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「関西・九州フェリー旅」もいよいよ最終日。ここまでほぼ予定通りに走ってきた。

あきれたプランだったけど、ここまで来ると、なんて充実した計画だったのかと見直した。


最終日も欲張った内容だ。今日も分刻みのスケジュールになっている。

まずはフェリーを降りたら南港ベイエリアから浜寺公園へポタリングする。


続いてシマノ博物館を見学し、最後は大阪の渡船巡りが待っている。

果たして、予定通り全てをこなせるだろうか・・・


2023年10月19日(木) 四日目(最終日)


「さんふらわあ きりしま」の入港予定時間は7:40なので、ゆっくりと日の出を見ることができる。

6時頃からデッキに出て日の出を待つ。すでに空が明るくなっていて、間もなく日が昇ってきそうな感じだ。

ご夫婦が座ってじっと日の出を待っている。何だか素敵なシーンなので、思わず後から撮らせてもらった。


やがて眩しい太陽が顔を出し、周囲が一気に明るくなった。

美しく、素晴らしい日の出だった。これがあるからフェリー旅はやめられない。


朝食もゆっくり味わえる。やはり入港時間は7時以降が最適だ。

さすがに昨日100kmも走れば相当エネルギーを消費している。


朝から凄い食欲だ。ちょっと恥ずかしくて人には見せられない。食後のコーヒーもまた格別だ。

朝から実に贅沢な時間を過ごさせてもらった。


大阪港が次第に近づく。見えてきたのは問題だらけの万博会場だ。

フェリーはすぐ横を通過するので、工事の様子も良く見える。たしかに全く進んでいない感じだ。

果たしてどうなるのか、このビッグイベントは・・・


大阪の賑やかさが徐々に伝わってくる。多くの港湾施設や物流機器が所狭しと並んでいる。

ガントリークレーン、40ftコンテナなど、船上から見るとまた風景も違う。

「さんふらわあ きりしま」は、定刻通り無事に大阪港に入港した。


着岸してもしばらくは下船できない。その間の作業風景をのんびりと眺めさせてもらう。

岸壁の作業は今でも手作業が多い。このロープを引っ張っていく作業も昔から変わらない。

見ていると、体が倒れるんじゃないかというぐらいの力で引っ張っていく。大変な重労働だ。


船内放送で下船の案内が始まる。やはり大型トラックからだ。

自転車は最後の最後。まあ仕方ない。しばらくはベッドで横になっていても大丈夫。

待つこと30分・・・まだ放送がない・・・40分・・・ようやく車両甲板へ・・・一般車が次々下船する。


・・・50分・・・バイクに下船許可が出る・・・そしてようやく自分の番だ。

またしても大トリだ。今回も多くの作業員に見送られる中、堂々の下船だ。


下船してこの右の写真を撮ったのが、着岸1時間後だ。

これには参った・・・20分で下船できると考えていたのだが甘かった。


最終日のコースは分刻みで計画されている。

というのも、午後からの渡船巡りは乗船時刻がきっちり時刻表で決められている。

そのため、1本逃すとかなりタイムロスになってしまうのだ。


8つある渡船の時刻表を調べ、一筆書きのコースを作成し、綿密なスケジュールを組んできた。

今日も予実績管理の手法で行かないと、渡船巡りをコンプリート出来なくなる。


スタートでいきなり大幅なタイムロスだ。8:00出発予定が40分遅れとなってしまった。

