峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2021 > 恩田川・成瀬尾根緑道・里山めぐり



三連休の最終日もいい天気になった。

猛暑、大雨、台風、そしてコロナ禍。

なかなか自転車に乗る気にならなかった。

ようやく秋らしい爽やかな気候になった。

久しぶりにちょっと遠出してみることに。

 

「神奈川自転車散歩」(山と渓谷社)より

【多摩田園都市と里山めぐり】を行く

 


2021年9月20日(月)


近場のカーサイとなれば出発もゆっくりでOK。天気と交通情報を確認してから東名高速に乗った。

連休最終日で快晴となれば、日帰りの観光客で高速道路もすでに渋滞だ。


渋滞前に高速道を降り、谷本公園から走り出す。

高速道路沿いの道は起伏が激しく、港北PAを見渡せる橋の上で休憩だ。


いい天気だ。これだけいい天気が続くのも本当に久しぶりだ。

恩田川まで気持ちよく下る。ここからは快適な川沿いの自転車道が始る。


「恩田川」は、東京都町田市から横浜市を流れる鶴見川の支流だ。

さっそく散歩やジョギング、そして自転車の姿が多くなる。

誰もいない静かな所かと思っていたが、かなり人気のある川のようだ。


とても走りやすい道だ。そして自転車が実に多い。

恩田川は大きな川ではないが、流れが結構速く、そして水質もとても綺麗だ。

周囲は田んぼや畑が広がり、都会の川沿いとはまったく雰囲気の違うのどかな眺めだ。


稲穂が陽に照らされて黄金色に輝いている。

いったいここはどこ? と錯覚してしまうほどの田園風景だ。

まさかこんな都会のすぐ隣で米作りが行われているとは知らなかった。


田んぼの中で何やら撮影をしている人の姿も見える。

澄んだ青空と、見事に実った稲穂が美しい。


お散歩のつもりで来たけれど、すっかり本格的なツーリング気分に変わってきた。

本当に驚いた。こんなのどかな景色に出会えるとは全く思っていなかった。


いつまでも恩田川に沿って走っていたい気分だが、こどもの国線を越えてあかね台へ入っていく。

せっかく自転車天国の道だったが、車道へ出れば一気に車の多さに悩まされる。


きつい勾配の道が続き、すでにギヤもローで真剣に登っている。

車止めのある歩道から分岐し、成瀬尾根緑道へ登りつめる。短い距離だが結構登らせてくれる。

いよいここからが本日のハイライト、成瀬尾根緑道の始まりだ。


標高100mに満たない尾根道だが、成瀬山吹緑地からは、町田市方面の山岳展望が広がる。

右下の写真は「成瀬の自然を守る会」よりお借りしました。(https://naruseone.jimdofree.com/)


