朝食。何もかも、「和」ですね。 文句なし。


こんなリーズナブルな値段で申し訳ないと思うほど満足して宿を後にする。

まずは水戸偕楽園へ向かう。

この季節、やはり梅も終わり桜はまだ早いということで、まったくの穴場? でしたね。

梅も桜も見たいけれど人混みは大嫌い。そんな偏屈な人にはちょうどいい季節? 

まずは、偕楽園の前に広がる広大な公園の散策だ。

広々とした園内は自由に自転車で走ることができる。自転車通学の学生たちが次々走ってくる。

どこまで走れるのだろうと、ずっと後を追いかけて公園の外れまで走って戻ってきた。

広くて、きれいで、なんてすばらしい公園なのだろう。

 

自転車を置いて偕楽園へ向かう。

季節外れだとこんなに空いているのか、というぐらい駐車場も観光客も少ない。

確かに梅はほとんどが終わってしまい、遅咲きの梅がわずかに咲いているぐらいだ。

まあ、大混雑の人間観察より、静けさの偕楽園もまたそれなりにいいかもしれない。


左近の桜も残念ながらあともうちょっと。本当はこれを期待していたんですけど・・・(偕楽園 HPより)

偕楽園を気持ちよく散歩して、千波湖へ向かう。

こちらは多くの人で賑わっている。湖岸を散歩する人、ジョギングする人たちで賑わっている。

延々と続く桜並木も、あと数日で満開だろう。ここも、凄い人で賑わいそうだ。

桜川自転車道に入る。

ここは水戸駅から近いから、まもなく花見客で凄いことになりそうだ。

土手沿いの桜並木は、なかなか素晴らしく、もう、いつでもどうぞという感じで花見の準備が整っていました。

 

桜川から那珂川へ出る。

すっかり自転車道も独り占め状態で、前にも後ろにも誰もいなくなった。

ここから太平洋、那珂湊までは那珂川沿いの自転車道を延々と走る。

この道、やたらと道幅が広い。車道と変わらないほどの幅がある。

そして、きれいな舗装で、サーキット場を走っているかのような滑らかさだ。まだ、舗装したてなのかもしれない。

 

1kmごとに標識が立っているので、とても分かりやすい。

まったく邪魔されることなく、土手から車道を見下ろしながら走るのは気分がいい。

と、気持ちよく走っていると、いきなり道が寸断されている。交差点でいきなりこのありさまだ。

自転車道ではないので、これも当たり前か・・・その後も同じような箇所が登場してくるが、それでもこの道は気分がいい。

さて、そろそろ空腹。やってきました那珂湊おさかな市場。今日はここでランチにしましょうと決めていました。

平日なのに結構な人で賑わっています。

鮮魚店や水産加工品店などが軒を連ね、那珂湊の海の幸が店先にふんだんに並べられている。

多くの食事処があって、いったいどこに入ろうかと迷うほどだ。

しかし、ちょうどお昼時で、人気店は行列だ。ちょっと路地を入った奥まったお店が比較的空いていたのでここに落ち着く。

「よかっぺ丼」にあさり汁。あ〜、美味しかったです。

ついでに、お店の外でほたて焼きもいただいちゃいました。満腹。

目の前に太平洋が広がる。

やっぱり海は違いますね。

霞ヶ浦や、小さな湖と比べてはかわいそうだけど、やっぱり太平洋はでかい。

なんだか、海にたどり着くとそれだけで達成感が味わえる。

海を目の前にすると、自転車なんて小さい小さい、そして人間なんてほんとちっぽけだな、って感じる。

海は大きい、そして偉大だ。

大洗港にはフェリーが停泊している。苫小牧へ行くフェリーだろうか。

前に、カーサイで北海道へ行くときにここからカーフェリーに乗った。

それはそれは、とんでもない過酷なスケジュールと冒険旅だった。

目の前にたたずむフェリーを眺めながら、当時の思いがいくらか蘇ってきた。あぁ、若かったなぁ、あの頃。

 

この旅もフィナーレ。大洗から涸沼へ向かう。

ほとんど田んぼのあぜ道を行く。

しっかり自転車道として整備された道が涸沼湖岸へと続く。

涸沼はラムサール条約に登録され、多くの水鳥や動植物が生きる湿地に囲まれている。

湖岸に自転車道が設けられている。

太平洋の輝きとは違う、静寂の湖面が目の前に広がる。

静かだ。何一つ音が聞こえない。

気持ちよく湖岸を走る。誰もいない。

なんて贅沢なひと時なのだろう。大自然を独り占めだ。

旅のフィナーレは、コーヒーで一服だ。

涸沼自然公園の休憩所で、この旅最後のひと時。

茨城県、これまで旅の対象としてはあまり考えてこなかった。

しかし、この三日間ですっかり印象が変わった。山あり、川あり、そして太平洋あり。

いろいろな要素がギュッと詰まったとっても素敵なエリアではないだろうか。


本日も70km、よく走った。

たっぷり走れる茨城県。また次の旅を考えよう。


本日のゴールは水戸駅。上野まで、短時間の一人宴会忙しかったです。

距離: 68.4 km
所要時間: 9 時間 29 分 35 秒
平均速度: 毎時 7.2 km
最小標高: 0 m
最大標高: 39 m
累積標高(登り): 109 m
累積標高(下り): 135 m

(2017/4/4 走行)


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