仕方ない、前半のコースをどこかショートカットするしかない。


南港ベイエリア 〜 浜寺公園


まずは南港のベイエリアを散策する。広いプロムナードが護岸に続いている。

正面には万博会場の人工島「夢洲」だ。建設現場は見れないが、岸壁は港湾設備、物流機器で一杯だ。

目の前に広がる海と、荒々しい光景がとても刺激的だ。


ベイエリアを離れると、すぐに激しいトラックの波に巻き込まれる。

初日の神戸港と同じように、トレーラー、コンテナ、大型トラックが激しく行き交う。

車道はとても走れたものではない。危なくて歩道をずっと走っている。


最終日、まず最初にやることは不要な荷物を自宅へ送り返すことだ。

郵便局を探して、ゆうパックのダンボールを購入する。


着替えを始め、色々厳選すると小さなダンボール一つ分ぐらい不要な荷物が出てくる。

送料はかかるが、これだけ軽量化できると走りも随分楽になる。

こんなことをしていたおかげで、すっかり予実績管理が狂ってきてしまった。


この光景を見ていただきたい。向かってくるのはこんな大型トラックだらけだ。

ただし皆さんプロのドライバーだけあって、安全運転は徹底している。

自分の姿を見つけると、減速して無理な追い抜きはしない。さすがだ。その点は信頼している。


運河や川を渡るには橋を越えないとならない。複雑に入り組んだ歩道を利用して橋を越えていく。

橋の上からの眺めは大都会の景色だ。様々な物が乱立して所狭しと立ち並んでいる。


大分、鹿児島で見てきた光景から一変して、何もかもが激しく動き回っている大都会の風景だ。

大和川に出て堺方面へ南下する。やっとトラックの洪水から逃げることができた、と思ったら・・


ほんの一瞬のぬか喜び・・・すぐにまた大型トラックの洪水だ。

それにしても、毎日毎日これほどの車両が本当に通行しているのだろうか? 

ちょっと異常ではないか? やはり万博工事の影響なのだろうか?


今日の午前中は、「堺市自転車地図」を参考にさせてもらった。

特に浜寺公園の水路が実に気持ちよさそうなので行ってみることにした。

https://tabi-rin.com/wp-content/themes/tabirin/js/pdfjs/web/viewer.html?file=https://tabi-rin.com/wp-content/uploads/2018/05/00012-1.pdf


ようやく車の洪水から逃げてくることができた。と言っても、右手はすぐ高速道路なので騒音は聞こえてくる。

浜寺水路はまっすぐな散歩道が2.5km程続き、ぐるっと周って周回することができる水辺コースだ。


美しい水路と緑に囲まれた小径は、散歩・ジョギング・サイクリングに最高だ。

ようやくここまで来た甲斐がある。のんびりとランチタイムを楽しみたい憩いの場所だ。


水路の反対側へ渡るにはまた橋を渡らされる。とにかく今日は色々な立体物を渡ることが多くて疲れる。

反対側は松並木が続き、浜寺公園が大きく広がっている。

とても大きな公園で、様々な施設が揃っている。ここだけで一日たっぷり過ごすことが出来そうだ。


堺は「日本の自転車産業発祥の地」として知られている。

確かに多くの自転車が街の中を走っている。そして当然皆さんこれを付けている。
「さすべえ」

多くのおばちゃんの自転車にはこれが付いている。よーく観察してみると装着率は70%ぐらいか?


