峠への招待 > ツーリングフォトガイド > ’2017 > 高松ノ池・盛岡
ビジネスホテルの朝は慌ただしい。バイキングの朝食は、皆同じ時間帯に集中する。
昨日、それぞれ本音で語っていた人たちも、朝になれば仕事モードの顔になって、皆物静かだ。
サイクリストにとって、バイキングの朝食は助かる。
異常な食欲を満たすには、おしゃれな朝ごはんでは物足らない。
何杯もご飯のお代わりができ、しっかりエネルギーを蓄えてのスタートができるバイキングは力強い味方。
ちゃんと
食べておかないと、あっという間にお腹がすく。サイクリストはとにかく燃費が悪い。
今日もまずまずの天気だが、雲が多く岩手山の眺めも今一つだ。
走り始めは面白くない。交通量の多い道を盛岡競馬場を目指す。
なんとなく、何か素敵な景色にでも出会えるのかな? と期待して結構きつい登りを頑張る。
おいおいなんだよ、今日はひどい登りじゃないか。景色もよくないし、車も多い。
一枚脱ぐか、脱がないか・・・そんな悩んでいるうちに汗だくに・・・もぅ・・・だから脱げばよかったじゃん・・・なんて。
暑いし、体も重い。三日目ともなれば、いいことばかりじゃないな・・・なんて感じで競馬場へたどり着く。
緑の芝生に競走馬が戯れ、ゆっくり寝転んでそれを眺めたりして・・・なんて姿が見えるどころか、開門もしていなくて門前払い。
そりゃ、何も調べてこなければこんなこともあるでしょう。
結局、中にも入れず、がっかりしてゆっくりとダウンヒルするはめに。
今日は何か怪しい一日だぞ、これは・・・と予感。
それでもさすがに道路沿いの桜は見事で、コーナーを曲がるたびに視界に飛び込んでくる桜に、思わず止まって写真撮影。
下ると綱取ダム。静かな所で誰もいない。
「昨日熊が出没しました。お気を付けください」なんて放送が・・・えぇ〜まじですか・・・慌てて周囲を見渡す。
何だかなぁ、昨日の極楽とはかなり違うぞ、今日は・・・まあいいや、次の高松ノ池に期待しよう。
10時を過ぎると、さっそく小腹が空いてくる。
気になっていた盛岡名物、じゃじゃ麺でも食べちゃう? なんて誘惑に負けて、そうしよう! と即決。
ナビを名店「白龍(パイロン)」にセットして盛岡市内へ寄り道だ。
まだ10時過ぎだけど開いてるのかな? ちょっと不安だったけど、行ってみるとすでにお店からお客さんが出てくる。
店内は、カウンター席とテーブル席が3つほど。有名人のサインが壁一面に貼られている。
「いらっしゃいませ〜」と明るい声。
「じゃじゃ麺ですね?」と、お店の人。
「大って結構量ありますか?」と、 何もわからないので様子をうかがう。
「そうですね、これぐらいですかね」と麺の量を見せてくれる。
「結構ありますねぇ〜それじゃ、中でお願いします」なんて、結局当たり前の注文。
店内にはお客さんは誰もいなく、自分も初体験なので要領がわからず、とりあえず麺の量だけを決めて待つことに。
すぐに、2、3人のお客さんが入ってきて、慣れた様子で注文していく。
どうやって食べたらいいのかさっぱりわからず、目の前のマニュアル?を何度も眺めては、ワクワクしながら出来上がりを待つ。
麺を茹でるのに時間がかかるそうで、注文してから10数分後にようやく出来上がってきた。
ちょうどお隣さんの分もできたので、ここはなんでも聞くしかないと食べ方の手順を教えていただく。
やっぱり、食べ方のルールがしっかりあって、初めてでは無理でしょう、このじゃじゃ麺。
ラーメンかと思っていたら、太麺の冷やし中華?
