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北アルプス絶景ツーリングも三日目。 最終日は昨年に続いて嶺方峠を越える。

二日間快晴に恵まれたが、さすがに三日目は雲が多くなってきた。そして午後からは天気は下り坂だ。


なんとか嶺方峠の絶景が拝めるよう祈って出発の準備を整える。

きれいに
並んだツーリングシューズ。さすがベテラン サイクリストは靴へのこだわりが半端ではない。
(しっかりソールを改造・張り替えしてきたメンバーもいる)

昨夜はよく飲んだ。一般客の倍ぐらいの料金を払っているかもしれない。いいお客さんですよ、きっと我々は。

 


昨年の空模様と似ている。トンネルの向こうの絶景が見れるかどうか・・・不安を抱きながら登り始める。


昨日の林道李平線の分岐を過ぎ、最初の「偽トンネル」を越える。

このトンネル、なんていう名前なのか今回初めて分かった。「藤口隧道」っていうんですね。


車と一台すれ違う。果たして大展望は見れたのだろうか? ドライバーの表情が気になる。

緩やかな勾配と、くねくねと曲がった道に期待と不安が交差する。
 


そろそろ近いか・・・と思うがまだまだ先だ。なかなかじらしてくれる。

昨年走ったばかりなのに、やはりこの期待感は特別だ。
 

いよいよ白沢洞門に突入する。入口からは出口が見えない。

にカーブすると 、正面にスポットライトを浴びたような馬蹄形の出口が眩しく光る。


トンネル内に
歓声が響く。徐々にトンネルの形が四角に変わる。

そして逆光の中、真白なスクリーンにフェードインしてきたのがこの眺めだ。
 


やはりこのドラマは感動する。鳥肌が立つほど興奮する一瞬だ。何度経験しても素晴らしい。

昨日の絶景の連続、そして今日は残雪の嶺方峠と、もうサイクリスト冥利に尽きるとしか言いようがない。


多少雲が多いが、しばらく待つとしだいに雲が消え、視界が広がってきた。

あらためて撮影のやり直しだ。お決まりの構図で何度か撮り直し。
 


登山家でもある”キング”に山の名前や雪形の解説をしてもらう。

あそこへ登っちゃうんだから凄いよね〜 〜〜と自分なんかは、ただただ呆れるだけだ。


車も次々やってきて写真を撮っていくが、1時間近くもいたのは我々だけ。

この峠に来たらいろいろやることが多くて、そう簡単に立ち去れない。
 


さっそく なんかやってますねぇ・・・この人は。

切り抜いたカレンダーをわざわざ持ってきて、「ちょっとこれ持ってて」と言って写真を撮ったり・・・

道路標識の何かを思いっきり近寄って撮影したり・・・
 


たっぷり楽しんで下りに入る。

今日は3時頃から降ってくるという天気予報なので、あまりのんびりしていられない。


昨日の絶景があまりに素晴らしすぎたので、嶺方峠からの下りは意外と早く下ってしまった。

車も少なく、快適な路面を気持ちよく下っていく。
 


後半は佐野坂峠を目指す。

空はどんより曇ってきた。そろそろ危ないか、と思っていたら一瞬パラパラと降ってきた。


なんとかゴールの駅まで降られずに逃げきれたらいいのだが・・・

さのさかスキー場の真下から千国街道(塩の道)が始まっている。
 


鬱蒼とした杉林の中、深く積もった枯葉や小枝のふかふかの絨毯の中を登っていく。

まるでコルクの上を走っているような感覚の峠路だ。周囲の視界はほとんどなく、昼間でもひっそりとしている。


多くの
石仏が次々に現れる。一番から三十三番まで観音像が並んでいるというが、一つ一つみな違う形だ。

大展望の嶺方峠から、ひっそりとした観音像が続く佐野坂峠へと雰囲気も様変わりだ。
 

白馬さのさか観光協会より

塩の道の石仏群

佐野坂西国三十三番観音像

佐野坂から青木湖西岸に通じる千国街道(塩の道)沿いの街道西側の小高い場所に東に面して置かれ、造立は文政十二年丑年、制作者は高遠片倉村の石工・伊藤堅吉と刻まれていて、現在は白馬村の村宝に指定されています。

地区の方々により木の階段が整備されているため、如意輪・千手・千眼・准胝(じゅんでい)・不空羂索・十一面・聖など、それぞれ異なった仏の慈愛をたたえた温顔を間近で見ることができるようになっています。

豪雪地帯の佐野坂峠を行く巡礼にとって、一番から三十三番まで順番に並んだ観音群は道しるべにもなっていたようで、静寂に包まれた木漏れ日の差す街道と観音群は往時を偲び、心安らぐひとときを与えてくれます。

鬼石

2番観音像の向かい側には、鬼が投げようとしたがびくともせず、その爪あとが残っていると云われている石があります。
別の伝承では、鬼が飛び立ったときの足の爪あとだという説もあります。
他にも西行法師が東国巡礼の折りに休んだ石という言い伝えもあり、この石は古くから街道を旅する人々の休息の場であったのでしょう。