さすがに若い人は付けていないが、年齢が上がるほど装着率は高い。

東京ではほとんど目にすることはないが、大阪では今でも根強い人気があるようだ。


そもそもこれは違法ではないのかと感じるが、片手運転にはならないので違法ではないらしい。

まあ、我々サイクリストからしたら、なんとも理解しがたいシロモノだ。やはり文化の違いですかね。


シマノ博物館 〜 高須神社


すでに予定時間から50分も遅れている。このままでは今日のメニューをこなすことができなくなる。

本来は仁徳天皇陵古墳などを見て周ろうかと思っていたのだが、パスすることに。

大事な大事な「シマノ博物館」に直行することにした。おかげで予定時間より5分遅れまで回復する。


許された見学時間は約1時間。果たして1時間で出て来れるだろうか・・・

博物館はガラス張りの立派な建物だ。あまりに立派で最初は気付かなかった。

どこかのオフィスかと思った。サイクルラックが無ければ気付かなかったかもしれない。


なんでこんなに綺麗なのかと調べたら、2022年3月25日にリニューアルオープンしたばかりだ。

関東のサイクリストにとっては、ほとんど訪れる機会がないため、この博物館を誰も知らないだろう。

自分も今回のツーリングがなければ、まず来ることもなかっただろう。それだけに相当楽しみにしていた。


何か入口からもう世界観が違っている。

自転車が単なる乗り物としてではなく、人生を豊かにしてくれるものだと伝わってくる。


受付で入場料を払おうとしたら、65歳以上は無料とのこと。

おぉ、ラッキー!今年に来て大正解! さっそく免許証を見せて確認してもらった。

館内は写真撮影はOKだが、動画はダメとのこと。写真OKとは素晴らしい。さすがシマノだ。


入場ゲートをQRコードをかざして通過する。ハイテクですね、さすが。

するといきなり壁には、こんな大きな展示が掲げてある。


「自転車とは(What is a Bicycle?)」 
自分だったら何て答えるだろうか、と考えてしまった。

その下を読んで、いきなり感動してしまった。「その通り!」


広い館内はそれぞれテーマが設けられていて、もう溜息が出るほど濃い内容だ。

展示がめちゃくちゃ素敵で、美しいライティングと、開放感ある美しい設計により別世界にいるようだ。

とにかく見切れないほどの展示が次々現れる。一つ一つじっくり観察したいのだが、1時間しかない。


できるだけ多くの写真を撮って、あとでじっくり見直そうと、もう端から端まで写真を撮りまくりだ。

以下は、撮影してきた写真をできるだけ紹介することにする。

展示車に限らず、書籍や資料を見ることも、データベースで検索することもできる。


自転車に関することは何でも揃っている、ない物はないといった究極の博物館だ。

とてもとても1時間で満足できる所ではない。出来れば一泊二日ぐらいで訪れたい所だ。

いろいろな自転車を見てくると、自分の自転車も展示してもらおうか、なんて気になってしまった。


とにかく素晴らしい博物館だった。

ここは、サイクリストたる者、絶対に一度は来るべき所だと感じた。

自転車の歴史を本当にじっくりと学べる。そして人類の英知を感じることができる。


予定通り1時間で切り上げ、後半戦のルートへ戻る。

鹿児島では高須町を訪れたが、ここでは「高須神社」にお目にかかる。


何やら歴史ある神社のようで、詳しい解説が書かれている。すぐ裏手には阪堺電気軌道の駅まである。

「私も高須と申します」と誰かに教えたかったが、誰もいないので、参拝した際に伝えておいた。


渡船巡り 〜 新大阪駅


いよいよこの旅最後のイベント、「渡船巡り」の時刻になった。

しかし、高須神社脇の公園でのんびり昼食を食べていた結果、すでに予定より25分遅れだ。


これはまずいことになった・・・8つの渡船に乗船するスケジュールはすべて決まっている。

一つでも乗り遅れると、今度は帰りの新幹線に間に合わなくなる。さあどうする?


そもそも、この「渡船」とはいったい何?


大阪市の公営渡船(ウィキペディアより)

大阪市南西部は河川や運河などの水路が縦横に走っており、また河川舟運が盛んで架橋が困難だったため、古くから市による公営の渡船が多数運航されてきた。各河川・港湾への架橋進展に伴いその多くが廃止されたが、現在でも8航路が、主に大阪市建設局西部方面管理事務所により運航されている(木津川渡のみ大阪港湾局)。



渡船巡りの作戦と結果

8つの渡船を全て巡るには、一筆書きでコースを決めなければならない。
なかなかルートを決めるのが難しく、やっと考えたのがこの黒いライン。実際に走ったのが赤いラインだ。

@からGまで順番に、決められた時刻に到着できるように走らねばならない。
そのため、渡船も渡る方向が大切だ。
右から左、左から右、下から上へと渡る必要がある。
しかしスタートが遅れたため、いきなり最初から渡る方向が違ってしまった。