食べ終わるころ、次は卵を溶いてスープを足して卵スープ? 麺はちょっと残して、お箸も一緒に渡して・・・と教えられる。
なんだか、不思議な七変化の食べ物。しかし、味が刻々と変化し、お腹も満たされ不思議な満足感。
自分で作り上げる一品料理? って感じで楽しいし、面白い。これがじゃじゃ麺かぁ〜。勉強になりました。
何だか、修行に来たみたいなじゃじゃ麺だが、こんな食べ方があるんだと、とにかく得るものが多かった。
高松ノ池へは交通量の多い国道を行く。道路を渡るのさえままならず、地下道を潜り抜けるほどの交通量だ。
そんな都会のど真ん中に、なんともまあ美しい池がたたずんでいる。
見事に咲き誇った桜が池の周囲を飾る。
さすがに桜の名所。平日の昼間にも関わらず、多くの人たちで賑わう。
ぐるりと池を一周する。池の後方に岩手山の姿、そして満開の桜の構図が見事だ。
高松ノ池を後にして北へ向かう。一気に交通量が多い道になり、歩道をゆっくり走る。
平日なので、交通量がもの凄い。なんだかツーリング気分も損なわれ、裏道もなくただ我慢の数キロ。
四十四田公園への道へ分岐するとようやく静かになる。一気に激坂を上ると展望台へとたどり着く。
展望台からは目の前にダム湖と岩手山の景色が広がる。
周囲の公園は桜の名所で、雄大な景色を眺めながら静かに散策することができる。
北上川をせき止めて作られた南部片富士湖(四十四田ダム)を眺めながら快適に走る。
岩手県立大学へ立ち寄ってみる。
広大なキャンパスと、豊かな自然に驚くばかり。素晴らしい環境だが、通学に、生活に、いろいろと苦労も多そうだ。
森林公園、岩手牧場を経由して、盛岡へ戻る。国道へ合流してしまうと、またまた車の洪水だ。
すぐに国道を離れ、静かな畑の中で休憩だ。朝食べたじゃじゃ麺のおかげで、それほどお腹が空いていない。
正面には岩手山の姿が大きく見えるのだが、急に空模様も怪しくなりはじめた。
なんだか、今日はいまひとつ冴えないツーリングだ。
盛岡市内の公園は、満開の桜でどこもかしこも素晴らしい眺めだ。
宴会でお酒飲んでいる姿などは見当たらず、広々とした公園で自由に写真を撮ることができる。
さあ、三日間の北上・盛岡のお花見ツーリングもそろそろ終わり。
最後は国の天然記念物「石割桜」を見ておこう。
「石割桜」
岩を割って生えている樹齢360年の名物桜
盛岡地方裁判所前にある周囲21mの花崗岩(カコウガン)の割れ目から育った直径約1.35m、樹齢360年を越える桜。
品種はエドヒガン。岩を割って生えている所からその名前が付けられた。大正12(1923)年に国の天然記念物に指定される。
行ってみれば、裁判所前はかなり人だかりだ。どうやら中国人観光客の団体のようだ。
塀の外から、中から、まあ賑やかなこと。 こちらも負けじとタイミングを見計らって写真を撮る。
警備員が一人いるが、あっちこっちを注意しているので追い付かない。
中に自転車入れちゃいけないんでしょうが、一瞬を見計らってカシャ。スミマセン。
通りには大型観光バスが止まって、窓からはカメラの放列。
いやあ、さすがに名所ですね。見事な桜です。一見の価値あり。
盛岡駅から輪行。
車内は空いていて、いつもの最後尾の席も自分一人。
東京まで停車駅はたったの4つ。盛岡→仙台→大宮→上野→東京 ゆっくり、たっぷり一人宴会を楽しめる。
速いですね、便利ですね、盛岡は。また行こう。
本当に、大満足の三日間でした。
距離:
63.1 km 所要時間: 8 時間 1 分 20 秒 平均速度: 毎時 7.6 km |
最小標高:
112 m 最大標高: 325 m |
累積標高(登り): 596 m 累積標高(下り): 595 m |
(2017/4/25 走行)
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