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伊豆の旅も三日目、最終日だ。今日も快晴、無風、そして暖かい。

今日のルートは、ほぼ一日海岸線沿いだ。

ルートラボでコースを作成すると、走行距離80km以上、標高差約1000mもある。

海沿いなら平坦で快適だと思ったら大間違い。

西伊豆の海岸線は、それはそれはハードで厳しいアップダウンが待っていた。



お世話になりました、旅館「椿荘」。

こうした素朴で静かな宿の方が、一人旅には趣があっていい。


宿の前の川沿いで、朝から小学生が先生に監督されてマラソンをしている。

速い子、遅い子、歩いている子。楽しいことや辛いこと。これからいろいろあるだろうけれど、みんな頑張れ!

そんな光景を窓から眺めながら出発の準備をする。
 


海岸に出ると、若山牧水の大きな銅像と歌碑、記念碑が海に向かってたたずんでいる。

土肥温泉に定宿があった若山牧水。こんな歌碑が刻まれていた。

若山牧水 歌碑 「花のころに来馴れてよしと思へりし 土肥に来て見つ その梅の実を」
 


土肥温泉を後にすると、すぐに登りが始まる。


ちょうど清水港からのフェリーが入港する姿が見えた。

今回、このフェリーに乗る計画も考えたのだが、予定変更で乗れなくなってしまった。


洋上からの富士山が素晴らしいという評判なので、いつか乗りたいと思っていたら、なんと2019年3月で廃止になるという。

船旅が大好きな者にとっては、またひとつ消えてしまうのかと残念でしかたがない。

そう思うと、入港してきたフェリーの姿が寂しく映る。
 


国道を外れ、「西伊豆歩道 小土肥コース」を行く。

海岸線から一気に集落を登り詰め、車道に合流する。


急勾配を押して登ると、ちょうど土肥港から出向するフェリーの姿が見えた。

今日は風もないので穏やかな船旅だろうな・・・ああ、やっぱり乗りたかったなぁ。
 


伊豆西海岸はこのあたりまで来ると、交通量もぐっと少なくなる。

今日のコースは、前半に大きな登りのピークが3つある。


それぞれ200m程度の登りなのだが、これがこの先じわじわと脚にくることになる。

まず一つ目のピークがここ「碧の丘」、標高は235mだ。海岸から一気に登ってきた。
 


車も少なく、ダウンヒルは文句なしの絶景だ。

海に向かって飛び込むような直線道路のダウンヒル。

どこか離島に来たような錯覚になる眺めだ。
 


戸田漁
港(へだぎょこう)まで一気に下る。再び海抜0mに逆戻りだ。

すでに漁港の賑やかさも人影もなく、静かで穏やかな街の中を通り過ぎる。


富士見海岸通りからは正面に富士山の姿がよく見える。

久しぶりにご対面した、という感じだ。
 


2つ目のピークが「伊豆のくちばし御浜岬」の展望台、標高134m。

ここからの眺めもなかなか素晴らしい。戸田漁港が真下に、そして富士山の姿もよく見える。


ここまで来ると、さすがに足腰が弱ってくる。

再び急降下して井田の海岸まで降りてくる。ブレーキワイヤーが切れそうな凄い勾配の急坂だ。


時折、おいしそうなみかんが心和ませてくれる。
 


無人の直売所があったので、思わず買いそうになったが、荷物になるので我慢した。


3つ目の登りに入る。またしても200mの登りだ。

さすがに精神的にこたえるが、これで最後と思って気合を入れる。

そして、井田トンネルにやっと到着。標高206m。きつかった・・・
 


これで登りをほぼ終えてほっとする。

これで今日のコースも予定が見えてきた。


井田トンネル脇の旧道を行こうと思っていたが、ガードレールで塞がれていて、完全に通行止めだ。

まあ、トンネル内も車が少ないので快適だ。


下って大瀬崎へ寄り道してみる。

何か景色のいい所で休憩したいな、と思って50mぐらい下ってしまったのだが、期待はずれで残念。

しかし、かわいい猫ちゃんに会えたのですっかりご機嫌になりました。
 


久料公民館のベンチでようやく遅いランチタイムだ。

前半の厳しい登りとは打って変わって、ラジオを聴きながらのんびりした午後のひと時だ。
 


休憩後は、 時間に追われることなく、何も考えず海岸線に沿ってのんびりとポタリングだ。

伊豆西海岸でようやく道も平坦になった感じだ。


余裕があるツーリングは心も穏やかで、そして何かと安全だ。

沼津に近づくと交通量が多くなってくるが、海岸線に沿って行けばほとんど車を避けて走れる。
 


久しぶりに狩野川に戻ってきた。

またまた猫ちゃんに出会ってすっかり遊んじゃいました。
 


沼津港で絶品メニューの誘惑に負けて、たまらず2回目のランチタイム。

時間がなくなれば、 最後は突っ走ればなんとかなるでしょうと、「まぐろ・地魚・釜揚げしらす丼」でご馳走様〜!

うーまんぷく君です。
 


すでに満点の仕上がりであったが、さらにここから最後のフィナーレがとどめをさしてくれるほど素晴らしかった。


時刻は16:00を過ぎた。千本浜の海岸線を行く。

穏やかな海に沈む夕日ショーの開演だ。
 


素晴らしいロケーションだ。前方には富士が頭を覗かしている。


沼津港から15km以上続くこの海岸線の道は、自転車にとって最高のプロムナードコースだ。

なんて素敵な道が延々と続くのであろう。 何度でも走りたくなるぐらい素晴らしいコースだ。
 


いよいよ日が沈む。

夕日が沈むシーンを見ようと、海岸に人が集まってくる。


自分もじっくり、ゆっくり見届けようとコーヒーをいれて眺める。

こんなきれいに沈む夕日は、なかなかお目にかかれるものではない。

いやぁ、贅沢な時間だ。そしていい絵だ。素晴らしい。 感動した。
 


日が沈めばこうなる。のんびりしていたら真っ暗になる。

ここからは、新調したLEDライトが大活躍だ。


「キャットアイ VOLT800」が真っ暗な海岸線で異様な明るさを発揮してくれた。

とにかく明るくて驚いた。これほどかっ! てぐらいの衝撃だ。

おかげで、日没後しばらく走らなければならなかったが、全く不安も危険なことも感じずにゴールできた。


今日も、何もかも大満足で走り終えた一日だった。

とにかく天気に恵まれ、満点、大満足の伊豆の旅だった。
 


 

距離: 82.2 km
所要時間: 8 時間 59 分 28 秒
平均速度: 毎時 9.1 km
最小標高: 0 m
最大標高: 248 m
累積標高(登り): 936 m
累積標高(下り): 935 m

(2018/11/30 走行)


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