気持ちのいい高台だ。

豊かな自然と広々とした空間。そして眼下に広がる展望の先に広がる山並み。


地元の人気のスポットなのだろう、結構人の姿も多く、トレーニング姿で坂を駆け上がってくる人もいる。

さて、ここからは簡単な山道走行を楽しむことができる。


ランドナーでも注意して走れば楽しい尾根道走行を楽しむことができる。

ただし、細いタイヤや高めの空気圧では、湿った土でグリップを失ってしまうだろう。


できればMTBのポジションで 、太いタイヤでのんびり走りたい道だ。

林間を抜けると、パッと畑が広がる。近くで農作業している人の姿も見える。


トレイルランのトレーニングをしている人が追い抜いて行った。

このフィールドなら安全で、手頃な難易度で実に気持ちよさそうだ。

自宅のすぐそばにこんな素敵なフィールドが広がっているなんて、なんてうらやましいのだろう。


途中の「風の広場」には、掲示板と自由に書き込めるノートが置かれている。

ノートを覗いてみると、実に多くの方がここを大切にしている様子がよくわかる。


ランドナーなのでスピードも出せず、危険な個所はすぐに降りて押して歩く。

先ほどのトレイルランの人以外には出会わなかったが、走る際は注意が必要だ。


本格的なMTBで来た場合は、かなりの乗車率とスピードで走りきれる山道だ。

そんな場面で地元の人に遭遇した場合は、かなり迷惑な目で見られることだろう。

こんな素敵な尾根道を、あまり無意味な走行で荒らすことは絶対に避けるべきだ。


最後はこんな階段で車道に降りてくる。

短い距離ではあったが、じつに雰囲気のいい、そして整備の行き届いた尾根道であった。


ガイドブックによれば、道路の反対側の階段を登れとなっている。

階段を降りたり、担いで登ったりとまあバラエティに富んだコースだ。


静かな住宅街を抜け、TBS緑山スタジオ横を過ぎて三輪緑山地区へ。

この辺りの住宅団地は、「景観を人と緑が守る街」としてとても素敵な空間が広がる。


「寺家ふるさとの森」へ向かう道は、再び田園風景が広がるのどかな光景だ。

静かな道路脇に広がる水田に、案山子が3つほど並んでいる。


こんな都会の近くで案山子を見れるなんて驚きだ。

車一台がやっと通れるほどの、小さな名もなき”峠”を越えると、その先が「寺家ふるさとの森」だ。


”峠”を下ると、目の前に広大な水田が視界に飛び込んできた。

その水田の美しさに思わず見とれてしまう。

そして実に多くの人が、水田の周囲を散策してくつろいでいる。


日陰でお弁当を食べている家族。生き物を見つけようと水路を眺めている子供たち。

ふるさと村の中をハイキングしたり、池で釣り堀する人たちも多い。

ここへ来れば一日楽しく過ごすことができる憩いの場だ。


早野聖地公園へ入っていく。ここも広大な敷地で、多くの車が次々とやってくる。

なんて広い公園なのかと思っていたら、その先は霊園になっていて自転車で通り抜けることができる。


ここの霊園は、豊かな自然環境の保全を進めながら「新形式墓所」が整備されている。

自転車で通り抜けることに違和感があるものの、自然とマッチした作りにとても感心した。


通り抜けた出口のベンチで一休み。ちょうどバス停が目の前にある。

交通の便もいいし、環境も申し分ない。よく考えられた街づくりだ。


すっかり気温も上昇し、今日は夏の日差しが戻ってきた。

最近手に入れたコロラルの復刻版、保温ステンレスボトルが大活躍だ。


朝、氷をたくさん入れてきたので、いまだに氷がたっぷり残っている。

ペットボトルの水を足せば、いつまでも冷たい水が飲めて有難い。


今日のランチは簡単に済ますことにした。

コンビニでおにぎりを手に入れて、近くの保木公園のベンチでいただく。


子供たちの賑やかな声があちこちから聞こえてくる。

そして食後はやっぱりコーヒーですね。暑い日でもやはりコーヒーを味わいたい。

フィナーレは黒須田川に沿った小道を行く。


小さな川だが雰囲気はなかなかいい。いつもよく行く、世田谷の野川に似た雰囲気だ。

住宅街の中をくねくねと縫って行くが、これがまた変化があって面白い。

ほとんど誰にも会わず、静かにポタリングするにはちょうど良さそうな感じだ。


鶴見川に合流するとゴールは近い。

今日は恩田川、黒須田川、鶴見川と3つの川沿いを走ってきた。

どの川もそれぞれの個性があって実に面白かった。


ぐるっと周回して、約4時間、30km少々の走りであったが期待以上だった。

こんな近場にこんな素晴らしい自然が広がっているとは驚きであった。


 

距離: 31.8 km
所要時間: 4 時間 09 分 32 秒
平均速度: 毎時 7.7 km
最小標高: 18 m
最大標高: 97 m
累積標高(登り): 320 m
累積標高(下り): 315 m

(2021/9/20 走行)



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