東徳寺

佐野集落の千国街道沿いの西方高台にあり、慶長5年(1600年)良伝法師の中興開山と伝えられています。
本尊は聖観世音菩薩像、宗派は真言宗で、一時期は無住となり荒れはてていましたが、昭和57年に本堂を復興しました。
境内には元禄4年の庚申塔二体、明治37年の多宝塔一基、不動明王二体、享保9年の如意輪観音一体をはじめ、地蔵像や筆塚など石造文化財が多く残っています。

十王堂石仏群

東徳寺のやや北の千国街道沿いに、馬頭観音45基をはじめとした計60基の石仏があります。
中でも御前山の碑は、越後糸魚川の雲苔寺との交渉を示す貴重なもので、千国街道が栄えた時代の面影を残してます。

 

https://hakubasanosaka.com/sekibutu.html


青木湖の湖畔は全く人がいない。連休最終日だからなのか、寂しい限りだ。

見つけたお店も鍵がかかっていてドアが開かない。


すっかりさびれてしまったのかなぁ、このあたりも。

中綱湖畔を気持ちよく通り抜け、やっぱり賑やかな木崎湖でランチだ。
 


木崎湖はサイクリストなら誰もが訪れるところ。コンビニの場所も、ランチポイントもよく知っている。

旅の最後は、木崎湖入口の公園でランチタイムだ。

ベンチをテーブル代わりにして、芝生の上でクッキングタイムとなった。


天気も怪しくなってきたため、ショートコースで駅に向かうしかなく、時間も余裕がある。

さっそく、残っている食材を全部持ち寄って料理し始める。


パックご飯に
親子丼まで登場。まだこんなの持っていたんですか! 

缶詰も各自豊富に持っていて、まだまだもう一泊ぐらいできそうな感じだ。
 


あまりにも楽しい三日間だったので、もう何も言うことがない。

明日から仕事だよ・・・なんて考えだすと一気に現実に引き戻される。


あ〜ぁ、会社やめたいよぉ〜なんてボヤキもちらほら。

これだけ満喫しちゃうと、その後のリハビリが大変ですよね、とにかく。


さて残りは信濃大町までのラストラン。

なんとか雨からは逃げきれそうな感じ。何から何まで運がいい今回のツーリング。

市街地をガーミン頼りに右へ左へと裏道攻撃。そして無事に駅に到着。
 


行する時間もたっぷりあり、ゆっくりお土産を買えるほど時間に余裕があった。

信濃大町から松本までは「快速リゾートビューふるさと」に乗車。


乗車券を買おうとしたら駅員に、「全席指定ですよ」と言われビックリ!

普通列車だとばっかり思っていたので、指定券なんて持っていない。


これに乗れないと松本から「あずさ」に乗れない・・・うわぁ、空いているんでしょうか?

と、駅員さんに券売機で4人分席を取ってもらったら、余裕でBOX席取れました・・・やっぱり運がいい。
 


さっそく三日分の”かんぱーい”となりました。あーよかった座れて。 

この列車、指定券500円ですがなかなかサービスが行き届いている。


まず座席が大きく足元も広い。そして窓も大きく、車窓からの眺めも素晴らしい。

車内は専用の案内係がいて、観光案内や車内の飲食販売を担当してくれる。


輪行袋を置くのに困っていたら、空いている乗客席に置いてもいいと言ってくれた。

運転席前方は展望室になっていて、誰でも自由に前方の風景を楽しめる。ちゃんと専用席まで用意されている。


車内にはTVモニターも設置されていて、走行する様子も映し出される。

こんな素晴らしい”おもてなし列車”に、「500円の価値は十分にあるねぇ」と全員絶賛。
 


松本からの「あずさ」にも驚いた。

座席の上には、何やら赤・黄・緑のランプが・・・着席サービス」というらしいのだが、なんだこれ?


この座席が予約されているのかいないのか、あるいはもうすぐ乗ってくるのかが色でわかるようになっている。

なーるほど、素晴らしい「見える化」だ。感激した。

 

g



仕事で
、在庫管理に色別シールで日付を管理したことがあるが、色は一発で認識できて、簡単かつ正確だ。

素晴らしいアイデアに、駅に停車するたびにランプを見て感心していた。


千葉行きの「あずさ」を、新宿から一人乗り越した隊長は、すぐにランプの色が変わって車掌が現れたそうです・・・

もう悪いことはできません。ITには勝てません。

とにかく、充実したツーリングでした。しばらくはツーリングいいや。(なんて言ってすぐまた行くんだから・・・)
 

 


 

(2019/5/6 走行)



帰宅後、さっそくブルーレイビデオの作成だ。今回は二泊三日 と長編で内容充実。

気合を入れてスライドショーまで作ってみた。BGMを厳選し、とっても素敵な作品に仕上がった。

とにかく天気に恵まれ、絶景を満喫した三日間だった。 北アルプスと素晴らしい仲間に感謝!
 


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