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2021年12月20日


今年もあと10日あまり。

1年終わってみれば、コロナ、コロナで相変わらずの大騒ぎの一年だった。

気が付いてみれば、すっかりコロナ脳にやられてしまった毎日。


外へ出てみれば、こんな癒される光景があちこちに見られる。

一気に寒くなってきたけれど、日中はいい天気で暖かい。猫ちゃんたちもこの姿だ。


今日はいつもの呑川から昭和島へ渡ってみる。きれいになった「見晴らしばし」を渡ってみた。

おだやかな昼下がり、平穏な景色が目の前に広がる。


昭和島南緑道公園は静かで誰もいない。

住宅街からちょっと離れ、多くの鉄工所が立ち並ぶ工業団地なので、人の姿もほとんど見られない。

おかげで、こんな広い公園を独り占めだ。


もってきたサンドウィッチ、アップルパイ、そしてホットコーヒーでランチタイムだ。

高台のベンチに座って、目の前の運河を眺めながらいただく。


贅沢な時間だ。年末のこの時間に、一人でコーヒーをいただきながら物思いにふける。

東京で、こんなゆとりのある場所があるなんてこれまで気が付かなかった。


大森ふるさとの浜辺公園に繋がる、いつも走っていた川は「内川」というらしい。

今日の帰りはこの川沿いに走ってみることにした。

素晴らしい案内板が設置されていて、とても詳しく内川が紹介されている。


第一京浜で一旦大きく迂回させられるが、信号を渡って再び川沿いに戻ってくる。

川幅は結構あって、都心の川としては広いほうだろう。


流れはほとんどないが、水面が結構近いことに驚く。豪雨の時、これで大丈夫なのだろうか?

小さな橋がいくつも架けられていて、諏訪橋から川を覗くと、なにやら川底からブクブクと泡が出ている。


ちょうど地元のおじさんたちがベンチで休んでいたので、

「すみません、なんで泡が出ているんですか?」と聞いてみた。

「酸素をいれて、川を綺麗にしているんだよ。魚も沢山いるよ」と解説してくれた。


こんな設備を見るのは初めてだったので、とても興味深くいろいろと質問してしまった。

その先に詳しい解説の案内が掲示されていて、この浄化施設によりかなり水質改善になっているらしい。


内川の案内図によると、途中で川が消滅している。いったいどういうこと?

グーグルマップで詳しく見ると、JRの線路の下で川が消滅するという摩訶不思議なことになっている。

なんだ? とりあえず自分の目で見てみるしかない・・・


前方にJRの線路が見えてきた。すると、これまで続いていた川沿いの道は突然行き止まりになってしまった。

左に迂回しようと思ったら、地元の人たちが次々と線路の下に潜っていく。



え? これ行けんの? 嘘でしょう? と思ったら小さな抜け道がその先に続いていた。

注意すれば
自転車でも通り抜けられる。頭上には通過列車の轟音が鳴り響く。


線路下を通り抜けると反対側の車道に出ることができる。

「ここは公道ではありません。危険なため、う回願います。」と注意書きが貼ってある。

そう書かれていても無理でしょう。こんな近道があるなら皆さん利用するでしょう。


線路を越えると今まで存在していた内川がきれいさっぱり消えてしまった・・・

どうやら地下へ潜っているようだが、その気配も雰囲気も全く感じ取れない。

こうやって川を辿ってこないとこの珍現象には気付かないだろう。


調べてみると、現在では東海道本線より上流は暗渠化し下水道の幹線となっているらしい。

それにしても見事な消え方だ。しばらく周囲を見渡してこの謎の景色に悩んでしまうほどだった。


そして大田区は「坂」の多い所。

https://www.city.ota.tokyo.jp/midokoro/spot/ootaku_sakamichi/index.html

帰り道にも結構手応えある坂を登らされる。この蓬莱坂もその一つだ。

今度、ゆっくりと大田区の坂を”完登”してみようかな、なんて考えながら帰路についた。


(2021/12/20 走行)


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