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2022年5月4日(水)


最初に立屋展望広場を訪れたのが2019年の5月。ここはたまたま偶然に見つけた場所だった。

あまりの展望の素晴らしさと、文句なしのロケーションに完全に参ってしまった。


そして2021年5月に2回目のツーリング。この時もやはり文句なしの素晴らしさだった。

そして今年もまた同じ場所に行くことになった。こんな短期間に3度も同じ場所へ行くほど惚れこんでいる。


コロナ騒ぎも静かになったが、まだまだ旅行客は元には戻らない。

新幹線もいくらか混んできたが、自転車も余裕で置けるほど空いている。


「あさま」で長野駅まで1時間45分。

昔は夜行で行ったもんだ、なんて話をしているともう到着だ。


長野駅で前泊組の2名が合流し、合計5名全員が集合。

さっそくコンビニで買い出しして、さあ行きますかって時にパンクが発覚!

まだ駅からコンビニまでしか走っていないのに・・・いったいどういうこと?


いきなりこの先不安なスタート。ぶつぶつ文句を言いながらパンク修理。しかしチューブは全く異常なし。

買い物中に誰かにエアーを抜かれた? そんな馬鹿な? フレンチバルブ緩められる? 結局、謎でした。


今年のゴールデンウィーク前半は天気も悪がったが、今日からの後半は快晴が続く。

このメンバーがGWに集まると、とにかく天気に恵まれる。きっと晴れ男がいるに違いない。


犀川沿いにまずはポタリング。3度目の立屋展望広場だが、毎回コースが違うので新鮮だ。

前方に残雪の北アルプスの山並みが見えてくる。

快晴、無風、そして爽やかな気候。もう、条件が整いすぎて気分もいきなり最高潮だ。


今年のGWは、コロナ騒ぎの県外への移動制限などもないため、観光客の車がかなり多い。

大型連休後半、天気に恵まれ、これまでの制限も解除されて観光地は激しい渋滞だ。


渋滞の中を走っていると我々の行く手にこんな案内が・・・逆にラッキー!

こんなのが出てきたら車は入ってこれない。おかげでこの先貸し切りに。いいね、いいね〜!


車も来ないし、道幅一杯に使っておしゃべりしながら緩い坂を登っている時だった・・・

自分の前を走っていた「TOEIスペシャルマシン」のK氏、踏み込んだ瞬間大変なことが起きた!


「バキバキバキ!!」という激しい金属音! すぐにチェーンが垂れ下がったのが見えた。

「チェーンが切れた!」と自分が大声を発して、先を行くメンバーに伝える。

どひゃ!こりゃ大変、と直感したが、チェーンならなんとかなりそうだと思った。


さすがのK氏も何が起きたかさっぱりわからず、呆然とした表情。いつもの顔ではない・・・すぐ全員が集まってきた。

何が起きたか詳しく調べてみると、被害状況は深刻だった・・・

チェーン以外にも、ディレイラーのエンドストッパーが破損して折れている。さらにスポークが1本折れている。


どうやら、切れたチェーンを巻き込んでスポークが折れ、そしてディレイラーが破損したようだ。

これは重傷だ。これまでのツーリングの中でも一番ひどいトラブルかもしれない。

こりゃいきなりここでリタイヤか・・・と思うほどだった。


ところがどっこい、この重鎮たちはこれぐらいではへこたれない。

まずチェーンはプレートが外れただけなので、簡単に嵌めなおす。ディレイラーは不安定ながらも使用可能。


問題はスポークだ。ホイールの振れをチェックすると、ブレーキシューに当たらない程度の横振れだ。

高速で走るには危険だが、我慢すればなんとか走行可能だ。


折れたスポークは隣のスポークに、ビニールテープで止めて修理完了だ。

なんと、あれだけの重傷にもかかわらず、ほんの数分で走れる状態に復旧した。


ディレイラーはだましながら乗っているが、
テンションが取れずに辛そうだ。

そこで取り出したのが「ゴムフック」! なんて素晴らしい物を持っているのでしょう!


フック付きなので、こんな感じで引っかけてテンション調整ができる。おぉ、ワンダフル!

おかげで、辛い登りもなんのその。いつもと変わらぬパワフルなヒルクライムが復活だ。


何事もなかったかのように、ロスタイムもほとんどなく元に戻った。

立屋展望台への強烈な登りが始まる。車の騒音も聞こえなくなり、静寂の世界が訪れる。


狭く、九十九折れの山道を行く観光客はほとんどいない。ここからは自転車天国のフィールドだ。

見事な花桃を眺めながら登っていく背後に、残雪の北アルプスが大きく見え始める。


見事な「水仙街道」を登っていく。強烈な勾配だが、あまりの美しさに心もなごむ。

ひと漕ぎひと漕ぎ展望が広がっていく。この季節、残雪と新緑、花も草木も何もかも美しい。


いよいよ立屋展望広場が近づいてきた。

すでに背景には大展望が広がっていて、過去2回のコースとは全く違う明るい印象だ。


そして・・・・いつものようにこの大展望だ!