@へ急ぐために近道で走ることになってしまったのだ。
結局、残念ながらBは橋と渡船の両方を渡り、Cは時間に間にあわず、橋を渡るという結果に終わった。
8つのうち、予定通り渡れたのは後半の4つ。100点満点で50点という悲しい結果だった。

渡船の渡る方向
予定 @→  A←  B→  C↑  D↑  E↑  F←  G←
結果 @←  A→  B←→ C×  D↑  E↑  F←  G←

それでは実際の様子を、順番に紹介していこう。


@落合上(おちあいかみ)渡船場 
●予定14:00→結果13:53着 ●方向逆だが乗船できた

スタートから遅れるという最悪の事態。14:00には間に合わないので、仕方なく反対側から乗船する。
初めての渡船。まずは渡船乗り場を見つけることからだ。これがなかなか苦労する・・・
ここの乗り場はすぐに分かったが、乗るには何をどうしたらいいのかさっぱりわからない。

乗船口に自転車を押していくと、すでに女子高生が待っている。なるほど・・・そういうことね。
まだ定刻ではないので、上から周辺を眺めていると、反対岸から渡船がやってきた。
本当はこれに乗りたかったんだ。すぐに自転車数台が降りてきた。なるほど・・・そういうことね。

わからないことだらけなので、この黒シャツのおじさんに色々聞いてみた。
「ここで待っていればいいんでしょうか?」
「これ、乗れないってことあるんですが? 定員何名なんですか?」

この時間は空いていて、渡船もガラガラだった。
工場地帯を水面から眺めながら、1、2分で向こう岸に到着。頭の高さ付近には、掴まるための手すりがある。
なるほど、こういう仕組みなんだ。もちろん無料です。


A落合下(おちあいしも)渡船場 
●予定14:15→結果14:11着 ●方向逆だが乗船できた

船を降りたらすぐに次の渡船場に向かう。近いので15分しか余裕を設けていない。
この@〜Bまでは、渡船がなかったら大変だ。向こう岸に渡るためには相当な距離を迂回しないとならない。
この渡船のおかげで、最短距離で移動できる。やはり住民にとっては必須の交通手段だ。

この渡船も問題なく間に合った。一度経験してしまえばもう余裕だ。
落ち着いて乗船、下船ができる。周囲の景色をたっぷり楽しむことができた。
ほとんどが通勤通学、買い物のための乗船のようだ。生活感たっぷりの船内は実に面白い。


B千本松(せんぼんまつ)渡船場 
●予定14:30→結果14:28着 
方向逆だが乗船できた

だんだん調子が出てきた。この調子なら8つの渡船も問題なく乗れそうな感じがしてきた。
2分前に到着だが、川幅が広く、渡船が向こう岸からやってくるため時間に余裕がある。
ここの待合所はなかなか広くて気持ちがいい。

乗船したのは4組ぐらい。全員女性、主婦や学生だ。結構広い水路を渡るので乗りごたえがあった。
天気も良く、ほとんど揺れることもないので景色を見ながら快適な「クルーズ」だ。


@ABの渡船は渡る方向が逆だったので、Bを下船後、向きを修正する作戦に出た。
この場所は千本松大橋という立派な橋が上空にかかっている。
これを一度越えて反対側へ渡れば方向を修正できる。

せっかく渡船で渡って来たのに、わざわざ橋を渡って元に戻ることになるのだから相当バカでしょう。
しかし、ここで修正しておかないとC以降がまた大変なことになってしまう。
ということで、高さ36mのループ橋を頑張って上っていくが、これがまた辛い・・・

渡船が必要な意味がよくわかる。これを人力で渡るのは厳しい。なんたってループするほどですから。
それにしても、ループ橋からの眺めは素晴らしかった・・・船で渡って、橋で戻って、大満足・・・


C木津川(きづがわ)渡船場 
●予定15:00→結果15:05着 
●間に合わず乗船できなかった

今回の渡船巡り、時間に追われ、橋を登り返し、体力を使い、余裕が全くない。こんなに辛いとは・・・
しかしやっとこれで正規のルートに戻ったので、あとは間に合うように頑張って走るしかない。
次の木津川渡船場までは近いので、すぐに行けるだろうと甘く考えていたのだが・・・