しっかりポーズをとってもらって記念撮影。決まりますねぇ〜やっぱり。


そして我々の超お気に入り、”大展望東屋”でランチタイムだ。

何て言ったって、日本中でこんな素敵な東屋は他にはないだろう、ってぐらい素晴らしい。


大きなテーブルが用意されていて、5人座っても余裕だ。水場もトイレも整っていて、もういうことなし。

ここでのランチタイムを楽しむために運んできた、数々のメニューを広げだす。


旅の小道具でも紹介した、ローソンの冷凍ホルモン鍋にはまると抜け出せなくなる。
http://home.c04.itscom.net/takasu/horumon.htm

今回はさらにコンビニで見つけたホルモンを、メスティンの蓋でジュージューと焼いてみた。


さすがフッ素加工された「黒メスティン」は、肉を焼いても焦げ付かず、最高の一品が出来上がり。

次から次と、各自工夫の料理のオンパレード。ちょっと驚きのおじさんたちの豪華な食卓だ。


今回もこんな素晴らしい記念写真を撮ることができた。

絶対に期待を裏切らない「立屋展望広場」。

北アルプスの残雪を独占したければここへ来るしかないだろう。


展望広場の東屋すぐ下にある山荘で、賑やかに食事をしている面々。

素晴らしい場所に位置していて、100点満点の絶景だ。

我々の様子もずっと眺めていて、お互いにこの好天気に上機嫌だ。

「そこの場所サイコーですね!」
「いいでしょう!」

「ここは何度も来てまして、また来年も来るかもしれません」
「どうぞどうぞ、またお越しください」

「今度はそちらに泊めてくださ〜い」
「いいですよ〜」 

なんて会話を残して下り始めた。


下ってしまうのが本当にもったいない。なんて素晴らしいところなんだ。

この景色、この感動は、自転車でなければ絶対に味わうことができないだろう。


ここまでが前半のハイライト。今日はこのあとにメインの登りが待っている。

後半戦の辛さはすっかり頭に入っている。辛い登りと日没までの時間との闘いだ。

展望を楽しみながら、静かな山道をゆっくり下っていく。


「信州の猫寺 法蔵寺」の案内を過ぎて後半の登りに入る。このお寺もいつか訪れてみたい。

気温もかなり高くなり、しっかり日焼け止めを塗っておかないとあとで後悔するだろう。

登り8km、平均勾配6%程度だが、後半に急勾配が待っている。


重傷を負ったホイール、ディレイラーもとりあえず”快調”だ。

さすがに下りではスピードを抑えないとならないが、登りとなるとまったくいつもと同じだ。


例によってフルパワーで登り始めれば、押していくところもそのままスイスイ。

他のメンバーははるか後方に置いて行かれ、九十九折れの上空から「ここですよ〜」なんて。

多少トラブルを抱えていてくれたほうが、他のメンバーにはちょうどいいぐらいかもしれない。


次第に先頭と後続の距離が離れ始めてくる。長い登りが徐々に脚につらくなってくる。

時刻は16:20 日の短い秋だったらすでに真っ暗だが、さすがにこの季節はまだまだ明るい。

最後の登りに四苦八苦しながらじりじりと登りつめる。


先頭の姿がしばらく見えなかったが、最後の高戸谷の分岐でようやく姿が見えた。

と、思ったらもう一人の誰かと会話をしている。そして、そこにはこんな見慣れぬ”マシン”が!

おおこれはリカンベント! こんな山奥にこんな自転車が・・・とにかく驚きの出会いだった。


我々と同じ年代のサイクリストで、話を聞けばカーサイで来ているようだ。

きっと超有名な方なのだろうけれど、我々の勉強不足でリカンベントには詳しくない。

このマシン、いったいどういう仕組みなのか、全員で質問攻め。


内装ハブギヤのオリジナリティ溢れるマシンは、結構登りも下りも快適らしい。

もっともっとお話をしていたかったけれど、時間も迫っていたのですぐにお別れすることに。


帰宅後調べたら、我々の”友人の友人”ということでした。やっぱり、自転車の世界は狭いですね。

さっそくブログに載せていただきました。楽しいひととき、ありがとうございました。
https://inter8.hatenablog.jp/entry/20220507/1651877403


サイクリストと別れてすぐに、ようやくピークに到着した。

走り慣れた道だったが、やはりきつかった。年々体力も落ちているのか、前回来た時よりきつく感じた。

まもなく時刻も17時になろうとしている。あまり余裕がなくなってきたが、今回は近道にチャレンジしてみることに。


これまで鬼無里の湯へ行くために、李平林道経由で車道まで合流していた。(赤線)

この林道は一旦登り、大きく迂回をしながら車道に合流する。


実は地図を見るとまっすぐ直行する強烈な下りの道がある。(青線)

これまでも、その道の存在は知っていたが、あまりに状況が悪そうな下りだったので行くことはなかった。

今回事前に調べてみたところ、通行可能とわかり、この近道を下ってみることにした。


急勾配の山道は所々荒れていたが、自転車なら難なく通行することができた。

この近道のおかげで、かなりの時間を短縮することができ、無事に車道に合流することができた。


直行の近道は、毎回記念撮影をするバス停の所に降りてくる。あまりの短さにちょっと拍子抜けするほどだった。

近道のおかげで時間も20分以上短縮でき、あっという間にゴールが近づいてきた。

そしていつもの「鬼無里の湯」に無事到着。さっそく汗を流してテラスで恒例の儀式!


いつものコースにいつもの宿。そしていつもの部屋でいつもと同じテラスで乾杯。

同じことを何度も繰り返しているが、それだけ充実したコース、満足感溢れるコースということだろう。


宿のスタッフともすっかり顔なじみになって、夕食も楽しくいただくことができる。

「昨年も楽しく過ごさせてもらいました」なんて思い出を語りながら、料理長とも雑談する。


見事な「特製えごま御膳」に大満足。

いつものように食べきれないほどのご馳走に、お酒もどんどん無くなっていく。

最後のデザートまでいただくと、もう動けないほどだ。


それでも部屋に戻って、懲りない面々は二次会の始まりだ。

スタート時のトラブルで一時はどうなるかと思ったが、なんとか無事に初日を終えることができた。


距離: 48.2 km
所要時間: 7 時間 56分 38 秒
平均速度: 毎時 6.1 km
最小標高:  360m
最大標高:  1038m
累積標高(登り):  1069m
累積標高(下り):  611m

(2022/5/4 走行)


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