あと残り5分というところで渡船場が見つからない。周囲に表示がまったくない。
まずい。ここの渡船は乗り遅れると45分も待たなければならない。8つの渡船で一番便数が少ない。
焦る・・・GPSにセットしたポイントの周囲には何もない。うわぁ、だめだ間に合わない。

ちょうど倉庫でフォークリフトに乗っていた人がいたので、仕事中に聞いてみた。
すると、設定したポイントがずれていて、さらにもう少し奥へ入った辺りだった。
何か表示を出してくれよ〜ようやく見つけた場所にも小さな表示しかない。トホホ・・・これで乗船できず。

がっかりだ。8つの渡船すべてに乗船しようと考えてきただけに、ここで早くも達成できず。
次の渡船を待っていては帰りの新幹線に間に合わなくなる。しかたない、ここは諦めるとしよう。


渡船に乗船できなかった、ということは橋を渡らなければならないということだ。
上空に聳えるのは「新木津川大橋」だ。これを上るのかぁ・・・どっひゃ〜
前の
「千本松大橋」は自分の意思で上ろうと考えたが、今度は無理やり上らされる。それも高さ50mもある!!

もーふざけんな!って感じで怒り爆発だ。
「もー渡船巡りは二度とやならないぞ!」と叫びながらトボトボ歩く。二つの橋巡りで、体力を使い果たす。
それにしても、皮肉にもまた素晴らしい眺めが待っていた。なんだか、いいんだか悪いんだか・・・

何度も上って下って、休むことなく走り続けて、いったい何がいいんだ? 渡船巡り? と怒り出す。
まぁまぁ、落ち着いていきましょう。怒ってもしょうがない。あと4つ、楽しみましょう! と気持ちを入れ替える。


D船町(ふなまち)渡船場 
予定15:20→結果15:30着 次の15:40に乗船できた

この渡船場はすぐに見つかった。表示もしっかりされていてわかりやすい。こうでなくっちゃ!
予定が狂ってしまったが、便数が多いので20分遅れで乗船することができた。

この時間は乗船する人も少なく、今回は二人だけだった。
とりあえず前回の混乱から立ち直って、怒りも焦りも収まってきた。


E千歳(ちとせ)渡船場 
予定15:40→結果15:52着 ●次の16:00に乗船できた

千歳渡船場も大きな表示ですぐに場所がわかった。これですよ、これ!
待合所も広く、すでに愉快そうなおじさんが待っていた。
背中には「お酒無くして人生なし」と書かれたパーカーを着ている。思わず吹き出しそうになる。

ここの渡船はかなり距離がある。そして、他の船の航行でかなり波がある。
向こう岸からやって来た渡船も、波を受けて左右に大きく揺れている。
この時間になると乗船客も増えてくる。買い物客、通勤通学客などが目立つようになる。


F甚兵衛(じんべえ)渡船場 
●予定16:00→結果16:14着 ●次の16:15に乗船できた

ここの渡船場も道路脇に大きく表示されているのですぐに分かった。これですよ、これ!
乗船口にはすでに長い列・・・仕事帰りだろう、かなり客層も変わってきた。
これ全員乗れるのだろうか? とちょっと心配になるが、全然問題なし。

結構乗れるもんですね、渡船って。最大48人乗れるって掲示されてあった。
乗船すると、係の人は人数を数えて記録している。そうでしょう、ちゃんと残さないと。

まあそれにしても、生活感たっぷりの渡船巡りだ。自分一人だけ全く人種の違う人間が混ざっている感じだ。
そしてやはり「さすべえ」率は高いですね。おばちゃんの自転車にはほとんど装着されていた。


G天保山 (てんぽうざん)渡船場 
●予
定16:30→結果16:38着 ●次の16:40に乗船できた

いよいよ最後の渡船だ。ちょっと距離があるため、前の渡船から移動に時間がかかる。
全体としては予定より1便遅れているだけなので、だいぶ気持ちも落ち着いてきた。
それでも、小休止する暇もないので、なかなか忙しいコースだ。

最後の天保山渡船場は、大きな公園の中にある。これまでとは雰囲気が違うので渡船場探しが難しい。
公園に入っていきなり立ち止まってしまった。周囲を見渡したが、渡船場がある気配がない。
ちょうど宅配の軽トラが停まっていたので、ドライバーに聞いたがわからないとのこと。

うわまずいぞ、またか・・・と焦る。しかたない、恥をしのんで近くにいたママ達に聞いてみた。
すると、ここをずっと右に行って・・・とその方向へ歩きながら教えてくれた。ありがたい。
聞いてよかった。ちょっと奥まった、わからない場所が渡船場だった。

やった。これで8つ目、最後だ。無事に到着してほっとした。なんとかゴールが見えてきた。
乗船客のメインは外人さん3人組。3人とも自転車だ。楽しそうに体を躍らせながら会話している。
なんだろう、不思議な人たちだ。外人さんがなんでこの買い物自転車で・・・そうかUSJの関係者かも。

下船したすぐ先は、あのUSJだ。外人さんたちが働いていても不思議ではない。きっとそうだ。
3人は下船した先で、それぞれの方向に別れて行った。不思議な光景、賑やかな光景、これが大阪だ。


無事に「渡船巡り」が終了した。

終わってみれば、実に愉快で楽しく、そして生活感あふれる小さな探検だった。

渡船場を探す楽しみ、色々な乗船客、工場地帯の景色、川、水路を渡るスリル、丁寧な係員。


時には地元の人と会話して触れ合うことも。渡船でなければわからない生活感もしっかり感じることができた。

橋に囲まれた地域にとって、この渡船の有難さがよくわかった。これはなくてはならないものだ。


大きな橋を作っても、それは車のためだ。

住民にとっては、ほんの小さな川を渡るだけでもこの渡船が必要だ。


それにしても操船テクニックは皆素晴らしかった。一発で寸分狂いなく接岸する。お見事でした!

USJを横目で見ながら淀川へ出る。大きな夕陽を背中に浴びながらフィナーレを迎える。


今日も一日長かった。そしてめちゃくちゃ充実していた。

この4日間天気に恵まれ、何もかもうまく行った。やはり、しっかりプランニングしてきた結果だろう。


様々な思い出に浸りながら、広い淀川の土手を行く。

すっかり自分の影も長くなってきた。ゴールの新大阪駅まであと7km。目標の18時までには間に合いそうだ。


大都会新大阪の街に入ってくると、ちょうど帰宅時間と重なった。

オフィス街は多くのサラリーマンやOLで一杯だ。そんな中を走って行くと、ちょっとした視線を浴びる。

17:38 新大阪駅到着。長い、長い4日間の旅が無事に終わった。


あとはいつものように一人宴会を楽しむばかり。

新幹線の車内はビジネスマンの姿が目立つ。

仕事帰りのサラリーマンには申し訳ないが、こちらは心身ともに十分な満足感で一杯だ。


あらためて「渡船めぐり」のガイドブックを読み直す。今日見てきたことがきちんと書かれている。

このガイドブックのおかげで、今回はかなりヒントをもらうことができた。

「阪神しまなみ海道」も「大阪渡船めぐり」もこの本がなければ考えられなかっただろう。


最後は撮影した動画を眺めながら思い出に浸っていた。

フェリー旅は実に魅力的だ。来年、また新たな企画を考えてみたいと思うほどだった。

 

距離: 82.5 km 
所要時間: 8 時間 56分 59 秒
平均速度: 毎時 9.2 km
最小標高: 0 m
最大標高: 79 m
累積標高(登り): 291 m
累積標高(下り): 259 m

2023/10/19 走行


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